とにかくおすすめ

ジャンル関係なくオススメを知りたい人向け

とにかく面白い

ページをめくる手が止まらない、寝る時間さえ惜しくなる最高のエンターテイメント

泣ける本

思いっきり泣きたい人向け

優しい気持ちになれる本

悲しいとかハラハラするとか怖いとか必要なく、ただただほんわかして、暖かい気持ちを感じたい人におすすめの本

深い物語

いろいろ考えさせられる、深い物語

生き方を考える

人生の密度を上げたい方が読むべき本

学習・進歩

常に向上していたい人が読むべき本

組織を導く人向け

日本の経済力を強くするために、組織づくりに関わる経営者などにおすすめしたい本

デザイン

ただ美しいものを作れるだけじゃなく、一歩上のデザイナーになりたいデザイナーが読むべき本

英語読書初心者向け

英語は簡単だけど面白い、そんな面白さと英語の易しさのバランスの良いものを厳選

英語でしか読めないおすすめ

英語で読む以上、英語でしか読めない本を読みたい。現在和訳版がない本のなかでぜひ読んでほしい本。

「Camino Island」John Grisham

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
プリンストン大学の図書館から盗まれた5つの有名作家のオリジナル原稿は、Camino islandにある本屋のオーナーが所持しているとの疑いを持った保険会社は、Camino島で生まれ育った女性作家Mercerに本屋のオーナーBruce Cableに近づいて調査をすることを依頼するのである。
Mercerが執筆作業という名目でCamino等に滞在し、本屋のオーナーであるBruceや、Camino島にいるたくさんの作家と知り合いになるなかで、本屋や多くの作家事情が描かれている点が面白い。また、有名作家の初版本やサイン本、オリジナル原稿などが取引される闇マーケットについても描かれており、作家である著者の専門分野だけに真実に近い部分も多く含まれていることだろう。
普段あまり関わりのない世界に触れさせてもらえたという意味では新しいが、物語の内容としては特に驚くような展開もなく特別進めるような部分はない。
本書が初めて読んだJohn Grisham作品だが、他にも映画化された名作がたくさんなるので、少しずつ読んでいきたい。

「Don’t Tell a Soul」D. K. Hood

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
田舎町に赴任した警察官のKaneはその街の保安官代理
Jennaとともに、街で行方不明になった人々の捜索を続ける。真実に少しずつその町の大きな犯罪が明らかになっていく
よくあるアメリカ警察物語という印象。シリーズのなかでこれから面白くなるのかもしれないが、本作品に関しては特に驚くようなことはなかった。暗い過去を持っているらしいKaneとJennaの関係が今後どのように発展していくのかが唯一気になる部分である。
DeputyやSherifなど、アメリカにおける保安官と警察官の役割の違いなどを自分がよくわかってないことを知った。
シリーズの続編を読むことはしばらくないと感じた。

「どこへ行く!?介護難民」稲葉敬子

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
フィリピン人の日本の介護事情について語る。
知り合いにフィリピン人の介護師がいるので、その仕事の状況や日本におけるフィリピン人介護師の立場を知りたくて本書にたどり着いた。
序盤は、フィリピン人を介護してとして受け入れるまでの、日本とフィリピン外交的経緯から日本で介護士として働くまでのフィリピン人が受けなければいけない教育過程など、現在の介護の状況を説明している。フィリピン人というと風俗などのイメージが付きまとってしまうが、本書を読んでフィリピン人が介護士としては非常に優秀であることがわかった。中盤からは現在日本で介護士として働くフィリピン女性たちの生活やそれぞれの持つ悩みについて書いている。彼女たちにとって介護士として働くために問題なのは、漢字の読み書きや職場の人間関係なのだという。
人材不足の日本の介護事情を解決するための手段として期待されるフィリピン人介護士ではあるが、僕らの持つ印象とは違って、問題となるのは彼女たちの教育よりもむしろ、受け入れる側の環境の問題なのだとわかった。日本人介護士に起こりがちな職場問題が、南の国で育った彼女たちには受け入れがたいのだろう。
後半はフィリピンで老後を過ごす日本人たちを紹介している。彼らの日本を出るという決断までの経緯と、現在の状況を読むと、フィリピンで過ごすのも悪くない気がしてきた。
本書は現在のフィリピン人による介護状況の概要を知りたいとう要求にはしっかり答えてくれた。
【楽天ブックス】「どこへ行く!?介護難民」

「毎朝、服に迷わない」山本あきこ

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
スタイリストの著者が服のコーディネートについて語る。
まず重要なのは、

センスのいいコーディネートにとっていちばん必要なのは、本当はセンスではなく、まずアイテムです。

ということだ。そのコンセプトにのっとって、本書ではさまざまな「使いまわしのきくアイテム」を紹介している。基本的に女性向けのコーディネートを扱っているが、男性にも採用できるアイテムや考え方が含まれている。個人的に「さっそく買ってこよう」と思ったのがストライプシャツ、ジージャン、白のトートバッグである。
毎日私服で働いている人にとってはファッションは印象を大きく左右するもの。不必要に労力やお金をかけたくはないが、考え方ひとつで大きく改善できるならぜひしたい。早速本書の考え方を取り入れていきたいと思った。
【楽天ブックス】「毎朝、服に迷わない」

「Extreme Programming Pocket Guide: Team-Based Software Development」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
効率の用意プログラミング業務の進め方を「Extreme Programming」として紹介する。
XPは次の4つのことを重視している

コミュニケーション
フィードバック
シンプルであること
勇敢さ

である。最初の3つに多くの人は異論ないだろう。しかし最後の「勇敢さ」は普段意識指定なのではないだろうか。Exreme Programmingが重視する「勇敢さ」とは「ミスを認める勇気」である。ミスを認めるのが遅ければ遅いほど、そこからフックするのに時間がかかるのである。
後半で書いてあった

機能するもっとも単純な実装をする

は、エンジニアではなくPOやCOに知ってほしいと思った。デザインやコードをシンプルに実装することでどれほど将来的な柔軟性があがるかを組織においてどれほどの人が理解しているかどうかが大きな鍵だと感じた。

将来的に必要かもしれない機能に時間をかけることは、今必要な機能にかける時間を削るリスクを伴う。

シンプルであるために、デザイナーやエンジニアはもっとPOや顧客に対して声を上げることが、組織を効率的に動かすための近道なのだと感じた。エンジニア向けの本ではあるが、組織を動かす立場の人には誰にでも役立つ内容と言えるだろう。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問から始める会計学」山田真哉

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
誰も買っているところを見たことないにもかかわらず、定期的に街をまわってくるさおだけ屋や、ベッドタウンにあるフランス料理店など、身近に存在する不思議な例で好奇心を刺激して、その流れで会計を説明する。
非常に有名な本ではあるが、今まで読んだことがなく、今回妻との会話のなかから「そういえばさおだけ屋ってなんで潰れないんだっけ?」という会話の流れで読むことになった。全体的には楽しく読むことができたし、雑談に使えそうなネタがいくつか増えたきがする。
もちろん会計について理解するには本書だけでは不十分で、そこは本書で著者も述べているように、他の専門書に譲っているということだ。そんな著者の狙い通り、会計学についてもっと詳細を勉強したいと思った。そういう意味では「難しくない会計学」という、本書が目指していた目的は達成できたのではないだろうか。
【楽天ブックス】「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問から始める会計学」

「僕は君たちに武器を配りたいエッセンシャル版」瀧本哲史

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
これからの時代の生き方について語る。
どちらかというと、これから社会に出て行く若い人向けに書かれた内容だが、僕のような社会人10年以上の人間が読んでも学ぶ部分はある。
物と同じように、人も同じ能力を持った人間がたくさんいれば、価格競争になってしまう。つまりコモディティ化が進んでしまうのだ。賃金を下げたくなければコモディティにならない生き方をすることが重要なのである。
著者はコモディティ化しないための生き方として4つの生き方をあげている。

マーケター
イノベーター
リーダー
インベスター

である。今後の生き方を改めて考えさせられた。
【楽天ブックス】「僕は君たちに武器を配りたいエッセンシャル版」

「Mapping Experiences: A Guide to Creating Value Through Journeys, Blueprints, and Diagrams」Jim Kalbach

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
多くの企業が様々な局面で非効率な業務フローを採用していたり、不必要なものを生産していたりする。その多くは視覚化することによって解決が容易になるのだ。本書はそんな視覚化の手法を「Alignment Diagram」として紹介している。
カスタマージャーニーマップやエクスペリエンスマップなどのUXデザインにおいて有名なものから、サービスブループリントやメンタルモデルダイアグラムとあまり知られていないものまでを、企業が陥りそうな状況を例としてその使い方を説明している。
本書ではたくさんの視覚化の手法をその名前とともに紹介しているが、実際には名前は重要ではない。状況に従って、紹介された手法を組み合わせることも必要である。大切なのは、状況に応じて的確な視覚化を行うことなのだ。
読むだけで身につくということはないので、必要なときに何度も読み直したいと思った。各章の末尾に掲載されているオススメの書籍、記事も少しずつ読んでいきたいと思った。

「Vanishing Girls」Lisa Regan

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
女性警察官Josieはなかなか進まない女性の行方不明者の捜査にいらだち、謹慎処分中にも拘らず自ら捜査に動き出す。
Josieは謹慎中という身にもかかわらず、被害者や生存者が口にする「Ramona」という謎の言葉の正体を追って、真実に迫っていく。そんななかJosieの人としての葛藤や人間関係も多く描かれている。離婚届に判を押さない前の夫のRayや、現在の恋人のLukeは、物語のなかでも重要な役割を果たす。また報道者として第一線に戻ろうとするあまりJosieとたびたび衝突するTrinity Payneの存在も面白い。
暇つぶしには悪くないが、よくある警察小説の範囲を出ていない。この本でなければ知ることのできない何かを教えてくれることはなかった。

「Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー」山本琢磨

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
マイクロコピーの重要性を、過去の著者の経験と実例をもとに語る。

マイクロコピーとは、トップページにあるような大きな文言ではなく、Webサイトやアプリケーションの各所に散らばるコピーのことである。本書はマイクロコピーの重要性を謳う理由は次のように語っている。

トップページの修正ではひどい時には2週間以上かかり、いったんサイトの稼働を止めなければならないほどだったのに、奥のページにいけばいくほど修正箇所は小さくなる。修正にかかる時間も短くなり・・・なのに売り上げは大きく上がる。
興味深いのは、たくさんの例を本書で示しているにもかかわらず、結局のところどんなサイトでも通用するような正解のコピーの書き方はないということである。あるサイトで成功したコピーが他のサイトでは逆効果になることもあり、そのサイトのユーザー層によって傾向は変わるのだという。結局、何度もABテスト等を繰り返して探っていくしかないのだという。
実際にコピーを見直す時にもう一度読み直したいと思った。
【楽天ブックス】「Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー」

「去就 隠蔽捜査6」今野敏

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
「隠蔽捜査」に始まる竜崎伸也(りゅうざきしんや)のシリーズの第6弾である。
大森署署長を務める竜崎のもとに 大森署管内で連れ去り事件が発生する。このシリーズの面白い点は、毎回事件解決と同じぐらい警察組織内の政治が描かれている点である。今回もその点では同様で、組織内の立場や面子を気にして行動する人々の中で、ひたすら論理的に行動して正義を貫く竜崎の生き方が爽快である。
今回は、竜崎の娘の美紀(みき)の恋人との問題を仲介したり、署内の女性警察官、根岸紅美(ねぎしくみ)の業務改善をする過程でストーカー問題に焦点があたっている。
読み終えて気づいたのだが、このシリーズの面白さは竜崎伸也(りゅうざきしんや)の真っ直ぐさだけで、他に特に学ぶ部分はないのである。にもかかわらずこうやって第6弾まで読み続けている点が面白い。きっと同じように竜崎の生き方だけに魅力を感じてこのシリーズを読み続けている読者は多いのだろう。
【楽天ブックス】「去就 隠蔽捜査6」

「Speak Human: Outmarket the Big Guys by Getting Personal」Eric Karjaluoto

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5

インンターネットが発展した今、小さい会社でも大きな会社と対等に渡り合える。本書はそんなテーマでブランド戦略、マーケティング戦略について書いている。序盤では「小さいことは悪いことではない」ということを繰り返し強調した後、それの実現方法について次の順番で例と筆者自身の経験を交えながら語る。

自分のブランドを定義する
自分のブランドに合った人との関係を築く
自分のブランドに合って人との繋がりと会話を維持する
行動し、修正する

印象的だったのは最後の「行動して、修正する」で語られている次の4つのレイヤーである。

Direction 方向
Strategy 戦略
Messaging メッセージ
Delivery 伝え方

著者はこのように語っている「マーケットの問題に直面していると感じている多くの会社が、実は方向性の問題に直面していることが多い」。つまり、多くの会社が自分たちがどのような方向に進むべきかを考えもしないで、目の前の仕事に忙殺されているのだ。

あなたは何で、あなたは何がしたいのか?

何よりもまずこれを定義せずに、周囲の企業の真似ばかりしていてはいつまでたっても方向が定まらない。その結果、その先にあるはずの戦略も、メッセージも伝え方も決まらないまま時間ばかりが経ってしまうのだ。
本書は中小企業のための本であるが、人間関係においてもそのまま適応できると感じた。当面起業する予定はないがしっかり頭に刻んでおきたいと思った。

「なるほどデザイン 目で見て楽しむデザインの本。」筒井美希

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
誰にでもわかりやすくデザインについて書いた本。
正直このようなデザインの「良い」「悪い」を語った本は多く、あまり内容が深いとは言えないので今まで敬遠してきた。しかし、本書は友人のデザイナーたちも持っているので、以前より気になっていたのである。デザインを仕事にしている僕に取ってもいくつか新しいことを知ることができた。

文字を加工して丸みをつける
タイトルに「止め」を作る

なかなかデザイナーとして長く仕事をしていると、少しずつ別のデザイナーの視点に触れる機会が少なくなってくる。たとえ新しく知ることのできることが1割程度だったとしても、このような本にもっと触れるべきかもしれないと思った。
【楽天ブックス】「なるほどデザイン 目で見て楽しむデザインの本。」

「Close to Home」Robert Dugoni

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
12歳の黒人男性がバスケットの試合の帰り道に車にはねられて死亡した。犯人の車はすぐに特定され、海軍の運送担当の男性と判明するが、その男性は犯行を否認し続けるのである。
女性刑事Tracy Crosswhiteシリーズの第5弾である。シリーズの他の作品と同様に物語の中心はTracyだが、同じチームのDelの妹の娘がドラッグの過剰摂取で亡くなったばかりなため、Delの違法ドラッグ密売の捜査も多く描かれている。また、ひき逃げ事件の裁判の過程で、海軍の専門の弁護士としてLeah Battlesという女性弁護士が登場し、Leah Battlesの知り合いの検事との因縁や、趣味のクラブマガの様子など、本作品はTracy以外の描写が多かった。
Tracyの私生活の方は、結婚したばかりのDanとのあいだに子供を授かるために奮闘する様子が描かれる。仕事や家庭などさまざまな場所で悩みながら生きていくTracyの様子が非常にリアルである。Tracyがどのように家庭と向かっていくのかは今後もきになるところである。

「ユーザーストーリーマッピング」ジェフ・パットン

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
アジャイル開発を繰り返すと、作業者は要件だけを重視し、その機能が全体のサービスにおいてどのように位置付けられているかを見失いやすい。そんな状況の解決方法の1つであるストーリーマッピングについて語る。

現在の会社の状況の問題点を解決しようといろいろ調べていてユーザーストーリーマッピングに出会い、ユーザーストーリーマッピングの代表的な本である本書にたどり着いた。

これまでの開発手法であれば、開発中の機能について不明な部分が出てくると、「仕様書をしっかり書こう」ということになっただろう。しかし、どんな詳細に書かれた仕様書であっても書いた人の頭のなかには存在しながらも文字にならない部分は必ずあるのである。仕様書を書くことに時間を費やすのはやめて、ユーザーのストーリーを語ることによって共通理解をつくろう、というのがストーリーマッピングの考え方である。

基本的にストーリーマッピングの利点は、マッピング作成の過程で生じる議論に参加することによって、参加者全員の共通理解が進むということである。またストーリーマッピングによってユーザーがサービス利用時に困る部分を見つけ出しサービスの改善につなげることもできるし、製作者側が見落としていた部分を発見することにも役立つのだ。

こうやって語ってみると、いいことばかりのようにも聞こえるが、残念ながら本書ではユーザーストーリーマッピングの詳細なやり方は書いていない。いくつかの事例においてのユーザーストーリーマッピングの様子を語っているだけで、実際効果的なストーリーマッピングの方法は組織や目的によって変わるためファシリーテーターには高いの能力が必要となるだろう。

ストーリーマッピングの効果には特に疑問はないが、本書自体は翻訳もわかりにくく、英語が苦手でない人は英語版を読んだほうが理解しやすいのではないだろうか。また、構成も読みにくく、ストーリーマッピングを理解するためには不要と思われる部分もあり、本としての完成度は低く感じた。
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「反転授業」ジョナサン・バーグマン、アーロン・サムズ

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
講義を録画した動画を事前に見てきて、授業中は生徒たちが学んだことを確認するために費やす「反転授業」について書いている。
5年前、YouTubeを利用して講義を公開して有名になったカーンアカデミーに興味を持った際に「反転授業」という言葉を知った。反転授業が効果があることは当時も想像はついたが、生徒に事前に講義の動画を見せるというのは難しいのではないかと感じていた。その後「反転授業」がどのように発展したのかを知りたくて本書を手に取った。
本書はただ単に「反転授業」の説明だけにとどまらず、どのようにそれを学校の授業に取り入れるかまで丁寧に説明している。著者の2人が本当に世の中の教育を変えたいのだという思いが伝わってくる。
後半では「完全習得学習」という考え方に触れている。完全習得学習とはその名の通り、生徒一人一人が異なるペースで学習し、理解度が一定の基準に達するまで行うという学習である。その効果は認められていたが教師の負担が大きいことからこれまで広まらなかった。興味深いのは、著者の2人が、動画を利用した反転授業によって「反転型完全習得学習」を目指している点である。

「UX虎の巻」坂東大輔

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
UX向上のための方法について書いている。
序盤でUXの一般的な考え方について触れている。著者も書いている通り、UXに明確な定義はないが、ISO版のUXの定義、UXのハニカム構造、Elements of User Experienceはしっかり覚えておきたいと思った。
第5章の「UX向上の具体例」では、UX向上方法についてかなり詳細に書いている。多くのUX関連の書籍が、ユーザーインタビューなどの、調査に多くのページを割いていることを考えると、本書はUX向上のためのテストについて詳細に書いている点が印象的だった。
特にメッセンジャーアプリ、ハードディスクレコーダーなどの具体例の中で

ユースケースの洗い出し
ユースケースの詳細化
UXチェックリストの作成
UXテストの実施

のUX向上の鍵となる流れをわかりやすく解説している。全体的にはなかなかすぐに役立てられるようなものではないが、知識として持っておくぶんには悪くないように感じた。UXをこれから勉強しようとしている人に勧められるような本ではない。
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「ファシリテーションの教科書 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ」吉田素文

オススメ度 ★★★★☆ 3/5
組織の英知を結集するためにファシリテーションが重要だと感じ、本書を手に取った。

本書はファシリテーションを「仕込み」と「さばき」という大きな2つの部分に分けて構成している。「仕込み」の章で面白かったのが「出発点と到達点を明確にする」という点。ビジネスにおける議論は次の4段階から形成され、その出発点と到達点を意識する必要があるというのである。

  • 「議論の場の目的共有」
  • 「アクションの理由の共有・合意」
  • 「アクションの選択と合意」
  • 「実行プラン・コミットの確認・共有」

必ずしも議論の参加者全員が同じ段階にいるとは限らないため、参加者によっては個別にケアして納得感を持った状態で同じ出発点に立ったうえで議論を開始する必要があるだろう。

後半は、「さばき」であり、一般的にファシリテーターの求められる能力はこちらの方が大きいのではないだろうか。「さばき」の基本動作として本書では

  • 発言を引き出す
  • 発言を理解し、共有する
  • 議論を方向づける
  • 結論づける

という4つを挙げている。それぞれの動作について考えられる障害、それに対するアドバイスがたくさん書かれており、定期的にファシリテーターを務める人であれば手元に一冊おいておいて何度も見返したくなることだろう。個人的には「発言の理解」の部分が印象的で、論点(=問い)、主張、根拠、目的を考えて人の意見を聞くということの重要性気付かされた。ファシリテーションを学びたくてたまたま本書を手に取ったが非常に満足である。
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「理科系の作文技術」木下是雄

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
読む人に伝わる作文技術についてわかりやすく解説している。
ブログなどで世の中に発信する機会は今後増えていくだろう。それによって今まで以上に伝わりやすい文章を書く必要があると考え本書を手に取った。
物語は、新入社員である新田文(にったあや)に先輩である梶山聡(かじやまさとし)が仕事のなかで文章の書き方を指導していく。どれも仕事でもブログでも文章を書くときに活かすために覚えておきたいことばかりである。
まずは

必要なことはもれなく記述し
必要でないことは一切書かない

当たり前ではあるが、どうしても不必要なことを書き込んでしまう。

目標規定文をまとめる

文章を書き始める前に、その文章を何を目標として書くのかをはっきりさせるということ。目標があることによって「必要なこと」と「必要でないこと」の判断がしやすくなる。

重点先行主義
概念から細部へ

どちらも文章を書く際によく言われることであるが常に意識していないと難しい。すべての人間が書いた文章をすべて読むとは限らないということを意識すべきなのだ。

逆茂木型を避ける

逆茂木型とは修飾句や修飾節の長い文章をのことである。日本語で何かを説明しようとするとどうしても修飾節が長くなりがちだが、意識して文章を分けたりすることで解決できる。
また、意見と言っても6つに分けられるというのはこれまで考えたこともなかった。

推論
判断
意見
確信
仮説
理論

書こうとしていることが、6つのうちのどれに当てはまるのか、これから意識して文章を書きたいと思った。
知識として持っていただけでいい文章が書けるわけではないが、今後意識していきたい。この本は「理科系の作文技術」という新書をベースとして書かれたということなので、そちらの本も近いうちに読もうと思った。
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「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」尾原和啓

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
「乾いている世代」「乾けない世代」という言葉を使って、今の若者たちの価値観の違いを語る。
「乾いている世代」である団塊世代よりも上の世代に、今の30代以下の人たちの持つ価値観を教えるような内容でもあるが、一方で逆に、「乾けない世代」である若者たちにこれからの時代の生き方を教えているようでもあり、何が言いたいのかはっきりしない印象を受けた。
改めて本書の目的を確認したくて「はじめに」を読むと「若い世代のモチベーションを理解することが最大の武器となる。」と書いてあるので、ターゲットは若者の考え方の理解できない年配者だったのだろうが、中盤あたりからは若者向けの内容になっている。おそらく、著者が言いたいことを適当に書き綴ったものを集めて出版にしただけなのだろう。
章ごとのつながりも希薄なために、書籍全体としての目的がはっきりしない印象を受けた。読む人によっては新しい情報もあるのかもしれないが、基本的に他の書籍などでも触れられている考えばかりで、特に新しいことはなかった。
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