オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ダンスを趣味として楽しむ著者がダンスに対する考え方を語る。
冒頭で著者が書いているように、著者自身は別にダンスの先生の資格を持っているわけではなく生徒の一人だと言う。そんな著者が自身のダンスを通じた経験や考え方を語ってくれるのだが、競技ダンスよりも、パーティでのマナーや技術の向上の仕方に多く触れている点が面白い。姿勢やパートナーとの調和、そしてマナーを語ってくれるので、競技ダンスとしてどうしても技術や体力やスピードに偏ってしまいがちにとってはいろいろ考えさせられる内容が多い。
ダンス経験者には新しい視点を与えくれるだろう。また、ダンス未経験者もひょっとしたら興味をかき立てられてダンスを始めようと思ってくれるかもしれない。
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カテゴリー: 趣味/関心事
「珍妃の井戸」浅田次郎
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
列強諸国に侵略された清。そんななかひとりの妃、美しい姫、珍妃(チェンフェイ)が井戸に突き落とされて殺されたという。一体誰がどんな目的で珍妃(チェンフェイ)を殺したのか。日本、ロシア、ドイツ、イギリスの高官が協力してその真実に迫ろうとする。
光緒帝が愛した珍妃(チェンフェイ)が西太后によって殺害されたという実話に基づいているのであるが、そもそもその事実についてさえ中国史に疎い僕は知らなかった。著者はそんな歴史に疎い日本人にも楽しめるようにいくつかの謎を交えながら読者を物語に引き込んでいく。
真実の究明に協力することになった日本、ロシア、ドイツ、イギリスの高官4人は関係者に事実をたずねるのだが、それぞれ異なることを語るので、謎は次第に深まっていく。一体どれが真実なのか。その究明の過程で伝わってくるのは、一つの偉大な国を身勝手な理由から滅ぼした列強諸国への非難である。今、世界の中心にいる国々は過去の自分たちの非道な行いにもしっかり目を向けるべきなのだろう。
「蒼穹の昴」の続編ではあるが、物語の構成は大きく異なる。また「蒼穹の昴」を読んだときにも思った事だが、この物語を楽しむためには、もっと中国史に関する知識を持っている必要があるように感じた。
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「リクルートのDNA 起業家精神とは何か」江副浩正
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
多くの起業家を排出するリクルート。リクルートの創業者である著者がリクルートが成長する過程の出来事や社内の精神について語る。
むしろ著者の自伝的色合いが濃く、「リクルートの歴史」といったタイトルの方がふさわしいような印象を受けた。本書で語られるそのリクルート創業当時のいろんな困難は人間関係の重要さを教えてくれる。実際本書でも第二章で「私が学んだ名起業家の一言」とあるように、著者自身も非常に人とのつながりを大事にしている事が伝わってくる。また、リクルートが世の中に必要とされる物を提供する事を第一に考えた結果、大きくなってきた点も印象的である。
最後の章ではこれまでに失敗した事業も紹介している。失敗から学ぶことの大きさも本書では繰り返し触れられているのである。何か世の中のためになる仕事がしたくなってくる。
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「情報を捨てるセンス選ぶ技術」ノリーナ・ハーツ
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
インターネットの普及によって情報が溢れかえるなか、どのように情報を取捨選択していくべきか、著者が語る。
いろんなメディアから様々な情報が発信され、毎日大量にその情報を受け取っているが、常にその情報の正しさに疑いを持っているだろうか。その情報が情報の受け手を意図した方向に導こうとしている可能性を考慮しているだろうか。同じグラフでも縦軸、横軸の取り方一つで見え方は大きく変わるのである。また、今ではどこの通販サイトにも取り入れられているユーザーレビューも、多くのサクラが存在するのである。本書が語ってくれるのは、そんな情報のすべてを鵜呑みにせず、真実を見極める方法である。
人は同じ考えを持つ人と一緒にいようとする傾向があるが、真実を見極めるためには反対意見を言ってくれる人を近くにおいておくべきだ、という考え方は何も情報のあふれる今に限った事ではなくずっと使える考え方のような気がする。
アフガン戦争に向かうブッシュを支持したアメリカ人や、2000年問題を過剰に警戒した世界の人々など、記憶に新しい過去の出来事のなかから、人々が間違った情報に操作された例をいくつか紹介している。真実を見抜く目を育む手助けになるかもしれない。
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「できる上司は「教え方」がうまい」松尾昭仁
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
組織における教えることのメリットやその効果的な方法を説明する。
序盤は教える事の利点を語る。教える側にとっては「自分でやった方が早い」という考えを持つことは多く、その結果、部下を育てる事ができずに組織の効率性を損ねている例が多々あるのだろう。実際には、部下を育てて自分と同じ能力の人間を複数持つ事でこそ組織は効果的に機能するのである。
中盤以降は、教えるために有効な方法を順を追って説明している。ほめる事の重要性や、相手のレベルを見極めることなど、普段から教えることに慣れている人にとっては当たり前のことばかりではあるが、改めて教えることに重要な1つ1つの要素を本書を通じて見直すことができるだろう。
人間のタイプによって教え方を変えるという点が本書でもっとも面白い部分ではないだろうか。部下を「理論派」「行動派」という2つのタイプにわけるだけでなく、「まったくの初心者」「教え方に文句をつける部下」「根拠のない自身がある部下」「すぐにリスクを考えてしまう部下」「自分よりも年上の部下」「自分よりはるかに年下の部下」「本気で学ぶ気が感じられない部下」「頑張り過ぎる部下」と8つのタイプにわけでそれぞれの対処方法を説明している。必ずしも教える側、教えられる側としてだけでなく、人間として成長するためにはどう行動すべきか、という点で考えさせられる部分もあるだろう。
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「わたしはマララ 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女」マララ・ユフザイ
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
パキスタンのスワート地区で育った女性、マララ・ユフザイがタリバンの圧力や不安定な国政のもとでの人々の生活の様子を描く。
2001年の9.11直後はタリバンという言葉を何度も耳にしたが最近はあまり耳にしなくなったように思う。しかしそれは9.11から時間が経って人々の関心が薄れたから、メディアも取り上げる回数が少なくなったというだけなのだろう。本書で描かれるパキスタンの人々の生活の様子は、タリバンの脅威が国内ではその後もずっと続いていたことを教えてくれる。
タリバンは、女性が教育を受けることや肌をさらすことをイスラムの教えに背いているとして強制的にやめさせたり、そのような行いをしている人やそれに貢献している人を殺害したりするのである。著者マララは、そんななか教育の重要性を認識して学校を運営する父親と、強い信念をもった母親のもとで育つ。しかし、タリバンへの恐怖から多くの人は行動を制限され、公に逆らったひとは次々と殺されていくのである。友人や知り合いが殺され、死体が町に放置されるという、僕ら日本人から見れば異常としか思えない出来事が、著者の周囲では日常だったことが伝わってくるだろう。日本という安定した国でしっかりとした教育を受け、自由に外出できるような環境で生きられることの幸せを改めて感じられることだろう。
そして後半はタリバンによって顔に弾丸を受け、生死の境をさまよう様子が描かれている。顔に弾丸を受けてもなお、タリバンの攻撃は私の声を世界に届けることにつながった、と考えることのできるマララの姿勢が印象的である。女性の地位の向上や教育の重要性を語る一方で、十代の女の子らしい振る舞いや想いが文中に散りばめられている点も印象深い。マララのように恵まれない者は、試練を経て強い信念を育む一方、僕らのように恵まれた者はその価値を見失い、信念を持たずにただ悶々と生きているのだ。自らを律したくなる一冊。
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「Leading at a Higher Level」Ken Blanchard
オススメ度 ★★★★☆ 4/5いくつかの企業を紹介しながら、リーダーシップのあるべき姿を説明する。
一般的な組織はピラミッド型で上に行けばいくほど決断できる部分が大きくなるが、理想の組織は顧客に近い下の人間ほど決断できる部分を大きくすることで、それぞれの社員もモチベーション高く効果的な組織を作る事ができるという。
真のリーダーは、そんな組織のために顧客に接する部下達に奉仕(serve)することが理想なのだと言う。どうしても組織は、部下は上司に奉仕(serve)する形になりがちだが、それが顧客よりも上司を重視してサービスやモチベーションの低下に繋がるのである。また、後半では組織に「変化」を起こすために行うべき事についても触れている。常に組織のなかの多数派である「一般社員」目線で考えことの重要性を教えてくれる。
残念ながら僕が今従事している業務に適用するのは難しそうだが、理想の組織を作りたくさせてくれる一冊。
「深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海」沢木耕太郎
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
トルコで著者は友人から託されたこの旅唯一の目的を果たすこととなる。
旅の最終目的地が近づいてきたことによる著者の喪失感がにじみ出てくるところが興味深い。
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「成功の法則92ヶ条」三木谷浩史
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
楽天を大きくした三木谷浩史氏がその成功の法則について語る。
若干前作の「成功のコンセプト」と重なる部分もあるが、個人的には本書の方が印象的だった。タイトルの通り本書は92の細かい内容に別れているが、そのなかでも印象的だったのは35の「WIN-WIN関係を創造せよ」との83の「ロングテールを理解せよ」である。「WIN-WIN関係の創造」というのは長く生き残るビジネスを行ううえでは必須の考えだが、どうしても忘れてしまいがち、また「ロングテール」というのは今の時代の変化である「多様化」を言い変えた言葉でもあり、あらゆる面において、ロングテールの考えを適用していかないと企業は生き残れないというのである。
毎朝英語を勉強していたことや、海外から情報を取得することの重要性を説くところなど含め、なんか僕とやっていることに共通点があるな、と思った。
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「宰領 隠蔽捜査5」今野敏
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
管内で国会議員が失踪した。署長の竜崎伸也(りゅうざきしんや)は極秘の捜査によって誘拐殺人事件であることが明らかになる。
例によって、地位の上下や私欲に縛られずに正義を全うしようとする竜崎(りゅうざき)の姿勢に触れられる本シリーズは面白い。今回の事件は神奈川県警も巻き込んでいることから、神奈川県警、警視庁、双方の立場を考慮して行動していく。また、事件のほかに、息子の大学受験という家族の問題も同時に抱えている。様々な業務を洗い出してそれぞれを優先順位をつけて的確な解決方法を見つけ出して処理していく様子はなんとも爽快である。
毎回、自分自身の行動についても見つめ直させてくれる一冊。
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「十字軍物語(2)」塩野七生
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
聖都エルサレムを奪還した十字軍だが、イスラム側も徐々に反撃を始める。
エルサレム奪還から時を経て、十字軍側は防衛する側にまわるのだが、そのなかで重要な役割を担うのが聖堂(テンプル)騎士団と聖ヨハネ騎士団である。本書ではこの2つの騎士団について何度も触れられており、著者のこだわりが感じられる。実際その存在は非常に魅力的に見える。聖堂(テンプル)騎士団は「ムスリムは殺せ」という信念でその信念に賛同する物は誰でも受け入れていたのに対して、聖ヨハネ騎士団はもともとは病院騎士団と呼ばれ、人々の病や怪我の治療にも尽くし、教育を受けた貴族しか受け入れなかったという。聖ヨハネ騎士団のそんな自らを律した存在がとても魅力的に見えるのだ。彼らが使っていた城塞に書かれていた文章がその哲学を表している。
また、聖ヨハネ騎士団が十字軍防衛のために利用した城塞もとても印象的である。特にクラク・ド・シュヴァリエについては図入りで解説されており、いつか実際に見てみたいと思った。
本書のなかで印象的な著者の言葉として、優秀な人材は同じ場所に集まるというものだ。実際、第一回十字軍の際には多くの優秀な人材が十字軍から排出されて、それがエルサレムの奪還へと繋がったが、本書ではイスラム側にサラディンなどの多くの優秀な人材が輩出され、エルサレムを奪い返されるのである。
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「Mobile First」Luke Wroblewski
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
スマートフォンの普及によってWebの作り方は大きく変わった。著者はMobile Firstというコンセプトでその考え方を語る。
その考え方は、Mobileという限られたスペースに情報を入れようとするために、不要な情報や要素はすべて削ぎ落とす必要がある。その上で出来上がったMobile用のWebからPC用のWebを作成する際に、本当に役立つものだけを付け加える、という、まさにMobileサイトを中心とした考え方である。
面白いのは、冒頭で著者は言っている。
つまり、数年前まで日本はモバイルでのWeb閲覧という分野においては世界でも進んでいたのだ。にもかかわらず、海外のWeb情報サイトではそこらじゅうで目にする「Mobile First」という言葉、日本ではまったく聞かない。すでに世界から遅れをとっているということなのか、それとも単に文化の違いなのか。
「成功のコンセプト」三木谷浩史
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
楽天市場を立ち上げた三木谷浩史がその成功のコンセプトを語る。
成功者というのは、その成功はすべて自分の決断によって達成されたと語りがちだが、実際には幸運にも恵まれているのだ。そういう意味では本書のような成功者の本を読む際には多少傲慢な物言いも覚悟しているのだが、それほど悪い内容ではなかった。
本書で語られている5つのコンセプトのうち、最初の4つはいろんなところで語られることでそれほど新しい物ではないが、5つめのコンセプトとして「スピード!スピード!スピード!」というのは面白い。最近だらだらした会議が多くなってきた僕の会社の重役たちもぜひ本書を読んでスピードの重要性を理解して欲しいと思った。
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「深夜特急(4) シルクロード」沢木耕太郎
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
インドを後にした著者は、パキスタン、アフガニスタンを経由してイランへ向かう。
毎回のごとくそれぞれの国の個性が面白い。特にパキスタンの長距離バスの運転手のその運転の様子が著者の興味をひいたようだ。旅が進むにしたがって、著者の視点が文化やその土地の人よりも、旅や自分と同じ旅人に向かっている気がする。
4冊目を読み終わって思うのは、あまり沢木耕太郎という著者は観察力にすぐれた人間ではないということ。もちろん、「自ら経験しないとわからない」として、あえて細かい部分を書かないようにしているということも考えられるし、日本に帰ってきてから記憶をたよりに書いたため本当に印象に残ったことしか欠けなかったのかもしれないが、これだけの国を旅したらもっとたくさん書くことがあるのではないかと感じてしまう。
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「ルポMOOC革命 無料オンライン授業の衝撃」金成隆一
オススメ度 ★★★★☆ 4/5
インターネットの発展と、スマートフォンの普及に伴い、Coursera、Udacity、Edxといったオンラインで大学の授業を受けられるMOOC(Massive Online Open Courses)プラットフォームが注目されるようになってきた。本書はそんなMOOCを含むオンラインエデュケーションの現状に様々な視点から迫る。
かなり前からオンラインエデュケーションには興味を持っていたが、どこか騒ぎすぎな印象も持っていた。一般の人にはどの程度認知されていて、実際にはどれほど人々の学習環境に根付く可能性があるのかいまいちつかめずにいたのだ。本書ではMOOCsで日常的に授業を受けている人々の感想や境遇を説明し、カーンアカデミーなどのMOOC以外のオンラインエデュケーションについても触れている。
序盤のMOOCで勉強をしている世界の人々のエピソードに触れると、自分が人生をさぼっているような気がしてくる。環境に恵まれない人こそ、オンラインエデュケーションの可能性に敏感なのだろう。環境に恵まれている日本人はいつになったら危機感を感じるのだろう。
後半は日本のオンラインエデュケーションの動きをいくつかのサイトと共に説明している。カーンアカデミーのことを知ったときにどうして日本でももっとこのように、学校の勉強についていけないような子供達を助けるための動きがないのだろうか、と思ったが、すでにそのような動きをしているサイトはいくつもあってそのことに驚かされた。
今後も引き続きオンラインエデュケーションの動向に注目していきたいと思った。
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「フラットデザインの基本ルール」佐藤好彦
オススメ度 ★★★★☆ 4/5
Windows8やiOS6で採用されたフラットデザイン。言葉にすると単に、今までの立体的なデザインからシャドウやグラデーションの少ないデザインへの移行、と認識されてしまうだろう。しかし、本書は世の中がフラットデザインに向かった背景やその原因について説明している。
人々がパソコン上で何ができるか想像できなかった時代は、現実の世界に存在するそのデザインをパソコン上でも再現する事で人々の抵抗感をなくしてきたが、もはやその必要はなくなった、という説明は非常に腑に落ちる物がある。本書を読んで改めて周囲の物を眺めてみると、いろいろ違った点が見えてくる。例えばパソコン上で「保存」を意味するアイコンがいまでもフロッピーディスクだったりするのだが、すでにフロッピーディスクは世の中から消え去って何年も経過しているのだ。
また、本書はフラットデザインの問題点やフラットデザインをするにあたって困難な点についても語っている。デザイナーにとっては、単純にボタンを立体にしてすませることができないため、今まで以上にスペースや色の使い方に慎重になる必要があるだろう。
フラットデザインについてだけなく、デザインというものについて改めて考えさせてくれる一冊。
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「パーソナルプロジェクトマネジメント」冨永章
オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
プロジェクトマネジメントの内容を個人の目標の達成に活かす、というテーマで書かれている。プライベートな予定に対して、重要度や他人への影響度を考えて取り組むことはあまりないが、仕事で行っているプロジェクトと同様に期日やリスクを考えて取り組むことはできるのだろう。著者はまさにそんな人生を送っているようで、そのストイックな生き方は大いに刺激になった。
しかし、本書の内容が、常に仕事におけるプロジェクトマネジメントの話と、プレイベートにおけるそれとを行ったり来たりして非常に読みにくかった。その点が残念である。
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「深夜特急(3) インド・ネパール」沢木耕太郎
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
マカオ、香港、マレーシアを経てついにインドに到達した著者。インドの生活に触れる。
前の2冊はどちらかというとややおおざっぱなアジアという感じがして、日本でも歌舞伎町や新大久保あたりで味わう事ができそうで、あまり興味がわかなかったが、本書のインドの様子は、どこか日本では決して経験できない雰囲気があって楽しんで読む事ができた。
インドにいくと人生観が変わる、とよく言われるが、本書はそんな様子の一部を見せてくれる。しかし、印象的だったのはむしろ、ここまで長く旅をしてきた著者が、旅というものに対して、どこか達観した見方をするようになった点である。
また、隣国のネパールの様子も描いている。若いうちにこの2つの国に行ってみたいと思った。
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「十字軍物語(1)」塩野七生
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
1095年11月のクレルモンの公会議でローマ方法ウルバン2世の呼びかけによって始まった十字軍。本書はその第一回十字軍について記述している。
学生時代の教科書ではわずか数行でおわってしまう程度の出来事ではあるが、キリスト世界のなかでは当時間違いなく大きな出来事だったであろう。当時のカトリック教会の状態や、イスラム世界など、教科書が伝える事実ではわからない、その当時の雰囲気が伝わってくる。
興味深かったのは、当時のイスラム世界の人々にとっては、十字軍が何を行っているのかわかっていなかった点である。イスラム世界の人々に彼らのエルサレム奪還という目的が知られたのはどうやらかなり後のことのようで、その進路の途中の国々の人にとっては十字軍はただの侵略者としか見えなかったのだ。
本書ではイスラム世界はセルジュークトルコの支配してい時代ではあるが、キリスト世界だけでなくイスラム世界の状況に着いても知りたくなった。
【楽天ブックス】「十字軍物語(1)」
「わかりやすく説明する練習をしよう。」リー・ラフィーヴァー
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
わかりやすく説明する方法を、複雑な事柄を説明する動画を作成することをビジネスにしている著者が語る。
本書でも冒頭で語られているように、まず僕らは、説明するという行為が、ランニングのフォームのように練習に酔って改善できるものであるということに気づくべきなのだろう。そもそも世の中の多くの人は説明というものの重要性と改善の可能性を理解していないのだ。だから簡単に説明を人に委ねる事ができる。理解することと説明ができることとはまったく違うのである。
さて、本書では説明者が陥りやすい失敗についていくつか例をあげている。なかでも言葉として印象に残ったのは「知の呪縛」である。説明者はその内容にもっとも熟知した立場にいるため、その内容について知らないという立場に立って物事を考えるということができなくなるのである。また、大勢に対して説明する場合、いろんなレベルの知識を持った人が同じ場所に存在するはずである。そのようなときに、どのレベルをターゲットにして説明すべきか、ということにも触れている。
内容自体ものすごい新しいことを書いているわけではないのかもしれないが、改めて図などを交えて説明の持つ意味を示してくれるので、説明というものに対する考え方に新たな視点を与えてくれた気がする。
【楽天ブックス】「わかりやすく説明する練習をしよう。」