とにかくおすすめ

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ページをめくる手が止まらない、寝る時間さえ惜しくなる最高のエンターテイメント

泣ける本

思いっきり泣きたい人向け

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悲しいとかハラハラするとか怖いとか必要なく、ただただほんわかして、暖かい気持ちを感じたい人におすすめの本

世界を知る

世界の大きな流れを知りたい人向け

深い物語

いろいろ考えさせられる、深い物語

生き方を考える

人生の密度を上げたい方が読むべき本

学習・進歩

常に向上していたい人が読むべき本

組織を導く人向け

日本の経済力を強くするために、組織づくりに関わる経営者などにおすすめしたい本

デザイン

ただ美しいものを作れるだけじゃなく、一歩上のデザイナーになりたいデザイナーが読むべき本

英語読書初心者向け

英語は簡単だけど面白い、そんな面白さと英語の易しさのバランスの良いものを厳選

英語でしか読めないおすすめ

英語で読む以上、英語でしか読めない本を読みたい。現在和訳版がない本のなかでぜひ読んでほしい本。

「リクルートのDNA 起業家精神とは何か」江副浩正

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
多くの起業家を排出するリクルート。リクルートの創業者である著者がリクルートが成長する過程の出来事や社内の精神について語る。
むしろ著者の自伝的色合いが濃く、「リクルートの歴史」といったタイトルの方がふさわしいような印象を受けた。本書で語られるそのリクルート創業当時のいろんな困難は人間関係の重要さを教えてくれる。実際本書でも第二章で「私が学んだ名起業家の一言」とあるように、著者自身も非常に人とのつながりを大事にしている事が伝わってくる。また、リクルートが世の中に必要とされる物を提供する事を第一に考えた結果、大きくなってきた点も印象的である。
最後の章ではこれまでに失敗した事業も紹介している。失敗から学ぶことの大きさも本書では繰り返し触れられているのである。何か世の中のためになる仕事がしたくなってくる。
【楽天ブックス】「リクルートのDNA 起業家精神とは何か」

「情報を捨てるセンス選ぶ技術」ノリーナ・ハーツ

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
インターネットの普及によって情報が溢れかえるなか、どのように情報を取捨選択していくべきか、著者が語る。
いろんなメディアから様々な情報が発信され、毎日大量にその情報を受け取っているが、常にその情報の正しさに疑いを持っているだろうか。その情報が情報の受け手を意図した方向に導こうとしている可能性を考慮しているだろうか。同じグラフでも縦軸、横軸の取り方一つで見え方は大きく変わるのである。また、今ではどこの通販サイトにも取り入れられているユーザーレビューも、多くのサクラが存在するのである。本書が語ってくれるのは、そんな情報のすべてを鵜呑みにせず、真実を見極める方法である。
人は同じ考えを持つ人と一緒にいようとする傾向があるが、真実を見極めるためには反対意見を言ってくれる人を近くにおいておくべきだ、という考え方は何も情報のあふれる今に限った事ではなくずっと使える考え方のような気がする。
アフガン戦争に向かうブッシュを支持したアメリカ人や、2000年問題を過剰に警戒した世界の人々など、記憶に新しい過去の出来事のなかから、人々が間違った情報に操作された例をいくつか紹介している。真実を見抜く目を育む手助けになるかもしれない。
【楽天ブックス】「情報を捨てるセンス選ぶ技術」

「カレイドスコープの箱庭」海堂尊

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
医院長からの依頼で田口公平(たぐちこうへい)は術後に死亡した患者に関する処置の実態を調査することとなった。
誤診なのか検体の取り違えなのか、各々のスタッフの話を聞いて調査に努める田口公平(たぐちこうへい)だが、もちろん簡単に解決するはずもなく、やがていつものように厚生労働省のロジカルモンスター、白鳥圭輔(しらとりけいすけ)が調査に乗り出すことになる。
真相の究明の過程から病院内の権力争いや、スタッフ間の嫉妬が見えてくる。正直医療関係者でもなければ物語の流れをすべてしっかり理解するのは難しいかもしれない。一般の人はせいぜい漠然とトリックと犯人がわかる程度なのではないのだろうか。
シリーズを重ねるごとに専門的な内容が増えてくるだけでなく、過去のシリーズの人間関係も引きずってくるためにわかりにくくなっている点が海堂尊シリーズの残念なところである。
【楽天ブックス】「カレイドスコープの箱庭」

「迷子の王様 君たちに明日はない5」垣根涼介

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
リストラを迫られた企業に対して、早期退職を促す会社で働く村上真介(むらかみしんすけ)の物語。
「君たちに明日はない」シリーズの第5弾で完結編である。今回もこれまでと同様に退職か会社に残るかを迫られた3人の男女の人生に迫る。化粧品メーカーでマネージャーを務める33歳の独身女性。電機メーカーで液晶テレビの製作に関わっていた42歳の男性。本が好きで書店に勤める33歳の女性の3人である。
いずれも一通りの社会人生活を送り、楽しむことも楽しみつくして生きる事意味を考え始める時期で、自分の好みや性格やコンプレックスなどを考えて、人生の岐路に立つ彼らの考えはどれも共感できる。特に2つめの親子2代にわたって電機メーカーで働いた男性が、退職を勧められて父親に助言を求めにいくシーンが印象的である。時代が変われば生き方も変わる。高度経済成長の真っただ中、「いい物が人を幸せにする」という時代に電機メーカーで働いていた人間と、すでに物が溢れ、すべての家庭に必要なものが行き渡った状態で、働いている人間とではいろいろ状況も異なるのだろう。結局人生の決断は本人にしかできないのだ。
三者それぞれに家族や友人、妻など周囲の人が大きく影響を与えているのが見える。

世の常識と今の自分に暫時寄り添いながらも自分の正しさを、そして自分の常識を常に疑い続けるものだけが、大人になってからも人間的に成長し続けることが出来るのではないか。

そして、終盤、真介は社長に会社をたたむ事を告げられる。新たな道を模索する真介は過去に自分が退職を勧めた人々に会ってその後の状況を聞くことにするのである。
終わってしまうのが悲しくなるほど、生き方の意味を考えさせてくれるシリーズ。もう一度全部読み直してみたくなった。
【楽天ブックス】「迷子の王様 君たちに明日はない5」

「できる上司は「教え方」がうまい」松尾昭仁

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
組織における教えることのメリットやその効果的な方法を説明する。
序盤は教える事の利点を語る。教える側にとっては「自分でやった方が早い」という考えを持つことは多く、その結果、部下を育てる事ができずに組織の効率性を損ねている例が多々あるのだろう。実際には、部下を育てて自分と同じ能力の人間を複数持つ事でこそ組織は効果的に機能するのである。
中盤以降は、教えるために有効な方法を順を追って説明している。ほめる事の重要性や、相手のレベルを見極めることなど、普段から教えることに慣れている人にとっては当たり前のことばかりではあるが、改めて教えることに重要な1つ1つの要素を本書を通じて見直すことができるだろう。
人間のタイプによって教え方を変えるという点が本書でもっとも面白い部分ではないだろうか。部下を「理論派」「行動派」という2つのタイプにわけるだけでなく、「まったくの初心者」「教え方に文句をつける部下」「根拠のない自身がある部下」「すぐにリスクを考えてしまう部下」「自分よりも年上の部下」「自分よりはるかに年下の部下」「本気で学ぶ気が感じられない部下」「頑張り過ぎる部下」と8つのタイプにわけでそれぞれの対処方法を説明している。必ずしも教える側、教えられる側としてだけでなく、人間として成長するためにはどう行動すべきか、という点で考えさせられる部分もあるだろう。
【楽天ブックス】「できる上司は「教え方」がうまい」

「わたしはマララ 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女」マララ・ユフザイ

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
パキスタンのスワート地区で育った女性、マララ・ユフザイがタリバンの圧力や不安定な国政のもとでの人々の生活の様子を描く。
2001年の9.11直後はタリバンという言葉を何度も耳にしたが最近はあまり耳にしなくなったように思う。しかしそれは9.11から時間が経って人々の関心が薄れたから、メディアも取り上げる回数が少なくなったというだけなのだろう。本書で描かれるパキスタンの人々の生活の様子は、タリバンの脅威が国内ではその後もずっと続いていたことを教えてくれる。
タリバンは、女性が教育を受けることや肌をさらすことをイスラムの教えに背いているとして強制的にやめさせたり、そのような行いをしている人やそれに貢献している人を殺害したりするのである。著者マララは、そんななか教育の重要性を認識して学校を運営する父親と、強い信念をもった母親のもとで育つ。しかし、タリバンへの恐怖から多くの人は行動を制限され、公に逆らったひとは次々と殺されていくのである。友人や知り合いが殺され、死体が町に放置されるという、僕ら日本人から見れば異常としか思えない出来事が、著者の周囲では日常だったことが伝わってくるだろう。日本という安定した国でしっかりとした教育を受け、自由に外出できるような環境で生きられることの幸せを改めて感じられることだろう。
そして後半はタリバンによって顔に弾丸を受け、生死の境をさまよう様子が描かれている。顔に弾丸を受けてもなお、タリバンの攻撃は私の声を世界に届けることにつながった、と考えることのできるマララの姿勢が印象的である。女性の地位の向上や教育の重要性を語る一方で、十代の女の子らしい振る舞いや想いが文中に散りばめられている点も印象深い。マララのように恵まれない者は、試練を経て強い信念を育む一方、僕らのように恵まれた者はその価値を見失い、信念を持たずにただ悶々と生きているのだ。自らを律したくなる一冊。
【楽天ブックス】「わたしはマララ 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女」

「Talent Code」Daniel Coyle

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ブラジルはなぜ多くの有名なサッカー選手を長年にわたって排出するのか。ロシアの一つしか室内コートを持たないテニスクラブはなぜ世界で20位以内の女子テニス選手をアメリカ全体よりも多く生み出すのか。そんな問いかけとともに、著者は才能の育成のための方法を語る。

最初に著者が説明するのはDeep Practiceというもの。現在の持っている技術の及ぶぎりぎりの場所で練習を繰り返す事により、技術はもっとも効果的に伸びるのだという。様々な実例や過去の事実を交えてその内容を説明する。そして最初の問いかけ、ブラジルが有名なサッカー選手を生み出す理由にも触れる。その答えは、ブラジルがずっと強かったわけではなく、ペレの出現以降急激に力をつけたことや、昨今のブラジルの世界の舞台での失速を見事に説明してくれる

また、後半では幼少期にどのように子供に接することが才能を育むために効果的なのかについても、いろいろな実例から説明している。才能というのはDeep Practiceに長い時間を費やす事によってもっとも効果的に伸ばす事ができる。つまり、子供達は、結果よりも努力の量を評価されてこそ長い時間を練習に費やそうとするのである。

本書で語られているのはスポーツや音楽の発展に関するものばかりだったが、Deep Practiceはあらゆる面で有効に見える。僕らは日常生活を送る中で、いろいろな技術を改善しようと努めているが、果たしてしっかりとDeep Practiceできているだろうか。そんなことを考えさせられる。また、子育てをしている人は子供への接し方を考えさせられるだろう。

「Leading at a Higher Level」Ken Blanchard

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
いくつかの企業を紹介しながら、リーダーシップのあるべき姿を説明する。

一般的な組織はピラミッド型で上に行けばいくほど決断できる部分が大きくなるが、理想の組織は顧客に近い下の人間ほど決断できる部分を大きくすることで、それぞれの社員もモチベーション高く効果的な組織を作る事ができるという。

真のリーダーは、そんな組織のために顧客に接する部下達に奉仕(serve)することが理想なのだと言う。どうしても組織は、部下は上司に奉仕(serve)する形になりがちだが、それが顧客よりも上司を重視してサービスやモチベーションの低下に繋がるのである。また、後半では組織に「変化」を起こすために行うべき事についても触れている。常に組織のなかの多数派である「一般社員」目線で考えことの重要性を教えてくれる。

残念ながら僕が今従事している業務に適用するのは難しそうだが、理想の組織を作りたくさせてくれる一冊。

「十字軍物語3」塩野七生

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第三次十字軍から第七次十字軍を描く。
十字軍物語の第3作目であるが、1作目、2作目で第一次十字軍、第二次十字軍を扱っていたのに対して、本書では第三次から第七次までの5つの十字軍を描く。お互いを認め合うサラディンとイギリスのリチャードの第三次十字軍の章以外では十字軍はむしろ政治的な要素が強かったり、惨憺たる結果に終わったりする。
印象的なのは惨憺たる結果に終わりながらも神に尽くした聖人とされたフランス王ルイである。自らの利益を考えずに神に尽くそうとし、それゆえに十字軍に参加した人々に大きな傷跡を残した彼の行動は、当時の世の中の人の考え方の現代との違いを示しているようだ。神には逆らってはならない。神に尽くせば救われる。今よりもずっとそう信じられていたのだろう。また、いずれの十字軍でも大きな戦力となった騎士団の動向も面白い。聖ヨハネ騎士団は十字軍の後ロードス島へ本拠地を移し、一方で聖堂(テンプル)騎士団は弾圧の末に消滅するのである。
ヤッファやアッコンなど拠点となった町にいつか行ってみたくなった。
【楽天ブックス】「十字軍物語3」

「耳をふさいで夜を走る」石持浅海

「耳をふさいで夜を走る」石持浅海
オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
自らが信じる正義のために並木直俊(なみきなおとし)は3人の女性を殺すことを決意した。しかしそこにはいくつかの傷害が立ちふさがる。
他の石持浅海作品のような、わずかな出来事から導き出される推理の連続を期待したのだが残念ながら中途半端な作品になってしまった印象を受けた。1晩で3人の女性の殺害しようとする殺人者目線で展開し、もちろん殺人者並木直俊(なみきなおとし)がその目的を達成するためにいろいろな事実から推理を働かせながら行動をするのだが、他の石持浅海作品と比較するとその推理は表面的なものでしかなく、その一方で、登場人物それぞれの行動の動機も説得力を持つほど詳細に練られているとは言えない。
【楽天ブックス】「耳をふさいで夜を走る」

「志高く」井上篤夫

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ソフトバンクの孫正義(そんまさよし)の半生を描く。
孫正義(そんまさよし)を知ったのは、ソフトバンクが携帯のキャリアとして表舞台に出てきたころだろうからせいぜいここ10年以内である。しかし、本書では有名になる以前の孫正義(そんまさよし)の人生が描かれている。
必ずしも新しい技術は世の中のために使われるとは限らない、その技術を企業が世の中のためでなく、自分たちの企業の利益のためだけに使おうとする場合もある。本書で描かれているMSX戦争がまさにそれである。
こう考えてみると孫正義(そんまさよし)はビルゲイツやスティーブジョブスとともに世の中が一気にデジタル化するそのど真ん中にいたのだとわかる。また、ジョブスと同じように孫正義(そんまさよし)も一時期生死の境をさまよったことがあるという共通点は何か考えさせられるものがある。きっと死の淵に近づいたことによって人生の意味を一般の人よりも強く考えるようになるのだろう。
このような伝記を読むと毎回思う事ではあるが、今回も自分が世の中にほとんど何も貢献していないことを情けなく思ってしまう。孫正義(そんまさよし)に対してはまありいい印象を持っていたわけではないが、本書を読んで少し見方がかわった気がする。
【楽天ブックス】「志高く」

「Pardonable Lies」Jacqueline Winspear

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
戦時中ドイツ軍に撃ち落とされて死んだとされた息子。しかし妻は病気で死ぬ間際、息子は生きているはずだから探して欲しいと夫に依頼する。夫は妻との最後の約束を守るため、Maisieに息子が死んでいる事を確認するよう依頼する。
Maisie Dobbsシリーズの第3弾。終戦直後の混乱のヨーロッパを舞台に描く探偵物語で、いずれの物語も戦争中に人々が負った傷に深く関連して描かれる点が面白い。依頼によって戦争中に戦闘機のパイロットをしていた男の消息に迫る中、親友で兄3人を戦争で失ったPricillaからも長男のPeterがどこで死んだのか突き止めて欲しい、と依頼される。
僕らは普段、歴史上の事実からしか戦争というものを捉える事ができないが、本シリーズを読むと、戦争が終わって10年以上経過しても、人々の生活や心のなかに戦争の傷が残っている事を感じさせてくれる。
過去と向き合う親友を見て、Maisie自信も過去と向き合おうとする。戦争中に看護婦として働き、恋人を失った野戦病院の場所をもう一度訪れる事を決意するのだ。
ややできすぎな偶然と感じる部分もあったが、戦後の人々の苦しみを登場人物の感情や行動を通じて伝えてくれる一冊。

「届け物はまた手の中に」石持浅海

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
恩師である益子(ましこ)先生を殺害した犯人を殺して復讐を果たした楡井和樹(にれいかずき)は、同じく復讐を誓いながらも、起業家としての幸せな家庭を築くことを選んだ友人設楽宏一(したらこういち)にその報告に向かう。
この奇抜な設定がすでに石持ワールドへの入り口である。この設定に抵抗がある人は石持浅海の世界はあまり楽しめないのかもしれない。さて、友人設楽(したら)の家に復讐の報告に向かった楡井(にれい)は設楽の妻、妹、秘書の女性3人と設楽(したら)の子供の4人の歓迎を受ける。設楽(したら)は急な仕事で部屋から出てこないのだと。不自然な女性3人の行動と、友人が久しぶりに訪れているにも関わらず部屋から出てこない設楽(したら)。そんなか、楡井(にれい)は訪問の目的を果たそうと試行錯誤するのである。
ほとんど設楽(したら)邸で物語が進むという石持らしい作品。女性3人のわずかな不自然な動作を元に真実に近づいていく楡井(にれい)の思考を楽しめるだろう。
【楽天ブックス】「届け物はまた手の中に」

「深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海」沢木耕太郎

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
トルコで著者は友人から託されたこの旅唯一の目的を果たすこととなる。
旅の最終目的地が近づいてきたことによる著者の喪失感がにじみ出てくるところが興味深い。

旅は人生に似ている。どちらも何かを失うことなしに前に進むことはできない・・・・・・。

【楽天ブックス】「深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海」

「成功の法則92ヶ条」三木谷浩史

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
楽天を大きくした三木谷浩史氏がその成功の法則について語る。
若干前作の「成功のコンセプト」と重なる部分もあるが、個人的には本書の方が印象的だった。タイトルの通り本書は92の細かい内容に別れているが、そのなかでも印象的だったのは35の「WIN-WIN関係を創造せよ」との83の「ロングテールを理解せよ」である。「WIN-WIN関係の創造」というのは長く生き残るビジネスを行ううえでは必須の考えだが、どうしても忘れてしまいがち、また「ロングテール」というのは今の時代の変化である「多様化」を言い変えた言葉でもあり、あらゆる面において、ロングテールの考えを適用していかないと企業は生き残れないというのである。
毎朝英語を勉強していたことや、海外から情報を取得することの重要性を説くところなど含め、なんか僕とやっていることに共通点があるな、と思った。
【楽天ブックス】「成功の法則92ヶ条」

「宰領 隠蔽捜査5」今野敏

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
管内で国会議員が失踪した。署長の竜崎伸也(りゅうざきしんや)は極秘の捜査によって誘拐殺人事件であることが明らかになる。
例によって、地位の上下や私欲に縛られずに正義を全うしようとする竜崎(りゅうざき)の姿勢に触れられる本シリーズは面白い。今回の事件は神奈川県警も巻き込んでいることから、神奈川県警、警視庁、双方の立場を考慮して行動していく。また、事件のほかに、息子の大学受験という家族の問題も同時に抱えている。様々な業務を洗い出してそれぞれを優先順位をつけて的確な解決方法を見つけ出して処理していく様子はなんとも爽快である。
毎回、自分自身の行動についても見つめ直させてくれる一冊。
【楽天ブックス】「宰領 隠蔽捜査5」

「One for the Money」Janet Evanovich

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
お金がなくて困ったStephanie Plumは法廷に現れない犯罪者を捕まえる仕事、Bounty Hunterをすることを決意する。最初のターゲットは殺人を犯して逃亡したもと警察官で、なんとStephanieの学生時代の知り合いの男Morelliだった。
ターゲットであるMorelliを追ううちに、逆にStephanieは窮地を救われることとなる。そして次第にMorelliとStephanieの間に妙な協力関係が生まれていく。
Stephanieが失敗を繰り返しながらも、少しずつBounty Hunterという仕事に慣れていく様子が面白い。Stephanieが住んでいる町が非常に狭くて、そこら中に知り合いや元同級生がいて、みんなが結婚相手を世話しようとしている点が、懐かしい温かさを感じさせる。Bounty Hunterという職業自体が日本では馴染みが薄いので、文化の違いが反映されているような気がする。そもそもなぜ日本にはBounty Hunterという職業が存在しないのだろう、と考えてしまう。
続編もあるようだが、Stephanieが成長する様子が見れるかもしれない。

「十字軍物語(2)」塩野七生

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
聖都エルサレムを奪還した十字軍だが、イスラム側も徐々に反撃を始める。
エルサレム奪還から時を経て、十字軍側は防衛する側にまわるのだが、そのなかで重要な役割を担うのが聖堂(テンプル)騎士団と聖ヨハネ騎士団である。本書ではこの2つの騎士団について何度も触れられており、著者のこだわりが感じられる。実際その存在は非常に魅力的に見える。聖堂(テンプル)騎士団は「ムスリムは殺せ」という信念でその信念に賛同する物は誰でも受け入れていたのに対して、聖ヨハネ騎士団はもともとは病院騎士団と呼ばれ、人々の病や怪我の治療にも尽くし、教育を受けた貴族しか受け入れなかったという。聖ヨハネ騎士団のそんな自らを律した存在がとても魅力的に見えるのだ。彼らが使っていた城塞に書かれていた文章がその哲学を表している。

おまえが裕福な出であろうと、それはそれでよい。おまえが知力に恵まれていても、それはそれでけっこうだ。また、おまえが美貌に生まれたのならば、それもよし。だが、このうちの一つであろうとそれが原因になって、おまえが傲慢で尊大になるとしたら、問題は別になる。なぜなら、傲慢とはその表われである尊大は、おまえ一人に限らずおまえが関係を持つすべてを損い汚し卑俗化してしまうからである。

また、聖ヨハネ騎士団が十字軍防衛のために利用した城塞もとても印象的である。特にクラク・ド・シュヴァリエについては図入りで解説されており、いつか実際に見てみたいと思った。
本書のなかで印象的な著者の言葉として、優秀な人材は同じ場所に集まるというものだ。実際、第一回十字軍の際には多くの優秀な人材が十字軍から排出されて、それがエルサレムの奪還へと繋がったが、本書ではイスラム側にサラディンなどの多くの優秀な人材が輩出され、エルサレムを奪い返されるのである。
【楽天ブックス】「十字軍物語(2)」

「TEDトーク世界最高のプレゼン術」ジェレミー・ドノバン

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
TEDのプレゼンはなぜあれほど人々を魅了するのか。著者は過去のさまざまなTEDトークを例に出しながら、効果的にプレゼンをするための方法を語っている。
「ストーリー」とか「ユーモア」といった、いいプレゼンを語る上で誰もが盛り込む内容だけでなく、「キャッチフレーズ」や「紹介の仕方」などについても語る。TEDトークはどれもインターネットで公開されているから、本書の説明だけでわからないものはすぐにチェックすることができるだろう。
本書で語られているなかでもっとも印象的だったのは、プレゼンのなかで自分を主人公にしてはいけないということだ。見習うべき行動について語るのであれば、自分ではなく第三者にするべきで、自分を主人公にするとただの自慢話になって聴衆を遠ざけてしまうのだと言う。
その人自身の持っているキャラクターもあるから、本書で紹介されている方法をすべてプレゼンの中に取り入れるのは難しいかもしれない。TEDではその日初めて会う人に語るが、実際には上司や仲間など、すでに知っている人にプレゼンをすることもあるだろう。鵜呑みにすべきではないと警戒しながらも取り入れられる部分は取り入れたいと思った。
また、本書はプレゼンの技術を教えてくれる本というだけでなく見るべきTEDトークをたくさん紹介してくれる本としても役に立った。
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「Mobile First」Luke Wroblewski

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
スマートフォンの普及によってWebの作り方は大きく変わった。著者はMobile Firstというコンセプトでその考え方を語る。
その考え方は、Mobileという限られたスペースに情報を入れようとするために、不要な情報や要素はすべて削ぎ落とす必要がある。その上で出来上がったMobile用のWebからPC用のWebを作成する際に、本当に役立つものだけを付け加える、という、まさにMobileサイトを中心とした考え方である。
面白いのは、冒頭で著者は言っている。

今までは日本人でもない限り誰もモバイルでWebを閲覧しようなどとはしなかった。

つまり、数年前まで日本はモバイルでのWeb閲覧という分野においては世界でも進んでいたのだ。にもかかわらず、海外のWeb情報サイトではそこらじゅうで目にする「Mobile First」という言葉、日本ではまったく聞かない。すでに世界から遅れをとっているということなのか、それとも単に文化の違いなのか。