「The Monk Who Sold His Ferrari」Robin Sharma

The Monk Who Sold His Ferrari

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
心筋梗塞をきっかけに輝かしい法律家の経歴と私財を捨ててインドに旅立った友人が、若返って帰ってきてヒマラヤで得た豊かな人生のための教訓を語る。

すべてを捨ててヒマラヤに行った友人という話が印象的だったため序盤から興味津々である。ヒマラヤでしあわせにに長生きをする人々の秘訣を教わって帰ってきたJulianは話し始める。灯台のある美しい庭に関取がいる、不思議な逸話から、徐々にその奇妙な話が意図するところを説明していく。

まとめてしまうと、本書で語っている豊かな人生を生きる鍵はは次の7つである。

Master Your Mind
Follow The Purpose
Practice Kaizen
Live With Discipline
Respect Your Time
Selflessly Serve Others
Embrace the Present

つい先日「アファメーション」を読んだばかりであるが、それだけでなく「嫌われる勇気」など、本書で語られていることは、形や順番は異なれど、どれも多くの場所で語られることばかりである。それでも、語り方が異なればまた伝わり方や感じ方が違うもので、今回も改めて自分の生き方の純度をあげるきっかけとなった。

言葉の重要性、周囲で起きたことに対する自分の反応のコントロール、そして人や社会に尽くすこと、この3点は常に忘れないようにしたい。また、そのほかにも、人に伝えたい言葉であふれていた。

There are no mistakes in life, only lessons. There is no such thing as a negative experience, only opportunities to grow, learn and advance along the road of self-mastery. From struggle comes strength. Even pain can be a wonderful teacher.
No matter what happens to you in your life, you alone have the capacity to choose your response to it.
Your I can is more important than your IQ.
Don't pick up the phone every time it rings. It is there for your convenience, not the convenience of others.

世の中にはすでに本書で書かれていることができている人も多いだろう。しかし、そんな人でも何度もその考え方を忘れないために同じ考えに触れ、その純度を上げていくべきなのだろう。

「アファメーション」ルー・タイス

アファメーション

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
人生を好転させる5つの法則を語る。

たびたび良書として名前が挙がってくるため、「アファメーション」という言葉から、おおよその内容の想像はできるのもかかわらず、自分の人生の密度をさらにあげるために本書を読むに至った。

本書は次の5つのステップを順番に語っている。

ステップ1 ビジョン、使命、価値観、動機、態度を明らかにする。
ステップ2 創造的な思考、ポジティブなセルフトークを取り入れる。
ステップ3 ターゲットを定義し、目標の刷り込みを行う。
ステップ4 行動を起こし、方向を正す。
ステップ5 人を育て、組織を改善する。

人生のすべては自分の選択であり、行きたい場所を明確にして、それを言葉にすることで実現に近づく、これは間違いない。また、この考えは、昨年読んだおすすめの本「自動的に夢がかなっていくブレインプログラミング」と非常に似ており、結局、豊かな理想の人生を達成するための誰もが認める方法ということだろう。

そういう意味では、考え方としてはすでに何度か触れたものだったので、大きな驚きはなかったが、表現の仕方、説明の仕方のなかに、いくつか新しいと思えるものがあり、この考え方の重要性を改めて再認識できた気がする。なかでも、自分のネガティブな考え方によって束縛され、不幸になっている人を端的に表した次の言葉が印象的だった。

見てごらん、鍵は君のポケットの中にあるよ。君はただ鍵を開けて、自由になればいいんだ。

後半は目標設定の必要性やそれに関わる逸話を多く書いており、また個人だけではなくグループへの適用などにも触れており、必要以上に長く感じた。個人的に人生を好転させたくて本書を読もうと考えているなら、上にも書いたように「自動的に夢がかなっていくブレインプログラミング」の方が端的でわかりやすく、また楽しく読めるだろう。

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「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代」アダム・グラント

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
オリジナルな人間になるための考え方を説明している。

メガネのネット販売でメガネ業界に大きな変革を起こしたワービー・パーカーの創業者たちの話をきっかけに、どのようにして大きなことを成し遂げるかを説明していく。

著者が繰り返し強調しているのは、世の中に大きな変化を起こすのは誰にでもできることで、人生の大きな決断など必要ないということである。例えば、スティーブ・ジョブスやビルゲイツは必ずしも若い時に人生の賭けに出たからその後の成功があるわけではない。同じようにマーチン・ルーサー・キングやイブラハム・リンカーンも僕らが思っているほど、人生において誰もまねできないような大胆な行動をとった結果、幸世に語り継がれる存在になったのではないのだという。偉大な人たちも人生のリスクヘッジをしながら自分の持つ新しいアイデアを少しずつ実行に移してきたのである。

では、どのようなことを日々意識して生きていけばそんな偉大なことを成し遂げられるのか。本書はそのために次のことを説明している。

  • アイデアの出し方
  • まわりの巻き込み方
  • 情熱の育み方
  • タイミングの撮り方
  • 誰と手を組むか
  • 組織のつくりかた
  • 困難への立ち向かい方

多くの人が思っていることと実際の成功者や成功しげ企業にはかなり乖離があると感じた。例えば、何事も先にやった人や企業が成功する可能性が高い印象があるが、必ずしもそんなことはない。またベートーベンは偉大な作曲家として有名だが、実際に評価されている曲は彼が作曲した650曲以上の曲のなかの一部でしかない。つまり、質の高いものは数が多ければ自然と生まれてくるのである。

ポラロイドの凋落や、公民権運動、婦人参政権運動、セグウェイの失敗など過去のさまざまな事象を例にとって説明する。本書が言おうとしている内容だけでなく引用されたそれぞれの出来事が興味深く、新たな好奇心を刺激してくれる。序盤で出たオンライン販売のワービー・パーカーだけでなく「となりのサインフェルド」などについても今回新しく知った。

良い刺激を与えてくれる非常に中身の濃い一冊である。

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「脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方」ジョン J. レイティ

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
運動がどれだけより良い人生を送るために重要か、実験などの結果を交えながら説明する。

スポーツを日常的にしている人は感覚的にスポーツが心にも良いことはわかっているだろう。本書はそんななんとなくな良さをさまざまな研究結果を交えてわかりやすく解説している。

簡単に言うと運動は健康だけでなく、成績の向上、不安やストレスの解消、うつや加齢による認知症棟にも効果があるのだと言う。きになるのはどれぐらいの運動をするのがいいのかということだが、本書によると、心拍数が最大心拍数(220から年齢を引いた数が理論上の最大心拍数)の60%から70%を保ってを30分程度運動を行うのが良いとしている。それを週に5日というのが最低ラインということである。

どちらかというと、体育の授業などのこれまでの運動の機会にのなかで、自分は運動神経が鈍いと認識して運動を習慣化しなかった人こそ読むべきなのだろう。運動が得意不得意に関係なく、運動をするということは人生を豊かにするのである。

僕自身も現在はスカッシュや競技ダンス(社交ダンスの本気版)をできている。しかし、この先怪我や機会の喪失などでそれらのスポーツが習慣的にできなくなったときに、最低限良い人生を維持するために、本書で書いてあったことを考えて再び習慣にする運動を選びたいと思った。

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「自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング」アラン・ピーズ/バーバラ・ピーズ

オススメ度 ★★★★★ 5/5
夢を叶える方法を語る。

目標は紙に書くといい。というのはよく聞く話ではあるが、なぜそれがいいかということまで本書は説明している。それは脳のRASという仕組みによって、紙に目標を書くと、その情報に敏感になるのだという。本書ではこんな自己啓発本にありがちな夢を叶える方法を、多くの実例を交えて説明している。

簡単にいうと自分の目標を小さなものから大きなのまで思いつく限り書き出し、それをAリスト、Bリスト、Cリストに分類するのである。

Aリスト…今の自分にとってもっとも大事だと思えること
Bリスト…今の自分にとって大事だが、決断前にもう少し考える時間が欲しいもの
Cリスト…挑戦してみたいがまだわからない、できたら達成したいこと

重要なのはどうすれば達成できるのかは一切考えないということと、肯定的な表現をするということである。例えば「タバコをやめる」ではなく「健康的な生活をする」というように、否定文やタバコを吸うのをやめるというような表現だと「タバコを吸う」方のイメージがついてしまうのでうまく行かないのだという。

そして、Aリスト、Bリストには期限や、細かい達成目標を記入し、そのリストを常に自分が目にする場所に置いておくのだ(携帯の待ち受け画面など)

手法だけを聞くと、ありがちな自己啓発本の一つのように聞こえるかしれないが、本書は説得力のある説明が満載である。加えて、目標達成のための考え方や人生を前向きに生きるための様々な手法も共有してくれている。そして、なんといっても著者夫婦のマインドの強さに驚かされる。

何より面白かったのは著者自身も載せるか迷ったという最後の章である。家やお金を失った著者夫婦が再び裕福な生活を手に入れるまでに行ったのが、まさに本書で説明されている方法なのである。このような人生をよくする系の本で泣きそうになったのは初めてである。早速自分の目標を書き出して、見える位置に貼っておきたい。

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「The Four Agreements: A Practical Guide to Personal Freedom」Don Miguel Ruiz


オススメ度 ★★★★☆ 4/5
人は親や社会や周囲の人々との多くの合意の中で生きており、多くの悩みや悲しみはその同意によって生まれるのだという。本書ではほかの多くの合意を忘れて、たった4つの合意だけ意識して生きることを勧めるている。

オススメ書籍としてそこら中で名前が挙がる作品で、またそのタイトルにあるFour Agreementも調べようと思えば簡単に調べることができるが、そのFour Agreementの背景にある考え方まで知りたいと思って本書にたどり着いた。4つのAgreementは次の4つである。

1.Be Impeccable With Your Word
2.Don’t Take Anything Personally
3.Don’t Make Assumptions
4.Always Do Your Best

本書を読む前は2のDon’t Take Anything Personallyや3のDon’t Make Assumptionsに共感したのだが、本書を読むと1のBe Impeccable With Your Wordの持つ力の大きさに気づかされる。だからこそこの合意が最初にくるのだろう。

人は使う言葉によって、悪い言葉なら呪いをかけ、良い言葉ならプラスの魔法をかけるのだという。使う言葉一つ一つがそれを聞く人、使う人に影響を与えると言うことを意識する。それこそがBe Impeccable With Your Wordであり、元気が出る魔法を、周囲の人にかけられるような、もしくは悪い呪いを解くような、人をプラスの方向に導ける言葉遣いをしていきたいと思った。

わずか数100ページと非常に短いわりに、とても有名な本なのでぜひ一度読んでおくべきだろう。ただし、1度読むだけでなく何度も人生の中で立ち止まっては自分に言い聞かせてこそ役立つ内容なんだと感じだ。

「GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代」アダム・グラント

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
人に惜しみなく与える人をギバー、自分の利益を優先させる人をテイカー、損得のバランスを考える人をマッチャーという。様々な事例を交えながら3つのタイプの人間と成功するための心がけを説明する。

ギバーの生き方が豊かな人生を送れることは誰もが予想することだろう本書でも基本的にギバーを推奨する点は特に驚くべきことではないが、面白いのは、どんな分野でももっとも成功している人はギバーだが、一方でもっとも劣っている人もギバーなのだという。

したがって、本書のテーマは、つまり、気遣いが報われるギバーと、人に利用されるだけのギバーが存在するということである。本書のテーマはそんな2つのギバーの違いを見極めることである。

成功するギバーになるために必要なことは、「自己犠牲的」になるのではなく、自己の利益と他者の利益の二つを同時に目指す「他社志向的」な生き方をする必要があるということである。相手に同情しすぎてただ利用されるだけで終わる人も多いという。本書では、テイカーと付き合うときはマッチャーになるように努めることを勧めている。

テイカーを相手にするときは、自衛のために、マッチャーになるのがいい。ただし、三回に一回はギバーに戻って、テイカーに名誉挽回のチャンスを与える。

僕自身は他社志向のギバーなのかもしれないが、もっとギバーになるための指針があふれていた。また、僕の周りにも利用されるだけのギバーがたくさんいるので、彼らにもぜひ読んでほしいと思った。

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「嫌われる勇気」岸見一郎/古賀史健

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
人生に悩む青年が「人は変われる、世界はシンプルである、誰もが幸福になれる」と言う哲人のもとを訪ね、その内容を問いただす。自分の人生を嘆きそれと比較しながら、哲人の話す内容はただの理想論と言う青年だったが次第にその考え方に心を奪われていくのである。

昨今アドラー心理学という言葉をよく聞くようになったので、比較的新しい考え方だと思っていた。しかし実際にはアドラーはフロイト、ユングと並ぶ心理学の三大巨頭なのだそうだ。

まず、興味をひいたのは原因論と目的論という考え方。例えば、とある引きこもりの男性がいて、ある人がその原因を幼少期の虐待にあるとする。これが原因論による考え方である。一方で目的論をベースにするアドラー心理学は次のように捉える。その男性は社会に出たくない故に幼少期の虐待を理由に引きこもることを選んでいる、と。アドラー心理学では常に「今」の「目的」に目を向けており、「過去に人はとらわれない」という考え方をしている点が興味深い。

他人の評価などのように、自分ではどうしようもないことに干渉するためにエネルギーをかけない、という点は、選択理論などでも語られ、最近では一般的な考え方になってきたが、それでも改めてアドラー心理学の中でそれを考え直すのも悪くない。

やはりもっとも印象的だったのは「貢献感で幸せを感じる」という考え方である。人はどうしても人や社会に貢献すると、金銭や感謝の言葉などのような見返りを求めてしまうが、そこから解き放たれて自ら満足することこそが幸せになる方法なのだ。
実はこの考え方、僕自身がこの1,2年至った考え方だったので、もう少し本書を早く読んでいればもっと早くここにたどり着いたのかもしれない、と思った。


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