とにかくおすすめ

ジャンル関係なくオススメを知りたい人向け

とにかく面白い

ページをめくる手が止まらない、寝る時間さえ惜しくなる最高のエンターテイメント

泣ける本

思いっきり泣きたい人向け

優しい気持ちになれる本

悲しいとかハラハラするとか怖いとか必要なく、ただただほんわかして、暖かい気持ちを感じたい人におすすめの本

深い物語

いろいろ考えさせられる、深い物語

生き方を考える

人生の密度を上げたい方が読むべき本

学習・進歩

常に向上していたい人が読むべき本

組織を導く人向け

日本の経済力を強くするために、組織づくりに関わる経営者などにおすすめしたい本

デザイン

ただ美しいものを作れるだけじゃなく、一歩上のデザイナーになりたいデザイナーが読むべき本

英語読書初心者向け

英語は簡単だけど面白い、そんな面白さと英語の易しさのバランスの良いものを厳選

英語でしか読めないおすすめ

英語で読む以上、英語でしか読めない本を読みたい。現在和訳版がない本のなかでぜひ読んでほしい本。

「毎日ロゴ 無名デザイナーが365日、毎日ロゴをつくり続け有名デザイン賞を受賞したロゴデザイン上達法」石川竜太

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
1年間365日ロゴをデザインするということをやった著者が、その356個のロゴ作りから学んだことやその後の実際の仕事の様子を語る。

著者が設けたロゴ作りのルールは、その日が何の日なのか調べ、テーマを選び、ロゴを製作し投稿するまでを30分以内で行うということ。制作に30分しかかけられていないため、ロゴ自体の形などはまだまだ甘い部分も多く、デザインの参考にようなものではない。更に言えば、ロゴとはデザインであり、デザインとは目的を持つものである。そういう意味では、ただ作って投稿するだけのロゴは「デザイン」と呼べるのかは意見が分かれるかもしれない。

そのような批判はあるだろうが、毎日365日、ロゴを作り続けるというのは間違い感心すべきことで、時間制限をしたことで発想力が磨かれたことだろう。そんな発想の方法として次の17の方法を紹介してる

アルファベット←→日本語変換法
文字←→数字変換法
仮名←→漢字変換法
文字の意味を立たせる
文字←→絵変換法
文字と絵を合体する
モチーフを借りる
モチーフを合体する
一枚の絵で表現する
人の顔や形にする
動物のイメージを借りる
記号を使う
色のイメージを借りる
そのものズバリ
回転する、向きを変える
手書きで手作り感を出す
立体的に見せる

アイデアに迷ったら、順番に検討してみるといいかもしれない。後半は実際の仕事でロゴを作成した時の過程や考え方を紹介している。ロゴの考え方で特に新しい発見はなかったが、なにより365日作り続けるという偉業に刺激を受けた。

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「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」大島真寿美

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
第161回直木三十五賞受賞作品。

江戸時代の大阪。穂積成章(ほづみなりあき)は浄瑠璃に心を奪われ、やがて近松半二と改名して浄瑠璃の立作者(たてさくしゃ)を目指すのである。

近松門左衛門亡き後の世の中を描いており、本書の主人公である近松半二は近松門左衛門にあやかってつけたということである。調べてみると実際に多くの浄瑠璃作品を世の中に出している実在の人物なのである。近松門左衛門という名前は知っていたが歌舞伎と浄瑠璃の違いもよくわかっていなかった。歌舞伎は人間が演じるのに対して、浄瑠璃は人形劇なのだそうだ。

半二は、同じ竹本座の人形使いの吉田文三郎に言われて浄瑠璃を書き始め、友人である久太が並木正三(なみきしょうざ)と改名して歌舞伎界に少しずつ新たな風を引き起こしながら成功していくのと競うように、半二も浄瑠璃で少しずつ頭角を現して成功していく。やがて、半二は渾身の妹背山を書き上げるのである。母との軋轢や妻との出会いなど、半二の浄瑠璃にかける人生を描いている。

考えてみれば、映画も存在しなかった江戸時代、今の僕らにとっての映画やアニメの役割を担っていたものが浄瑠璃や歌舞伎なのだろう。そして、そんななかで大成しようとする半二や正三、そしてなどの人形遣いは言ってみれば映画監督や、主演俳優なのだろう。当時の娯楽の様子が伝わってくる。

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「むらさきのスカートの女」今村夏子

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
第161回芥川賞受賞作品。

近所で「むらさきのスカートの女」として有名な女性がいる。そんなむらさきのスカートの女と友達になりたい女性、自称「黄色いカーディガンの女」がむらさきのスカートを観察していく様子を描く。

むらさきのスカートの女が、黄色いカーディガンの女と同じホテルの清掃員としてアルバイトを始めたことで、少しずつその正体が明らかになっていく。むしろ本書の面白さは、むらさきのスカートをひたすら追い続ける黄色いカーディガンの女のほうだろう。2人はこうして同じ職場で働くのだが、2人の背景は女性であることと、あまり裕福でないことしかわからない。なぜ彼女が、そこまでむらさきのスカートの女を追い続ける時間的余裕があるのか。むらさきのスカートの女が少しずつ正体が明らかになるにつれ、実は普通の賢い女性であることがわかることによる、反対に黄色いカーディガンの女の異様さが少しずつ目立ってくるのかもしれない。

終盤に向かうにつれ、むらさきのスカートの女の職場の人たちとの人間関係が少しずつ悪化していき、黄色いカーディガンの女もそこに大きく関わることとなる。

ひょっとしたら読み解けていないテーマがあったのかもしれないが、自分にはそれが見えていない気がする。芥川賞受賞作品ということで何かもっと深い、異なる解釈があるのかもしれない。

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「希望が死んだ夜に」天祢涼

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
深夜の住宅街の空き家で通りがかりの警察官により、首を吊った女子中学生春日井のぞみが見つかり、その場にいた女子中学生冬野ネガが拘束された。「私が殺した」と主張する冬野ネガに対して、神奈川県警の真壁と仲田が真実解明していく。

本書を読んで初めて知ったのが、2000年に少年法が改正されて、現在の少年法の適用は14歳までとされていることである。本書の冬野ネガは14歳で、少年法の適用範囲を出ており、それにより取調室が使われるなど、通常の被疑者と同じ扱いをされるのである。

送検するまでの2日間にできるかぎり真実を明らかにしようと真壁(まかべ)と仲田(なかた)が奔走する様子を描いている。真壁は将来を期待される刑事なので、一つの実績と位置付けてできるかぎりスムーズに真実を解明したいと考える。一方でパートナーとなる仲田蛍(なかたほたる)は生活安全課の仕事をしながら過去数々の少年に絡んだ事件を解決した経歴を持っている。論理的に状況を分析して真実に近づこうとする真壁と、関係者の心のうちを想像しながら真実を見出そうとする仲田という異なる考え方を持つ2人がともに行動するのだが、少しずつ真壁の考え方に変化が現れていくのである。

やがて、冬野ネガの家庭が貧困家庭であったことが判明していく。真壁自身シングルマザーの貧困家庭から刑事になった経歴を持つため、それでも殺人の言い訳にはならない、と見ていたのだが、少しずつ真実が明らかになるにつれて考え方を変えていく。

貧困は珍しくない。どんな過酷な状況でも努力すれば道は開ける。「母を楽にさせたい」という一心で這い上がってきた俺が言うのだから間違いないーーそう思っていた。…そして俺は、「母に楽をさせたい」という一心で、勉強しかしていなかった。母にだけ苦労をかけて、自分は努力する余裕があったのだ。

送検までの2日間の事件解決の物語ではあるがその間の真壁の人間的な成長の物語でもある。女子中学生2人の友情を描きながら、親のあり方や生活保護に対する世の中の偏見など多くの題材がつまった密度の濃い一冊。

【楽天ブックス】「希望が死んだ夜に」

「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
2つのシステムという考え方をベースとして人間がどのように決断するのかを解明していく。

2つのシステムという考えを中心としている。システム1は自動的に高速で動き、コントロールできないもの。つまり僕らが第一印象とか、直感的にという言葉で表現するものである。システム2は頭を使わなければできないもののことを言う。本書ではこの2つのシステムを用いて、人間がどのように決断するのかを、多くのひねりの効いた質問を被験者に投げかけた結果の例とともに説明していく。

注目すべきは、システム2はより正確な答えを出すにもかかわらず、人間はシステム1の出す直感的な答えに飛びつきがちだと言うことである。その代表例として本書で紹介している例が次の問いである。

バットとボールは合わせて1ドル10セントです。
バットはボールより1ドル高いです。
ではボールはいくらでしょう?

こちらの問いに、ハーバード大学などの有名大学の学生の50%以上が間違えたと言うのである。

そのほかにも、アンカリング効果、プライミング効果、損失回避、平均回帰、ピークエンドの法則などを説明している。システム1とシステム2の動きを理解するための、例が多数含まれているので、自分自身でそれを経験して納得しながら理解することができるし、飲み会のネタとしても面白いかもしれない。

実験の結果を掲載する必要があったためかもしれないが、若干似たような話の繰り返しに感じる部分もあったが、サービスを作る上で知っておくといいと思える人間の心理を多数紹介している。Webサイトの文言を考えたり、同僚を説得する際にぜひ取り入れていきたいと思った。

【楽天ブックス】「ファスト&スロー(上)」「ファスト&スロー(下)」

「The Testaments」Margaret Atwood

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
2019年ブッカー賞受賞作品。

Gileadという国を題材として、そこに関わる女性3人を主に描いている。Gileadでは女性は子供を産む存在として、一部をのぞいて女性たちは読み書きをす学ぶこともできず、家事に関する教育を受けた後、若くして選ばれだ男性との結婚をして子供を産むこととなる。LydiaはGileadの中の女性でトップに君臨する女性で、Gileadの男性の権力者との間で駆け引きをしながら自らの地位を盤石にしていく。また、AgnesはGileadのなかで育つ少女で自分の出自に疑問を持ちながらも優しい母の元に育つが、母が病死したことから少しずつ周囲の出来事に疑問を持つようになる。DaisyはGileadの外で生きる少女で、Gileadの悪い噂を見聞きしながら成長していくが、やがて両親の死をきっかけに大きく人生が動き出す。

1人の女性と2人の少女を中心に描いており、あまりにもリアルに描いているので、Gileadという街が実際に存在していたのではないかと調べてしまったが架空の国の物語である。

本書単独で読んでも十分に面白いが、実際にはこの作品は著者によって20年前に書かれた「The Handmaid’s Tale」の続編ということだそうで、そちらもぜひ読みたいと思った。順を追って読んだ方がさらにいろいろ見えてくることだろう。

「これからのディープラーニングビジネス」南野充則

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ディープラーニンの簡単の説明と、ディープラーニングが応用できる分野について説明している。

序盤では簡単にニューラルネットワーク、損失関数、勾配降下法などを含むディープラーニングの仕組みを説明している。オートエンコーダーや勾配消失、LSTM、画像生成モデルGANおよびDCGANについては本書で初見だったのだが、表面的な説明にとどまっていあので、もう少し詳しく知りたいと思った。

中盤にこうは、実際にディープラーニングが応用されている、もしくは応用されるであろう分野を順を追って紹介している。不良品の検品や、自動運転などはすでに知られていることだが、本書ではキャラクター生成や、お弁当の自動盛り付けも応用できるとしている。ディープラーニングに生半可かじった僕程度の知識だと想像もつかないような分野にディープラーニングが応用できることがわかった。

最後は、ディープラーニングを導入にあたって気をつけることなどとともに、今後の未来についても触れている。印象的だっったのはディープラーニングの応用範囲が広まっても、一流の技術を持った人間へのニーズは減らないだろうということ。

ディープラーニングについて簡単にまとめてはいるが、専門的な言葉もちりばめられており、ディープラーニングの最初のとっかかりにちょうどいいのではないだろうか。

【楽天ブックス】「これからのディープラーニングビジネス」

「人間失格」太宰治

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
自らの本心を偽って、人を笑わせながら生きる葉蔵の成長していく様子を描く。

さすがにここまでタイトルが有名な作品を読んだことがないというのもどうかと思って今回読むに至った。

漫画家を目指しながら、お酒と女に溺れ、少しずつ堕落していく。そして、やがて脳病院に入院させられ、自らもはや自分は人間でない、人間失格である。と思い至るまでを描いている。

物語として面白いかと問われれば、それほどではない。人によってはこの葉蔵の弱い生き方に、共感する部分もあるかもしれないが、僕にとってはそれほどではなかった。なぜこの作品がここまで名を残しているのか、という考察という行為を含めれば多少興味深い部分もある。やはり太宰治という作家の自殺の直前の物語という文脈も手伝って本書はここまで有名なのではないかと感じた。機会があれば「晩年」「斜陽」なども手に取ってみたいと思った。

【楽天ブックス】「人間失格」

「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
明治以来四つの対外戦争を戦った日本を、当時の大国の思惑や人々の考えを説明しながら授業を行った内容をまとめている。

日本の歴史というと、第二次大戦前は悪、戦争の後の戦後復興は善という風に受け取られている。語られている。しかし、実際にはそのように簡単に分けられるものではなく、戦争に突き進んでいった当時もいろんな考えの人がいたのだろう。そんな、歴史の授業では数ページで終わってしまう出来事に対して、もう少し深く理解したいと思って本書にたどりついた。

本書は日清戦争以後の、日本の国内の様子、重要人物たちの考えや駆け引き、そしてイギリスやアメリカ、ロシア、中国などの当時の思惑などを詳細に説明している。

正直、第二次世界大戦以前の歴史については、曖昧にしか覚えていなかったのだが、本書で改めてその前後関係を感じることができた。そして、後半は第二次世界大戦についてである。もっとも印象的だったのは、日本の奇襲攻撃を予想できたにも関わらずなぜアメリカは真珠湾に軍艦を停泊させていたのか、というところ。である。

歴史の理解が深まったというよりも、歴史家というのは、残された資料からここまで詳細に過去に起こったことを明らかにするということに驚かされた。歴史家という生き方もなかなか悪くないかもしれない。

【楽天ブックス】「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」

「[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61」中村和正

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
デザインで人を動かすために利用できる手法を紹介している。

デザインの言語化能力、および提案力が向上することを期待して本書にたどり着いた。すでに知っているものや、知っているけれど呼び方を知らなかったもの、初めて聞いたものなどあり、どれもしっかり覚えてデザイン業務に活かしていきたいと思った。

マジカルナンバー
人が覚えていられる情報の数は4±1

ジャム効果
ジャムを6種類にした場合の購入率が30%だったのに対し24種類にすると3%になったということから選択肢が多いと購入率が低くなることを示した事例

カリギュラ効果
障壁が高いほどやる気が出る心理

バイヤーズリモース
購入後に必ず訪れる不安のこと。この不安を取り除くには先輩購入者の姿を見せたり、サンクスレターを送るという手法がある

ザイアンスの法則
繰り返すことで高まる信頼と高感度

テンション・リダクション 緊張状態が消滅したあとの注意が欠落した状態のこと。大きな買い物をしたあとに、ついでにもう一つオススメするのがこれを利用した方法。「色違いをもう一色」や「よく一緒に購入されている商品」などがこれにあたる

ツィガルニック効果
完了できなかったタスクのほうが、完了したタスクよりもよく覚えている傾向にあるという理論

カクテルパーテイ効果
騒がしいなかでも自分の名前や、興味のある話だけ集中して聞くことができる現象。「ようこそ、〇〇さん」のように、サイト上にユーザーの名前を含めるのがこれにあたる。

バンドワゴン効果
「みんなと同じ」が安心する心理。「ダウンロード数〇〇」や「ユーザー数〇〇人突破」がこれを利用したものである。

スノッブ効果
バンドワゴン効果とは反対の心理で、他人がもっているものとは同じものは欲しくないという心理。「初回限定」「〇〇県限定」がそれにあたる。

ウェブレン効果 値段が高いほど喜ばれること。ブランドなど「高いものを持っている」という見せびらかし意欲がそれにあたる。このような商品は安くしてしまうと逆に売れなくなる。

バーナム効果
曖昧な言葉を使って自分のことを言っているように感じる現象。「何をやっても英語を話せないあなたに」「楽しいことは好きな人」「意外とへこみやすいが、すぐに立ち直ることができる人」など、受け取る人の誰にでもあてはまると思われるような曖昧な言葉外使うことで自分のことを言っているように感じさせることができる。

ベビーフェイス効果
丸顔や大きな目を見ると、無邪気、無垢という印象を抱き、警戒感が薄れる心理。トップページに掲載する人物写真などがそれにあたる。

ディドロ効果
揃えたくなる心理。シリーズなど商品を同じ種類のセットにして販売することで、この効果を利用して販売を拡大することができる。

シャルパンティエ錯覚
数字よりもイメージに左右される心理。「鉄10kgと綿10kgはどちらが重い」などのように、じっくり考えればわかることだが印象が異なり、印象に左右されることが多い。

ピーク・エンドの法則
経験した記憶は、良かれ悪かれそのピークと、最後の体験で記憶されるということ。

ウィンザー効果
第三者から間接的に情報が伝わることで、信頼性が増す心理。クチコミやレビューなどがこれにあたる。

目標勾配仮説
ゴールが見えるとやる気が加速する心理。10個のスタンプカードよりも12個で最初から2つ押してあるスタンプカードの方が完了率が高いのがこちらを利用した施策。

組織規模でデザインをするためには、ただ単に綺麗なデザインを作れるだけでは不十分で、社長やプロダクトオーナーなどの意思決定権者に対してデザインを言語化して納得させることが必要である。そのために使用できる言葉が本書にはあふれていた。

【楽天ブックス】「[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61」

「人を動かすマーケティングの新戦略 「行動デザイン」の教科書」國田圭作

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
モノをどれだけ改良してもすでに、モノだけで売れる時代は終わり、これからは行動をデザインすることが必要だとして、その手法を説明している。

さまざまな行動をさせる方法を説明しているが、例えば、人を動かすために人間は金銭的コストばかりを考えるが、実際には金銭的コストを含む5つのコストを考えなければならない、ということである。

金銭的コスト
肉体的コスト
時間的コスト
頭脳的コスト
精神的コスト

それ以外にも、レーンチェンジとフレーム理論を利用して解決方法を導き出す方法を説明している。そして、後半は具体的に行動をデザインするための6つのステップを順を追って説明している。

1.どれだけ動かすのか
2.誰を動かすのか
3.いつ、どこで動かすのか
4.何で動かすのか/なぜ動くのか
5.どうやって動かすのか
6.本当に動いたのか

漠然と企画を考えて漠然と機能をリリースするだけで実際にその効果を確認していないケースが多々あるので、このように順を追って目的と成果を明確にするという手法はぜひ真似したいと思った。ステップ2の「誰を動かすのか」において、ターゲットを行動量や行動パターンでセグメントすることを推奨している。一方で、最近は行動パターンが多様化しているので、単純に人間の属性だけで分類する手法に対しては疑問視している。

また、ステップ4では、人の行動を操作するために知っておくといい、行動を加速させる方法と行動ブレーキを緩和する方法を紹介している。

行動アクセルを加速する
・急かされると、人は動く
・対決させると、人は動く
・食べ物にすると、人は動く
・限定されると、人は動く
・対比があると、人は動く
・帰属意識を刺激されると、人は動く
・挑発すると、人は動く
・選択させると、人は動く
・サイズを変えると、人は動く
行動ブレーキを緩和する
・お膳立てされると、人は動く
・お墨付きがあると、人は動く
・現場が来てくれると、人は動く
・口実があると、人は動く
・ファッションで、人は動く
・体が動くと、人は動く
・名前をつけると、人は動く
・本気が伝わると、人は動く
・子供ごころで、人は動く

全体的に、フレーム理論やレーンチェンジの部分などわかりにくい部分も多かったが、気になる部分は別で学んでみたいと思った。読みやすい本とは言えないが、役に立ちそうな考え方に出会うことができたのでその辺はしっかり覚えておきたいと思った。

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「All the Devils Are Here」Louise Penny

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
Gamache家の面々はパリのレストランで緒に夕食をとったあとに、Gamache家の祖父がわりであるStephen Horowitzがひき逃げに会い昏睡状態となる。意図的にStephenを狙ったとして、その意図を探るうちに大きな陰謀に巻き込まれていく。

Armand Gamacheとその子供たちが協力して大きな陰謀を暴いていく物語。謎解きの物語であると同時に、家族の物語でもあり、カナダのケベック州とフランスのパリという大きなスケールで展開していく。印象的だったのは、長い間心を開かなかった息子DanielとArmandの関係である。今回の事件を機に、少しずつお互いの心の内を打ち上げ、やがて幼い頃のDanielの心の傷が明らかになっていくのである。

物語の随所にパリの街並みや地名が描かれるのも印象的だった。本書を読んだらきっとパリへぜひ行ってみたくなるだろう

あとになって気づいたことだがどうやらこれはArmand Gamacheを主人公とした物語の第16作品めということで、いきなり16作品めから読み始めてしまったいうことだ。とはいえすでに16作品目というのを感じさせないほどの一冊で完成された物語。ニューヨークタイムズのベストセラーということだがそれも納得である。これまでの15作品も少しずつ読み進めたいと思った。

「問題解決に効く「行為のデザイン」思考法」村田智明

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5

理想のデザインとは外観の美しさだけを突き詰めたものではなく、「行為がスムーズに美しくふるまわれるためにどうあるべきか」を追求したもので、それを「行為のデザイン」と読んでいる。

そして、その「行為のデザイン」のために次の6つのインターフェースに注目することの重要性を説いている。

人と人
人とモノ
人と情報
モノと情報
モノとモノ
情報と情報

そして、行為のカードという手法を用いて、さまざまなユーザー体験を想像し、不便を感じるバグを見つけることを勧めている。8つのバグ、2つのミニマライズそして3つの美しさである。

矛盾のバグ
迷いのバグ
混乱のバグ
負環のバグ
退化のバグ
精神的圧迫のバグ
記憶のバグ
手順のバグ
形のミニマライズ
意味のミニマライズ
造形の美しさ
行為の美しさ
考え方の美しさ

いずれも例を交えて説明している。

そして最後の章では行為のデザインをするためのワークショップを紹介している。内容としてはデザインスプリントと呼ばれる手法に似ているが、時間のとりかたなどが若干異なるようだ。読みやすさやわかりやすさはあまり感じないが、いろんな考え方を提供してくれる点はありがたいと感じた。

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「人気実況者てらこのはじめての初めてのポーカーテキサスホールデムで勝つ」寺崎美保子

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
最近ポーカーの本を読み漁っており、そんななかの一冊である。

本を開いた一番最初の冒頭で「わたしはそんな大したポーカープレイヤーではありません」と宣言しているように戦術の話はほとんど書かれていない。序盤は、ほかのポーカーの書籍と同様にテキサスホールデムのルール説明に終始する。その後は確率の話が多少あっただけで、戦術に関することはほとんど書かれていないが1点考え方として覚えておきたいと思ったことが

合計が20以上か否かを目安にアクションを

である。

後半では、日本や海外で気軽にポーカーを楽しめる場所やカジノを紹介している。ほかのポーカー書籍と比較した時に、本書が際立つ点はこの部分だと感じた。

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「ゼロから作るDeep Leanrning Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」斎藤康毅

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
最近流行りのディープラーニングについて深く理解したいと思って本書を手に取った。

パーセプトロンの考え方から実施のニューラルネットワークの考え方、そして実際の学習方法まで丁寧に解説している。数学の知識としては微分と行列の考え方がわかっていればある程度ついていけるのではないだろうか。GitHubからソースコードをダウンロードして実際に動作を確認して理解を深められる点がありがたい。デバッグモードで実行して途中の数値を確認することで理解を深めることができた。

ディープラーニングについての感想は、思っていたほど万能なものではなく学習というフェーズが鍵になることがわかり、全体的にまだまだ伸びしろのある分野だと感じた。誤差逆伝播法や畳み込みニューラルネットワークの内容についてはしっかり理解したとは言い難く理解を深めるには繰り返し読む必要性を感じた。とりあえず大事なことは繰り返し出てくるという前提で続編に進もうと思った。

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「ゼロから勝てるポーカー」けむ。

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
テキサスホールデムの魅力を知人に語られ、ちょっとやってみたところあまり勝てないので、どのように考えれば勝てるのかを知りたくて本書にたどりついた。

序盤はテキサスホールデムのルールの説明に終始するが、中盤から戦術の話になっていくる。今後意識したい内容がたくさん書かれていた。まず、プレースタイルをタイトかルース、そしてアグレッシブかパッシブで分類する話である。

私が初心者に強くおすすめしたいのが、タイトアグレッシブです。

そして、適切なベット額、レイズ額もいつも悩みがちなので考える根拠を与えてくれたのはありがたい。

適切なレイズ額 直前に賭けられた額の3倍
適切なベット額 ポットにあるチップの50%〜70%ぐらい

そのほかにも初心者がやりそうなプレーとなぜそれをやらないほうがいいかについて丁寧に説明している。

リンプインはしないようにする
スロープレーをない
ドンクベットはやらないように気をつけよう

それもやっていたことばかりだったのでしっかり覚えておきたいと思った。そして最後の章では実戦形式で相手の手をどのように推測するかを解説している。ポーカーを始めたばかりの人は学べることがたくさんあるだろう。

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「君が夏を走らせる」瀬尾まいこ

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
高校生の大田は結婚して子供を産んだ先輩に一歳の娘鈴香(すずか)の子守のバイトを頼まれる。

最初は仕方なく鈴香(すずか)の子守をしていた大田も少しずつ子守に慣れてきて、やがて少しずつ鈴香(すずか)に愛情を感じ始め、また親に対する考え方も変わっていく様子を描いている。

「あと少し、もう少し」の続編という位置付けだが、共通しているのは大田を含む一部の登場人物だけで、物語の雰囲気もかなり異なる。子供との愛情を描いた話ではあるが、正直訴えたいポイントがわからずにあまり楽しめたとは言えない。大田の更生の物語か親子の愛情の物語のどちらかに倒した方が物語として分かりやすかったのではないだろうか。テーマが中途半端な印象を受けた。

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「脳にまかせる勉強法」池田義博

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
40代半ばから記憶力を伸ばすことに情熱を注ぎ、世界記憶力グランドマスターの称号を手にした著者が、さまざまな記憶の方法を語る。

「ゴロあわせ」や「ストーリーにして覚える」など、さまざまな記憶のための方法を説明しており、そのなかには、経験から自然とやっていたものもあれば、意識してやっていないものもあった。なかでも面白かったのは「1分間ライティング」という方法である。学んでいることに対して、とにかく知っていることを紙に1分間書き出すという手法である。これのいいところは単に自分の理解を確認するだけでなく、脳に学ぶ必要性を感じさせることだという。

序盤でも、勉強の時は音楽やインターネットとの接続を絶って、脳を学ぶモードにすることが大事と言っているが、そのような考えは持っていなかったのでぜひ実行したいと思った。

なにより、著者が記憶力の向上を始めたのは40代半ばという。歳を取っても記憶力が挙げられるという事実は、多くの人の励みになるだろう。
 
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「金閣寺」三島由紀夫

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
幼いことから吃ることをコンプレックスに生きる少年溝口(みぞぐち)が、金閣寺の美しさにとりつかれながれ生きていく様子を描く。

実際に起こった金閣寺の放火事件を題材とした作品。溝口(みぞぐち)が金閣寺の住職を期待されて成長していくなかで、その葛藤をひたすら描いている。近所に住む女性や友人の鶴川(つるかわ)、柏木(かしわぎ)たちとの間に起きる出来事が少しずつ少年の心に影響を与えていく。そして、少しずつ金閣寺の住職との溝が深まっていくのである。

なぜ溝口は金閣寺に火をつけたのか。その理由の解釈は読者に委ねられている。1回読んだだけではわからないものなのかもしれない。

現在は使われていないような古い言葉を多用しているのでその点も読みにくくさせている。純文学というとこんなものかもしれないが、物語よりも文章の紡ぎ方に興味を持つと楽しめるのかもしれない。

三島由紀夫作品はまた気が向いた時にトライしてみようと思う。
 
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「「ひらがな」で話す技術」西任暁子

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
FMラジオのDJとして長年話し方にこだわってきた著者が話す技術を語る。

まず、人は話すときにひらがなで話す、としている。つまり、聞いている人はひらがなとして音を聞いてそれを頭の中で、漢字や意味に変換するのである。したがって、漢字で意味の通るが音としては他にも意味を持つ言葉(例えば「視覚」「死角」「四角」「視覚」など)は話し言葉としてはわかりにくいのだという。わかりやすくためには次のようなことを心がけるといいとしている。

丸い言葉を使う
句読点をつけて話す
言葉の粒の大きさを変える

言われてみれば当たり前のことだが、あまり意識してこなかったことに気づいた。確かに硬い言葉は少し頭がよく聞こえると思っているせいか、意図的にそういう言葉を使っている人も世の中にはたくさんいるような気がするが、それが伝わりやすいかというとそんなことはないだろう。紙面のうえではスペースを節約するために使われている言葉が、話し言葉でも同じように使えるというわけではないのである。

そのほかにも間の使い方、声の重要性を語っている。

自分の話し方でもいろいろ見習いたいと思うことに出会うことができた。
 

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