「習慣が10割」吉井雅之

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
習慣の持つ力と、習慣の続け方を語る。

僕自身習慣化を得意としており、それによって自分のなりたい自分になれている気がするが、さらに精度を上げるヒントに出会えればと思い本書を手に取った。

序盤は習慣の重要性を語っており、世の中のすごい人たちは才能に恵まれたわけではなく、単に習慣を味方につけただけでそれは誰にでもできることだと語り、中盤以降は習慣をつくるための心がけについて語っている。

  • とにかく「ハードル」を下げる
  • ゲーム感覚でやる
  • 「仕組み」を作る

どれも習慣の得意な人はすでにやっていることだろうが、こうやって言葉として並べてみると、習慣化できない人の問題点が見えてくる気がする。

また、面白いなと思ったのが本書で紹介している「クリアリング」という習慣で、自分の1日の行動を振り返る行為である。落ち込んだ日や、物事がうまくいってない時などは取り入れてみると面白いかもしれない。

メルマガやブログ、貯金など、若干考え方が古いなと感じる部分もあったが、その辺は著者がかなり年配な方のようなので仕方がないだろう。すでに習慣を実践できている人にとってはあまり学ぶ部分はないかもしれない。ただ、これから習慣をつくろうと本気で考えている人には、本書に大部分の習慣化に必要な考え方は書かれているので、きっと役に立つことだろう。

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「How to Win Friends and Influence People」Dale Carnegie

オススメ度 ★★★★☆ 4/5

人にどのように好意的な印象を与え、自分の求めている人間関係を作り出すのか、そんな方法について書いている。 なんといっても驚くのは、本書の初版が1937年に書かれているということ。その後の改定では、書かれている例などを時代の変化に合うように、また新たな年代の人にもわかりやすいように書き換えただけと言うこと。つまり、人間の本質は時代を経てもほとんど変化がないということである。しかし、人に怒りをぶつけたり嫉妬に狂って物事をまっすぐ考えられない人はいつの世の中にもたくさん存在するのである。

基本的にどのように人に好印象を与えるか、どのように自分の意見を相手が受け入れやすい形で伝えるか、という点が多く書かれている。 昨今コーチングなどの書籍も多く、ただ叱るだけでは何も解決しないことを認識している人も多いだろう。そんなわけで本書に書かれているすべてが新鮮だというわけではなかったが、ぜひ今後実践したいと思ったのが次の項目である。

Techniques in Handling people 人をうまく扱うには
3.Arouse in the other person an eager want. 相手の中に欲求を起こせ

Make People Like You 人に自分を好きにさせるには
2.Smaile 笑顔でいなさい。
6.Make the other person feel important and do it sincerely. 相手に自分が大事にされていると思わせ、それを誠実に行いなさい。

Win People to Your Way of Thinking 人に自分の考え方を伝えるには
5.Get the other person saying “yes, yes” immediately. まずは相手にはいと言わせなさい。
7.Let the other person feel that the idea is his or hers. 相手にそのアイデアは彼のものだと思わせなさい。
10.Appeal to the nobler motives. さらに崇高な目的のためだと主張しなさい。

Be a Leader リーダーになるためには
4.Ask questions instead of giving direct orders. 直接の命令をするのではなく、問いをなげかけなさい。

すべての考え方が新鮮だったわけではなかったが、本書には多数の歴史的事実が例として含まれており、それらはどれも面白く好奇心を刺激してくれた。こうして事実を話として聞くと、単にフレーズを聞くよりもはるかに記憶に残る。その点でも本書は評価が高いのだと感じた。時々読み返したいと思える一冊である。

「GACKTの勝ち方」GACKT

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
さまざまな能力を身につけているGACKTがその生き方を語る。

テレビやメディアなどでは、語学やポーカーなどさまざまな能力を身につけている印象がおり、僕自身GACKTのファンという訳では特にないが、その生き方や考え方に何かしら参考になる部分があることを期待して本書を手に取った。

本書によると、それ以外にもさまざまなビジネスを手がけており、自らのブランディングを非常に住してしているという。本書ではGACKT自身が持っているさまざな考え方を書いているが、もっとも印象的だったのが次の考え方である。

一般的には

知・覚・考・動

という言葉の、最後の2つを入れ替えて、

知・覚・考・動

とし、「ともかくうごこう」と読むことで、行動することの大切さを強調しているのである。

またそれ以外にも多くの印象的な言葉が引用されておりそのいくつかは覚えておきたいと思った。読む前は、そもそもタレントの出している本にそこまで期待するべきではない、と期待値は低かったが、予想以上に楽しむことができた。GACKTに限らず、成功している人は行動の重要性を熟知しており、ポジティブな考え方をしており、失敗も大きな学びの機会と捉えているという点は共通している。今回も改めてそんな生き方の重要性を感じた。

文字が少なく1時間ほどで読めてしまう内容なので値段ほど価値があるかは読み手次第ではあるが、個人的には悪くなかったと感じた。

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「超訳 ニーチェの言葉」フリードヒ・ニーチェ

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ドイツの哲学者ニーチェの言葉をまとめている。

ニーチェという哲学者の名前は、おそらく多くの人が聞いたことぐらいはあるだろう。僕自身もそんなニーチェを名前だけ知っている一人だったが、今回同僚から薦められたこともあり、いい機会だと思って入りやすそうな本書にたどり着いた。

本書は1ページに満たないニーチェの短文を集めたもの。人間のあるべき生き方や愛や成長や心構えを語っている。何よりも驚いたのは、その一つ一つの考え方が現代でもまったく違和感なく伝わってくるというもの。「ニーチェって最近の人だったっけ?」と途中でニーチェが確かに100年以上前に生きた人であることを確認してしまったぐらい、まるで現代の人々を見て語っているような表現が多いのに驚かされた。

いくつか印象的だったもののタイトルだけ挙げると次のような内容である。

  • 脱皮して生きていく
  • 組織をはみ出す人
  • 所有の奴隷
  • そのままの相手を愛する
  • 愛と尊敬は同時にはもらえない
  • 読むべき書物
  • 真の教育者は解放する

タイトルを聞いただけでも現代の人間が見つめ直さなければならないものに合致しているのがわかるのではないだろうか。

ひょっとしたら人間関係に悩んでいる人、成長に悩んでいる人、愛に悩んでいる人は読んでみると何か気づきがあるかもしれない。

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「ぼくたちは習慣で、できている。」佐々木典士

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
習慣の重要性と習慣を身につけるための方法について説明する。

どちらかというと一般の人に比べて、僕自身は、自分のやりたいことを習慣化するのが得意な方だと思うが、さらにその純度をあげたいと思い、本書を手に取った。

著者が見聞きした著名人の言葉や研究結果を引用し、著者自身の言葉や体験談で補足するという流れで、習慣の重要性や、習慣を身につける方法をひらすら説明していく。

決して、それぞれの章で語っていることが信憑性が薄いわけではないのだが、ひたすら著名人の言葉と自分の体験談を同じような流れで繰り返しており、残念ながら本全体から大きな流れや哲学が感じられない。また、特に著者自身が興味深い研究をしてその結果を共有しているわけでも、なにか偉大なことを成し遂げたわけでもなく、ただただ、僕らと同じように習慣を実践する一人の人間に過ぎず、著名人の引用を繰り返しているだけなので、あまり言葉に重みが感じられない。

著者自身、ヨガやジムへ行くこと、マラソンや、早起きの習慣があり、それ自体はいいことだと思うが、著者の体験談は同じ話の繰り返しで、もう少し一冊の本として、強弱や芯の通った構成にできないものかと感じた。

むしろ本書で語っているようなことは「脳を鍛えるには運動しかない」や「ファスト&スロー」「GRIT やり抜く力」などすでに世の中から認められたすばらしい書籍があるので、そちらを読むことをおすすめしたい。本書のように表面をなぞるだけでなく、その本質を理解できることだろうと感じた。

僕自身読みやすさやとっつきやすさを重視した本が溢れている昨今、このような表面をなでただけのような本に時間を費やすことを、どのように避けていくかは、しっかり考えるべき問題だと感じた。

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「フラット化する世界 普及版」トーマス・フリードマン

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
インドや中国の現状を元にフラット化していく世界について語る。

アメリカ企業によるアウトソーシングによって栄えるインドのバンガロールをきっかけとして、世界のフラット化について語る。国や地域だけでなく、YouTubeやウォルマート、グーグル、UPS、アパッチ、デルなどのサービスや有名企業などがどのようによってフラット化を進めたり、フラット化を利用しているかについて説明する。

そして著者はそんなフラット化が進む世界において、祖国アメリカの未来を嘆くのである。アメリカ国内の教育、成功願望、予算、インフラなど様々な面で、フラット化が進む世界において十分な備えができていないというのである。

決して読みやすい本ではないが、世界の見方に新たな視点をもたらせてくれる。フラット化(というより均一化だが)する世界のことを、例えば、賃金が安い方へ安い方へとインターネットの力を最大限に利用して仕事が流れていく、と説明してしまえば、なにを今更当然のことを、となるであろうが、本書はその世界のフラット化の様子を様々な興味深い事実とあわせて説明するから非常に説得力があり重い。

そんななか、もっとも印象的だったのは、インドとパキスタンの紛争がフラット化のせいで深刻な事態になることを避けられたという出来事と、著者が考えるフラット化による平和へ貢献、そして9.11が起こったことについての著者による考察である。

世界におけるアラブ・イスラム世界を見ると、さまざまな面で地球上のほかの地域より遅れているのが目に留まる。…若いアラブ・イスラム教徒は自問せざるをえない。われわれの宗教は、信仰、政治、経済まですべてを網羅する優れた教えであるはずなのに、なぜ異教徒のほうがずっといい暮らしをしているのか?

かつてイスラム教徒が支配していたキリスト教国スペインの現在のGDPが、アラブ諸国すべて合わせたより大きいとは何事か。…ビン・ラディンは侮辱されたと感じた。

9.11同時多発テロにまつわる国民感情を、ブッシュ大統領が破廉恥にも政治目的に悪用したことは、歴史がいずれ明らかにしてくれるだろう。

有名な本ですでに出版から10年以上が経っているが、素晴らしい本だと感じた。ベルリンの壁の崩壊や9.11の航空機作戦など、本書で触れられているフラット化の大きな出来事について、もっと知りたいと感じた。

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「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代」アダム・グラント

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
オリジナルな人間になるための考え方を説明している。

メガネのネット販売でメガネ業界に大きな変革を起こしたワービー・パーカーの創業者たちの話をきっかけに、どのようにして大きなことを成し遂げるかを説明していく。

著者が繰り返し強調しているのは、世の中に大きな変化を起こすのは誰にでもできることで、人生の大きな決断など必要ないということである。例えば、スティーブ・ジョブスやビルゲイツは必ずしも若い時に人生の賭けに出たからその後の成功があるわけではない。同じようにマーチン・ルーサー・キングやイブラハム・リンカーンも僕らが思っているほど、人生において誰もまねできないような大胆な行動をとった結果、幸世に語り継がれる存在になったのではないのだという。偉大な人たちも人生のリスクヘッジをしながら自分の持つ新しいアイデアを少しずつ実行に移してきたのである。

では、どのようなことを日々意識して生きていけばそんな偉大なことを成し遂げられるのか。本書はそのために次のことを説明している。

  • アイデアの出し方
  • まわりの巻き込み方
  • 情熱の育み方
  • タイミングの撮り方
  • 誰と手を組むか
  • 組織のつくりかた
  • 困難への立ち向かい方

多くの人が思っていることと実際の成功者や成功しげ企業にはかなり乖離があると感じた。例えば、何事も先にやった人や企業が成功する可能性が高い印象があるが、必ずしもそんなことはない。またベートーベンは偉大な作曲家として有名だが、実際に評価されている曲は彼が作曲した650曲以上の曲のなかの一部でしかない。つまり、質の高いものは数が多ければ自然と生まれてくるのである。

ポラロイドの凋落や、公民権運動、婦人参政権運動、セグウェイの失敗など過去のさまざまな事象を例にとって説明する。本書が言おうとしている内容だけでなく引用されたそれぞれの出来事が興味深く、新たな好奇心を刺激してくれる。序盤で出たオンライン販売のワービー・パーカーだけでなく「となりのサインフェルド」などについても今回新しく知った。

良い刺激を与えてくれる非常に中身の濃い一冊である。

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「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」グラント・サバティエ

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
FIREつまりFinancial Independence, Retire Early(経済的自立)を実現するために著者やそのブログの読者たちが実現した方法とその考え方を説明する。

Retire Earlyと言うとさっさと仕事をやめて悠々自適な人生を満喫することを思い浮かべるかもしれない。しかし、本書で言っているリタイアとは、必ずも仕事をしない状態を言っているのではない。著者自身も「仕事をする必要がなくても仕事をするだろう」と言っているように、仕事をしなければいけない状態から脱し、給料を気にせずに仕事を選べる状態としている。

本書ではそこに到達するまでのステップを次の7段階で説明している。

  • ステップ1 自分の目標とする数字を把握せよ。
  • ステップ2 いま持っている金額を計算せよ。
  • ステップ3 お金に対する考え方を根本的に改めよ。
  • ステップ4 予算を立てず、あなたの貯蓄に最も大きな影響を与えるものだけに集中せよ。
  • ステップ5 9時5時の仕事をハック(工夫、効率化)せよ。
  • ステップ6 儲かる副業を始め、収入源を複数持とう。
  • ステップ7 できるだけ多くのお金をできるだけ早く、できるだけ頻繁に投資せよ。

簡単にいうと、目的をはっきりさせ、そのために、余計な出費を減らし、収入を増やし、投資するという流れを効率よく行うと言うことである。前半の節約の方法では、ハウス・シッティング、ハウス・ハッキング、バータリングなどの手法を知ることができた。

驚いたのはリタイアは歳を取ってからするよりも若いうちにする方が効果的だという考え方である。それは投資による複利の効果を理解し、利用するからこそ可能になるのである。また、僕自身、お金を貯めるためにはお金は借りないで、全てキャッシュで支払った方がいいという考え方をしていた。しかし、複利の効果を考えると必ずしもそれが真実ではないことにも気付かされた。

そのほかにも人生で迷った際に問いかけたい言葉であふれていた。

この買い物はどれほど私を幸せにしてくれるのか?

これを買えるようになるために、人生の何時間を差し出しているのか?

毎年、もしくは亡くなるまでに、これにかかる費用はいくらか?

他人はあなたほどあなたの時間を大切にしない

今一度、自分が人生で本当に求めているものを見つめ直し、またそこに至るまでどれほどのお金が必要なのかを把握したいと思った。

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「メモの魔力」前田裕二

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
メモをとることを繰り返してきた著者が、そのメモの取り方とその効果について語る。

僕らがメモと聞くと、見たり聞いたりしたことを書き残すことのように考えるが、著者はメモの目的を「記録」ではなく「知的生産」としており、次の3つの要素で構成している。

  • ファクト
  • 抽象化
  • 転用

実際に起きたことをファクトとし、それを他のことに適用できるように抽象化する。そして、最後は転用として、自分にアクションを書くのである。そして、抽象化については、What型、How型、Why型の3つの型を説明している。

世の中で見聞きしたすべての出来事に対して、このサイクルを繰り返しているのだとしたら、著者の言うように、知的生産力が向上するのは納得である。

また、夢を書き出すことでそれが叶いやすくなるというRAS(網様体賦活系)の働きについても説明している。RASについては最近読んだ「自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング」の方で同じようなことより具体的に書かれているので、興味がある人はそちらも読むといいだろう。

後半では自己分析の重要性について書いている。確かに自分が何が好きで、何を大切にしているかを理解している人の方が、人生を脇道に逸れる可能性は低いだろう。

もちろん、ここまでメモに時間をかけることは時間がかかることだし、その執着的とも言える行為によって遠ざける人間関係もあるかもしれないが、早速できる範囲で始めてみたいと思った。

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「自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング」アラン・ピーズ/バーバラ・ピーズ

オススメ度 ★★★★★ 5/5
夢を叶える方法を語る。

目標は紙に書くといい。というのはよく聞く話ではあるが、なぜそれがいいかということまで本書は説明している。それは脳のRASという仕組みによって、紙に目標を書くと、その情報に敏感になるのだという。本書ではこんな自己啓発本にありがちな夢を叶える方法を、多くの実例を交えて説明している。

簡単にいうと自分の目標を小さなものから大きなのまで思いつく限り書き出し、それをAリスト、Bリスト、Cリストに分類するのである。

Aリスト…今の自分にとってもっとも大事だと思えること
Bリスト…今の自分にとって大事だが、決断前にもう少し考える時間が欲しいもの
Cリスト…挑戦してみたいがまだわからない、できたら達成したいこと

重要なのはどうすれば達成できるのかは一切考えないということと、肯定的な表現をするということである。例えば「タバコをやめる」ではなく「健康的な生活をする」というように、否定文やタバコを吸うのをやめるというような表現だと「タバコを吸う」方のイメージがついてしまうのでうまく行かないのだという。

そして、Aリスト、Bリストには期限や、細かい達成目標を記入し、そのリストを常に自分が目にする場所に置いておくのだ(携帯の待ち受け画面など)

手法だけを聞くと、ありがちな自己啓発本の一つのように聞こえるかしれないが、本書は説得力のある説明が満載である。加えて、目標達成のための考え方や人生を前向きに生きるための様々な手法も共有してくれている。そして、なんといっても著者夫婦のマインドの強さに驚かされる。

何より面白かったのは著者自身も載せるか迷ったという最後の章である。家やお金を失った著者夫婦が再び裕福な生活を手に入れるまでに行ったのが、まさに本書で説明されている方法なのである。このような人生をよくする系の本で泣きそうになったのは初めてである。早速自分の目標を書き出して、見える位置に貼っておきたい。

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「死ぬ前の5つの後悔」ブロニー・ウェア

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
多くの人の人生の最期に立ち会った経験を持つ著者が、人々が死の前に感じる後悔について語る。

5つの後悔とあるが、本書で扱っているのは5人の死だけでなく、死を目の前にした人々の様子や家族の様子も合わせて伝えており、その後悔をまとめるとだいたい5つのパターンに収まるということである。著者ははつぎの5つをよくある後悔としている。

  • 1.自分に正直な人生を生きればよかった
  • 2.働きすぎなければよかった
  • 3.思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
  • 4.友人と連絡を取り続ければよかった
  • 5.幸せをあきらめなければよかった

特にこうして並べてみると特にそれほど大きな驚きはない。ああ、こういう人いるよな、と思う部分もある一方、自分のまわりではあまりこのような後悔をしそうな人が少ないのは、時代が多くの生き方を尊重する方向に変わってきたからかもしれない。

上に挙げた5つの後悔以外にも、人生の最期を迎えた人々の様子を本書を通じて知ることで、考えさせられる部分が多くあった。印象的だったのは周囲の人に酷い言葉を投げかけられた時の考え方である。

「誰かがあなたに贈り物をし、あなたがそれを受け取らなかった場合、その贈り物は誰のものですか?」…そもそも幸せな人の口からそういう言葉は出ない。

死の床で人生を振り返って、もっと物がほしかったとか、なにかを買えばよかったと言った人を私は一人も知らない。

また、死に直面した人の様子を描くのとあわせて、いろんな悩みを抱えながら生きている著者自身の破天荒な生き方も見せてくれるのが面白い。そして、様々な自らの死や、家族の死に直面して戸惑う人々をみて思うこととしての感想ももっともだと感じた。

これは我々の社会が死を人々の目から隠しているために怒る明らかな弊害の一つだ。死に直面すると、人は様々な疑問を持つ。自分もいつかか死ぬのを認識していたら、こうなるずっと前に納得のいく答えを見つけられるだろう。

さて、このように人生の後悔の代表例を知った僕たちは、これを避ける努力をすることができる。僕自身の人生は、今は比較的うまく行っているように思えるが、時々自分を振り返って、後悔をする生き方をしていないか確認するようにしたい。

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「キミが働く理由」福島正伸

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
働くことの意味がわからずに、新卒で就職した会社をすぐに退職し、その後さまざまな事業に挑戦した著者が働くことの意味を語る。

働くこのに楽しみを見出せない人向けなのだろう。僕自身今の仕事に不満を持っているわけではないが、何かしら生き方の参考になればと思い手に取った。

著者の経験から25項目の働く上での秘訣を書いているが、もちろんすべての人に必ずしもあてはまるわけではないだろう。また、楽しく幸せに生きるための心構えはすでに多くの人が語っており、本書で言っていることもかなり重複する部分があった。そんななか印象に残った項目を挙げると次の3つである。

お父さんが、「今日も仕事が楽しかったな。明日、仕事に行けると思うと、興奮しちゃうな」と言うと、子どもさんは勉強し始めるのです。
朝起きて人を励ますと、自分が元気になります。朝会社に行ったら、まず元気のない人を探しましょう。そして、その人を励ますのです。
悩んだ時はどうしたらいいかといったら、私は人に会うことだと思います。特に自分が目指している人に会うことです。

特にものすごい印象に残ったと言うわけではないが、生き方、働き方の参考の一冊として読むのは悪くないだろう。

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「反応しない練習」草薙龍瞬

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
すべての悩みを根本的に解決する方法を、「ムダな反応しないこと」としてその考え方を説明する。

幸せに生きるための考え方を書いた本は昨今溢れており、本書もそんななかの一つである。基本的に書かれていることでそれほど新鮮な内容はなかった。とはいえ本書が役に立たないとか読む価値がないとかそういうことではなく、このような物事の考え方は、ただ単に知識として持っているだけで満足するのではなく、繰り返し触れてその精度を上げていくべきなのだろう。

個人的にもっとも印象的だったのは

相手はいつでも「初めて会った人」

という考え方である。人を過去の何度かの振る舞いでこの人はこういう人と判断するのではなく、その人自身も成長している変化しているかもしれない。だからこそ、過去に会ったことある人でも曇りのない目で見るべきだということである。もちろん言うほど簡単ではないが、今後意識していきたいと思った。

上にも書いたことだが、内容としてはよくある種類の生き方の考え方である、「嫌われる勇気」などが有名だろう。しかしこのような考え方は定期的に接して、自らを省みることが重要だと考えると、本書は一定の役割は果たしていると言えるだろう。

【楽天ブックス】「反応しない練習」

「「山奥ニート」やってます。」石井あらた

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
和歌山の山奥で15人のニートが集まって共同生活をしているという。特にそれぞれ何をするわけでもなく1万8,000円の生活費で自由に暮らしている。そんな山奥ニートの創業時メンバーの著者がその暮らしぶりを語る。

序盤は現在の山奥ニートの生活の様子、中盤では、現在の状態に到るまでの過程と、そして最後に現在の山奥ニートそれぞれへのインタビューと今後の展望を語っている。印象的だっったのは、山奥ニートという共同生活が出来上がるにあたってのきっかけとなった「共生舎」というNPOとその代表である山本さんという存在である。彼らは、過疎集落の古民家にニートやひきこもりを集めるという計画をしたいたのである。

残念ながら山本さんは著者と知り合ってすぐに亡くなってしまったが、社会をよくしようと損得も関係なく活動している人がいることが知れていい刺激になった。

また、最後の限界集落について語った考え方も印象的だった。「便利な場所」というのは時代によって変わるんだという。今は駅や国道に近い場所が便利な場所とされているが、100年も遡れば、たくさんの作物が獲れる場所が便利だったのだろう。そうやって考えると、コロナ禍でリモートワークが常識となり、通勤が必要と亡くなったら、どこが便利になるのだろう。

いろいろ幸せな生き方というものについて考えさせてくれる一冊。

【楽天ブックス】「「山奥ニート」やってます。」

「夢をかなえるゾウ」水野敬也

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
朝起きると目の前にガネーシャがいた。自ら神と名乗る、ガネーシャは夢をかなえるための課題を出していくのである。

主人公の「僕」とガネーシャがコミカルなやり取りをしながら、夢を叶えるために必要な課題を出し、それを受け入れていく様子が描かれている。それぞれの課題の有効性は、人によって意見が分かれるかもしれないが、大事とも思えるもので、間に少しずつニュートンやビル・ゲイツなど有名人の行動や心がけなども引用される点が面白い。

  • 靴をみがく
  • コンビニでお釣りを募金する
  • 食事を腹八分におさえる
  • 人が欲しがっているものを先取りする
  • 会った人を笑わせる
  • トイレ掃除をする
  • まっすぐ帰宅する
  • その日頑張れた自分をホメる
  • 一日なにかをやめてみる
  • 決めたことを続けるための環境を作る
  • 毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
  • 自分が一番得意なことを人に聞く
  • 自分の苦手なことを人に聞く
  • 夢を楽しく想像する
  • 運がよいと口に出して言う
  • ただでもらう
  • 明日の準備をする
  • 身近にいる一番大事な人を喜ばせる
  • 誰か一人のいいところを見つけてホメる
  • 人の長所を盗む
  • 求人情報誌を見る
  • お参りに行く
  • 人気店に入り、人気の理由を観察する
  • プレゼントをして驚かせる

なんか被っている課題もあるような気がして、そのユルさが本書のいいところなのかもしれない。周囲の人の大切さと、人に感謝したり、人を喜ばせることの大切さが繰り返し強調されている。

  • やらずに後悔していることを今日から始める
  • サービスとして夢を語る
  • 人の成功をサポートする
  • 応募する
  • 毎日、感謝する

内容としては、どちらかというと自己啓発本のような固い伝えられ方をすることが多い中、小説形式で面白おかしく伝えてくれる点が新しい。人生で迷ったりしている人にはちょうどいいのではないだろうか。迷っているときだからこそ本書のように楽しく教えてくれるのがいいだろう。「会った人を笑わせる」や「応募する」「人の成功をサポートする」は今日からぜひやってみたいと思った。

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「転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方」moto

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
転職を利用して自分の市場価値を上げる方法を説明している。

著者は4度の転職を経てサラリーマンとしての年収は1,000万円を超え、副業として4,000万円を超えているというから驚きである。

本書で著者は転職で収入を上げる方法として

「年収の高い業界」または「年収の高い職種」にずらす

という方法を繰り返し述べている。自分の業界や職種にこだわりがない場合はぜひやってみるといいだろう。しかし、サラリーマンとしての収入はどれほど転職をうまく繰り返しても1,000万程度が限度なのではないだろうか。むしろ本書で興味をもったのは、著者の副業の方法である。

どうやら著者は転職経験自体をブログにして大きな収入を得ているという。僕自身すでに8回の転職をしているので転職経験は豊富だが、それをコンテンツにしようという考えはなかったので、ここに大きなニーズがあるというのが驚きだった。(考えてみれば当たり前ではある)。誰にでも他のひとが体験したことのないような体験はあるのではないだろうか。自身のレアな体験を、Twitter等のSNSを通じてコンテンツにするというのは誰にでもできるのかもしれない。

改めて自分の体験を棚卸ししたくなる一冊。

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「始めよう。瞑想」宝彩有菜

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
瞑想の方法を説明している。

コロナ下でリモートワークが重なったためか、眠りが浅いと感じることが多くなり、瞑想という手法に思い至り本書にたどりついた。

本書では簡単な瞑想の方法を解説したあとに、少しずつ良い心の持ち方をするための考え方や手法を紹介している。瞑想の効果として、

理解力がアップする
集中力がアップする
記憶力がアップする
判断力がアップする
洞察力がアップする
発想力が豊かになる
企画力がアップする
交渉力がアップする

としている。特に驚いたのは記憶力の部分で瞑想を極めると、幼少期の記憶まで取り戻すことができるというのである。

後半は、心の持ち方に対する考え方をいくつか紹介している。印象的だったのは「欲の4要素」「愛の4要素」という考え方である。欲の4要素とは、「得る(欲)」「保つ(執着)」「比べる(比較)」「もっと(不満)」であり、愛の4要素とは「与える(愛)」「自由・放つ(笑い)」「認める(大肯定)」「足る(感謝)」としており、欲を感じたらそれを抑制するのではなく、愛の方向に進むことで改善することを勧めている。

予想していたよりはるかに深い内容だった。なかなか書かれているような瞑想の境地には達しないが、考え方として学ぶ部分があった。

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「小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする方法」はあちゅう/村上萌

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
作家のはあちゅうとライフスタイルプロデューサーという肩書きで活躍する村上萌の2人の著者が、現在の一般的に成功していると言われる状態にたどり着くまでの紆余曲折の人生を交互に語っている。

年齢が、10歳ほど年下ということもあり、生きているなかで経験する文化が若干異なるのと、男性と女性という違いゆえの考え方の違いもある。。それでも、僕自身の心がけとの共通点もあり、また、女性ならではという考えかたの新鮮に感じる部分もあった。そして、見習いたいと思える心がけにもいくつか出会えた。

お土産は必要な分+2買う
花を欠かさない

成功している人たちも、いろいろ悩みながら付与曲折を経て、努力をするだけでなく、人とのつながりに恵まれ、目の前の機会に勇気を持って飛び込むなどしながら、現在の地位にたどり着いているとわかるだろう。むしろ大学を卒業して、人生に悩んでいる女性が読むともっといいのではないかと思った。

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「どこでも誰とでも働ける 12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール」尾原和啓

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
マッキンゼー・アンド・カンパニー、Google、楽天など合計12の会社で働いた経歴を持つ著者が、タイトルにあるようにどこでも、誰とでも働けるために心がけるべきことをまとめている。
全体的にどれも同意できることばかり、特に転職について語っているうちの次の二点。「異動・転職では「業界」「業種」を交互にスライドさせてみる」と「大きい会社と小さい会社を交互に経験する方法もある」は、転職をこれまで7回している僕も実感として持っている部分である。業種や職種を変えると知識や経験の幅が広がるが、あまり変えすぎると減給は避けられない、だからこそ業種を変えるけど職種は変えない、とか業種は変えないけど職種は変えない、というのを繰り返していくのが程よい方法なのである。
新鮮だったのは「「始まりの場所」にいる大切さ」である。著者自身ドコモのiモードという、携帯端末のインターネット接続のはじまりの場所にいた経験からその貴重さを語っているのだろう。今だったらフィンテックやブロックチェーンなどだろうか。「始まりの場所」、そんな視点を今後のキャリアを考える上で意識していきたいと思った。
途中で気づいたのだが、この著者は「モチベーション革命」の著者なのだそうだ。残念ながら「モチベーション革命」はあまりいいと萌えなかったが、本書は興味深く読むことができた。
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「僕は君たちに武器を配りたいエッセンシャル版」瀧本哲史

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
これからの時代の生き方について語る。
どちらかというと、これから社会に出て行く若い人向けに書かれた内容だが、僕のような社会人10年以上の人間が読んでも学ぶ部分はある。
物と同じように、人も同じ能力を持った人間がたくさんいれば、価格競争になってしまう。つまりコモディティ化が進んでしまうのだ。賃金を下げたくなければコモディティにならない生き方をすることが重要なのである。
著者はコモディティ化しないための生き方として4つの生き方をあげている。

マーケター
イノベーター
リーダー
インベスター

である。今後の生き方を改めて考えさせられた。
【楽天ブックス】「僕は君たちに武器を配りたいエッセンシャル版」