「アレックス・ファーガソン自伝」アレックス・ファーガソン

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
世界最高峰のサッカーチームであるイングランドのマンチェスター・ユナイテッドで27年間監督を務めた著者がその人生を振り返る。

アレックス・ファーガソンといえば、僕らサッカーファンのなかでは知らないもののいない名将中の名将である。単純に大きなタイトルを手にしただけでなく、デイヴィッド・ベッカムなどの若手の育成にも定評があり、むしろそここそがファーガソンの成功の大きな礎なのだろう。テレビの画面越しではどちらかというと怖い印象を持つ著者が、どのようなことを考えながら監督という仕事をしてきたのかを知りたくて本書を手に取った。

本書は多くの自伝とは異なり、時系列にはなっていない。著者の人生にとって印象に残っている人、出来事などをそれぞれの章で語っているのだ。

本書を読んで初めて知ったのは、著者はスコットランド人でありイングランド人ではないということと(日本から見るとどちらもイギリスだが、サッカー界では区別される)、チームを統率するために監督が最大権力を握ることを非常に重視しているという点である。

監督が支配力を失ったら、その瞬間にクラブはおしまいだ。選手がチームを牛耳るようになり、深刻な問題が起きる。

この辺は監督のスタイルには賛否両論あるだろうが、確かに絶対的な支配者として選手に接するか、友達のように接するかはどちらも一長一短あり、改めて監督業というのは難しいものだと感じた。

マンチェスター・ユナイテッドの躍進の大きな原動力となった92年組(つまりデイヴィッド・ベッカムやポール・スコールズ・ライアンギグスなどの世代)のなかでは、サッカーに集中しそのほかのことに気を散らさなかったライアン・ギグスやポール・スコールズを評価しているという点も興味深かった。どちらかというとベッカムは、元々は守備にも手を抜かない点が大きな長所だったのに、海外やセレブの世界に触れる中で少しずつサッカー選手として本来あるべき姿から外れていったと残念がっているのだ。

ベッカムの他にも、選手なら、ウェイン・ルーニー、ルート・ファン・ニステルローイ、クリスティアーノ・ロナウド、ロイ・キーン、リオ・ファーディナンド、監督ならジョゼ・モウリーニョ、アーセン・ベンゲルについて語っている。なかなか画面越しには見えない人間関係が見えてくるので、サッカーファンにはたまらないだろう。

人物や過去の有名な試合などがたびたび引用されるので、サッカーファンには間違いなく楽しめるが、サッカーを知らない人にはちょっと難しいかもしれない。サッカーの監督の物語はリーダーシップのすばらしい教本もなるので今後もどんどん触れていきたい。

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「韓国人のボクが「反日洗脳」から解放された理由」ウォーク

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
日本語で韓国に関することを語るYouTuberの著者が日本と韓国について語る。

僕自身日本人の父と韓国人の母の家庭で育ったために、普通の日本人より多く日韓の問題に触れてきた。そんななか著者のYouTubeチャネルで語られている、どちらかというと日本寄りの韓国人(現在は帰化申請が通って日本人。)の意見に惹かれて本書を手に取った。

若い人はそうでなくなったというが、一般的には韓国人の日本嫌いはまだ多く存在し、義務教育の中でもそのような考えを植え付ける教育が今も行われているというのが僕ら日本人が持っている印象だろう。本書によると、最近では年配の人の中にもそのような考えや教育に不満を持っている人が多いのだという。しかし、法律や世間の目があってなかなかそれを公に言えないのだという。実際著者自身も韓国人からこれまでなんども脅迫を受けたことを告白している。

面白かったのは本当に著者が日本を好きで、日本のことを普通の日本人の何倍も調べて理解しているという点である。そんななか韓国について語る点からは、日本から見ると韓国も、ドラマや音楽の影響で、同じように発展した国に見えるが、まだまだ日本に比べると遅れている点が多いということである。

著者は過去の韓国と日本の間の出来事に触れながら、日本の政府はもっと韓国に対する自分たちの正当性を世界に強く伝えるべきである。と繰り返す。確かに、日本の慎ましい外交が日本を応援したいという著者にとってはもどかしいのかもしれないし、実際に外交という側面から見ると控えめでいることは正しくないのかもしれない。

日韓の関係に対して今まで知らなかったことまで教えてくれて、日本と韓国という国に対して新たな視点をもたらしてくれた。

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「脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方」ジョン J. レイティ

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
運動がどれだけより良い人生を送るために重要か、実験などの結果を交えながら説明する。

スポーツを日常的にしている人は感覚的にスポーツが心にも良いことはわかっているだろう。本書はそんななんとなくな良さをさまざまな研究結果を交えてわかりやすく解説している。

簡単に言うと運動は健康だけでなく、成績の向上、不安やストレスの解消、うつや加齢による認知症棟にも効果があるのだと言う。きになるのはどれぐらいの運動をするのがいいのかということだが、本書によると、心拍数が最大心拍数(220から年齢を引いた数が理論上の最大心拍数)の60%から70%を保ってを30分程度運動を行うのが良いとしている。それを週に5日というのが最低ラインということである。

どちらかというと、体育の授業などのこれまでの運動の機会にのなかで、自分は運動神経が鈍いと認識して運動を習慣化しなかった人こそ読むべきなのだろう。運動が得意不得意に関係なく、運動をするということは人生を豊かにするのである。

僕自身も現在はスカッシュや競技ダンス(社交ダンスの本気版)をできている。しかし、この先怪我や機会の喪失などでそれらのスポーツが習慣的にできなくなったときに、最低限良い人生を維持するために、本書で書いてあったことを考えて再び習慣にする運動を選びたいと思った。

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「自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング」アラン・ピーズ/バーバラ・ピーズ

オススメ度 ★★★★★ 5/5
夢を叶える方法を語る。

目標は紙に書くといい。というのはよく聞く話ではあるが、なぜそれがいいかということまで本書は説明している。それは脳のRASという仕組みによって、紙に目標を書くと、その情報に敏感になるのだという。本書ではこんな自己啓発本にありがちな夢を叶える方法を、多くの実例を交えて説明している。

簡単にいうと自分の目標を小さなものから大きなのまで思いつく限り書き出し、それをAリスト、Bリスト、Cリストに分類するのである。

Aリスト…今の自分にとってもっとも大事だと思えること
Bリスト…今の自分にとって大事だが、決断前にもう少し考える時間が欲しいもの
Cリスト…挑戦してみたいがまだわからない、できたら達成したいこと

重要なのはどうすれば達成できるのかは一切考えないということと、肯定的な表現をするということである。例えば「タバコをやめる」ではなく「健康的な生活をする」というように、否定文やタバコを吸うのをやめるというような表現だと「タバコを吸う」方のイメージがついてしまうのでうまく行かないのだという。

そして、Aリスト、Bリストには期限や、細かい達成目標を記入し、そのリストを常に自分が目にする場所に置いておくのだ(携帯の待ち受け画面など)

手法だけを聞くと、ありがちな自己啓発本の一つのように聞こえるかしれないが、本書は説得力のある説明が満載である。加えて、目標達成のための考え方や人生を前向きに生きるための様々な手法も共有してくれている。そして、なんといっても著者夫婦のマインドの強さに驚かされる。

何より面白かったのは著者自身も載せるか迷ったという最後の章である。家やお金を失った著者夫婦が再び裕福な生活を手に入れるまでに行ったのが、まさに本書で説明されている方法なのである。このような人生をよくする系の本で泣きそうになったのは初めてである。早速自分の目標を書き出して、見える位置に貼っておきたい。

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「死ぬ前の5つの後悔」ブロニー・ウェア

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
多くの人の人生の最期に立ち会った経験を持つ著者が、人々が死の前に感じる後悔について語る。

5つの後悔とあるが、本書で扱っているのは5人の死だけでなく、死を目の前にした人々の様子や家族の様子も合わせて伝えており、その後悔をまとめるとだいたい5つのパターンに収まるということである。著者ははつぎの5つをよくある後悔としている。

  • 1.自分に正直な人生を生きればよかった
  • 2.働きすぎなければよかった
  • 3.思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
  • 4.友人と連絡を取り続ければよかった
  • 5.幸せをあきらめなければよかった

特にこうして並べてみると特にそれほど大きな驚きはない。ああ、こういう人いるよな、と思う部分もある一方、自分のまわりではあまりこのような後悔をしそうな人が少ないのは、時代が多くの生き方を尊重する方向に変わってきたからかもしれない。

上に挙げた5つの後悔以外にも、人生の最期を迎えた人々の様子を本書を通じて知ることで、考えさせられる部分が多くあった。印象的だったのは周囲の人に酷い言葉を投げかけられた時の考え方である。

「誰かがあなたに贈り物をし、あなたがそれを受け取らなかった場合、その贈り物は誰のものですか?」…そもそも幸せな人の口からそういう言葉は出ない。

死の床で人生を振り返って、もっと物がほしかったとか、なにかを買えばよかったと言った人を私は一人も知らない。

また、死に直面した人の様子を描くのとあわせて、いろんな悩みを抱えながら生きている著者自身の破天荒な生き方も見せてくれるのが面白い。そして、様々な自らの死や、家族の死に直面して戸惑う人々をみて思うこととしての感想ももっともだと感じた。

これは我々の社会が死を人々の目から隠しているために怒る明らかな弊害の一つだ。死に直面すると、人は様々な疑問を持つ。自分もいつかか死ぬのを認識していたら、こうなるずっと前に納得のいく答えを見つけられるだろう。

さて、このように人生の後悔の代表例を知った僕たちは、これを避ける努力をすることができる。僕自身の人生は、今は比較的うまく行っているように思えるが、時々自分を振り返って、後悔をする生き方をしていないか確認するようにしたい。

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「デザインの基本ノート 仕事で使えるセンスと技術が一冊で身につく本」尾沢早飛

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
いつものようにデザイン関連の本はすべて読むつもりでいるので、本書にはそんな流れでたどり着いた。

本書の著者は紙媒体向けのデザインを多く手掛けているらしく、印刷に関する内容が多くて改めて学びになった。また、全体的に例として挙がっているデザインが非常に綺麗で洗練されており、何か作りたくさせてくれる良い刺激になった。

印象的だったのは、あまり他のデザイン書籍では取り上げていない、視線誘導の重要性とそのテクニックについている点である。日本のデザイン業界でもただ単にフォーカスだけでなく視線誘導の重要性をもっと語るべきだと考えている身としては、本書はかなりお勧めできる。久しぶりに出会った、手元に置いておきたいと思えるデザイン書籍である。

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「伝わるデザインの授業 一生使える8つの力が身につく」武田英志

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
デザインの8つの力にフォーカスして紹介している。

僕自身すでにデザイナーを初めて20年近く経っているので、本書のようなどちらかというと初心者デザイナー向けの書籍にはそこまで多く学ぶ部分があるわけではないが、そでも0.1%でも学びがあれば自分のデザイナーとしての力を向上させることができる、そんな思いで本書も手に取った。

本書でいう8つの力とは

  • かんんたんに見せる
  • 正しく伝える
  • フォーカスを当てる
  • 情報を可視化する
  • ストーリーを作る
  • 想像させる
  • アイデンティティを作る

の8つで、ある程度経験を積んだデザイナーであれば当然のように知っていることばかりだろう。そんななか印象に残ったのは「想像させる」の章にあった象徴化のプロセスである。本書では象徴化のプロセスとして

  • 言語化・・・コンセンプトやメッセージを書き出し、訴求したいメッセージを確認する
  • 抽象化・・・訴求したいメッセージの中から中心となるものを抜き出す。
  • 象徴化・・・概念やメッセージを具体的な形を持つ別のものに置き換える
  • 具現化・・・象徴化したビジュアルのディティールや配色を整え、実際のデザインに使用できるようにする。

という4つのステップを挙げている。僕自身が普段行う方法として、言語化から抽象化に向かう流れは少し異なる方法を取っていたのだが、無駄を削ぎ落として一文にまとめる本書の抽象化というステップは今後取り入れたいと感じた。

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「グラフィックの天才たち。」ペン編集部

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
過去の代表的なグラフィックデザインを紹介している。

亀倉雄策(かめくらゆうさく)やポール・ランドなどの有名なグラフィックデザイナーとその作品を、原研哉や佐藤可士和など現代のアートディレクターたちが言葉とともに紹介していく

亀倉雄策(かめくらゆうさく)は実は名前しか知らなかったのだが彼がTDKやNTTのロゴデザインをしたというのは本書を通じて初めて知った。パソコンが世に出ていない時代にどのようにデザインをするのか、インターネットがなかった時代にどのようにアイデアを生み出すか、それだけで想像を超えている。そしてそのロゴが今も変わらずに使われているというのが驚きである。

そんななか、もっとも印象的だったのがランス・ワイマンのメキシコオリンピックのロゴである。オリンピックの五輪と開催年の68を組み合わせたデザインは見事である。

デザインに関して大いに刺激をくれる一冊である。

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「デザインぺディア」佐藤可士和

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
日本を代表するアートディレクター佐藤可士和のデザインの考え方をまとめている。

すでに10年以上前の雑誌になるが、古くてもデザインの考え方は何かしら学ぶ部分があるだろうと思い手に取った。それなりにデザインについて熟知しているつもりでも、新たな視点や驚きを得ることができた。

そんななか佐藤可士和が以前言われたという言葉が面白い。

コレ、カッコつけてて、カッコ悪いなあ

どうしてもデザインというとカッコ良いものを作る、と思っている人はまだ多いようだが、実際には目的に応じてカッコ悪さを出すことも必要なのだ。そんなことを如実に表した一言だと感じた。また、これはデザインだけでなく人間においても言えることだと日々の感覚から思った。(カッコつけている奴が一番カッコ悪い)

そのほかにも、パスタのデザイン、レコードジャケットのデザインなど独自の視点でそのデザインの面白さを語る。そしてやがてAppleのデザインのすごさに至る。本書を読むまで、iPod Shuffleの画面をなくすという決断がすごかったという視点がなかったが、確かに組織として考えた時それはAppleという会社にしかできない大きな決断だったのだろう。

後半ではロシア・アバンギャルド、ロシア構成主義、バウハウスにも触れている。バウハウスはデザイン書籍の多くで取り上げられているので特に新鮮さはなかったが、ロシア構成主義、ロシア・アバンギャルドは本書で初めて知ったし、その印象的な写真と文字の使い方は、ぜひ仕事のなかにも機会を見つけて取り入れたら面白そうだと感じた。

冒頭でも語ったが、本書はすでに10年以上前に出版されたもの。しかし、今でも十分に役立つデザイン視点が詰まっていると感じた。

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「深い河」遠藤周作

「深い河」遠藤周作
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
様々な過去を抱えた人々がインドへ向かう。そんな人々の様子を描く。

生まれ変わるという妻の最期の言葉を信じる磯部(いそべ)、また人を愛することのできない美津子(みつこ)などがそれぞれがそれぞれの目的を持ってインド旅行で一緒になる。やがて一行はインドの文化やガンジス川に対する人々の様子に心を奪われる。あるものはそれに感動し、あるものはその文化を軽蔑するのである。

それぞれの人々の視点を移り変わりながら物語は進むので、誰が絶対的に主人公ということはないが、印象に残ったのは人を愛することができず打算的に生きてきながらも、キリスト教に傾倒していく友人の津川(つがわ)が気になってしかたがない美津子(みつこ)である。美津子(みつこ)の心にやがて少しずつ変化起きるのである。

遠藤周作作品は常にそのテーマにキリスト教が絡んでくるが本書では若干少なく、遠藤周作の代表作として期待値が高かっただけに、終わり方も含めて物足りなさを感じた。

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「キミが働く理由」福島正伸

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
働くことの意味がわからずに、新卒で就職した会社をすぐに退職し、その後さまざまな事業に挑戦した著者が働くことの意味を語る。

働くこのに楽しみを見出せない人向けなのだろう。僕自身今の仕事に不満を持っているわけではないが、何かしら生き方の参考になればと思い手に取った。

著者の経験から25項目の働く上での秘訣を書いているが、もちろんすべての人に必ずしもあてはまるわけではないだろう。また、楽しく幸せに生きるための心構えはすでに多くの人が語っており、本書で言っていることもかなり重複する部分があった。そんななか印象に残った項目を挙げると次の3つである。

お父さんが、「今日も仕事が楽しかったな。明日、仕事に行けると思うと、興奮しちゃうな」と言うと、子どもさんは勉強し始めるのです。
朝起きて人を励ますと、自分が元気になります。朝会社に行ったら、まず元気のない人を探しましょう。そして、その人を励ますのです。
悩んだ時はどうしたらいいかといったら、私は人に会うことだと思います。特に自分が目指している人に会うことです。

特にものすごい印象に残ったと言うわけではないが、生き方、働き方の参考の一冊として読むのは悪くないだろう。

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「会議でスマートに見せる100の方法」サラ・クーパー

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
会議でスマートに見せる方法をイラストとともに面白おかしく紹介している。

過去たくさん会議に出たことのある人ならどれもみたことのある行動ばかりだろう。

自分がやってみたい、と思うような行動はそんなになかったが(それをやっても会議が無駄に長引くだけなので)、本書を読んで置くと、誰かがこの行動をやっているときに圧倒されないで済むのかもしれない。(「ああ、この人はスマートに見せる方法をやっているだけだな・・・」と。)

特に印象に残ったのは次の3つ。

それがなんであれ「スケールする?」と聞く
「いい質問だ」と言って質問に答えない
「それは正しい質問かな?」と逆質問する。

ただのウケ狙いにしかならないかもしれないが、機会があったら使ってみたい。

【楽天ブックス】「会議でスマートに見せる100の方法」

「やってはいけない勉強法」石井貴士

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
代々木ゼミナール全国模試1位の経験を持つ著者が、勉強法について語る。

100年時代、人間は大学を卒業した後も常に学び続けなければならない。そんな一生勉強を実践する人間の一人として、いい勉強方法があったら常に取り入れ、勉強方法を改善したいと考えているなか、本書にたどりついた。

どちらかというとやってはいけない勉強法というよりも、著者がやった勉強法とやらなかった勉強法のような印象を受けるが、1人の実績がある人間の勉強方法を紹介している本として、参考にできる部分もあるかもしれない。

同意できる部分もあれば同意できない部分もあるが、もっとも印象的だったのは

NG 書いて覚える
OK 目で見て覚える

という点だろう。僕自身記憶というのは五感をフル活用してこそ記憶に定着しやすいと考えていて、目で見ると同時に手の感覚で記憶することができる「書いて覚える」(と同時に声に出して口の感覚と聴覚で覚える)は悪くない方法だと考えていた、しかし著者がいうように確かに書いて覚えるよりも見て覚える方が時間効率が良いのはそのとおりだろう。

しかし効率を言い始めると、例えば著者は

NG 独学でがんばる
OK 先生をつける

NG 通信教育で済ませる
OK 直接、話を聞いて教わる

と書いているが、実際どんなにお金を払ったとしても先生に聞ける時間など限られており、時間効率を考えるとかならずしも同意できないと感じた。勉強方法は合う合わないがあるので、読んだ人が納得できる部分から取り入れればいいだろう。「目で見て覚える」などはぜひ試してみたいと感じた。

【楽天ブックス】「やってはいけない勉強法」

「この英語、訳せない!」越前敏弥

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
数々の著名作品を翻訳している翻訳家の著者が、訳すのが難しい英語を解説する。

著者越前敏弥さんの本は本書で3冊目になるが、毎回意味をつかむのが難しい文章を紹介してくれて勉強になる。本書でも日本人には難しかったり、間違えがちな様々な英語表現を紹介している。teenagerは十代ではないなど、知っていることも多々あったが、改めて学んだこともたくさんあった。例えば次の表現。

The room was badly heated.

その部屋は暑すぎるのか寒すぎるのか、なんとネイティブに質問しても意見が分かれるのだという。確かにbadlyの意味の撮り方でどちらにも取れる。このように実際日常的に使われていながら、実際には人によって意味のとり方が異なる単語は日本語にも多くあるような気がしてきた。本書でも紹介されている「カーキ色」などはその代表例だろう。文脈上重要じゃないから誰も意味が正しく取れているかどうかを確認しないのである。

また、Hopefullyの使い方については、僕がときどき英会話で使っている方法は誤用ということを初めて知った。今後は気をつけたい。

いつものように翻訳の難しさと、言語の奥深さを改めて教えてもらった。

【楽天ブックス】「この英語、訳せない!」

「絵でわかる英文法」波瀬篤雄

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
日本人には捉えづらい英単語のイメージを絵でわかりやすく伝えている。

英単語のほとんどは日本語の単語と1対1で対応されるものではない。例えばonなどは「〜の上に」と訳されることが多いが、その理解だけだとどうしてもうまく訳せない時がある。そんな日本語に置き換えることができない英単語をイメージで説明している斬新な内容である。

僕自身すでに大学を卒業してからだけでも15年以上は英語を勉強している身だったが、それでも新鮮な考え方にいくつか出会えた。面白かったのはスイッチをつける意味のturn onという表現。onの流れでの説明だったが、なぜturn onというのかがスイッチの構造をイメージするとすっきりした。

また、日本人が混乱しがちなcomeとgoの使い分けの考え方も新鮮だった。

comeは手に負える
goは手に負えない

としていて、例として挙がっている

  • Where has my eraser gone?
  • Winter has gone.
  • come true
  • come off
  • go hungry
  • go mad

などをみると納得できる。

いままで特に疑問に思わずにただ暗記していたことに気付かされる部分もあった。イメージとして持っておくとより自然に英語の意味を捉えられるようになるかもしれない。どちらかというと手元に置いておいてなんども読み返すべき本なのだろうと思った。

【楽天ブックス】「絵でわかる英文法」

「反応しない練習」草薙龍瞬

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
すべての悩みを根本的に解決する方法を、「ムダな反応しないこと」としてその考え方を説明する。

幸せに生きるための考え方を書いた本は昨今溢れており、本書もそんななかの一つである。基本的に書かれていることでそれほど新鮮な内容はなかった。とはいえ本書が役に立たないとか読む価値がないとかそういうことではなく、このような物事の考え方は、ただ単に知識として持っているだけで満足するのではなく、繰り返し触れてその精度を上げていくべきなのだろう。

個人的にもっとも印象的だったのは

相手はいつでも「初めて会った人」

という考え方である。人を過去の何度かの振る舞いでこの人はこういう人と判断するのではなく、その人自身も成長している変化しているかもしれない。だからこそ、過去に会ったことある人でも曇りのない目で見るべきだということである。もちろん言うほど簡単ではないが、今後意識していきたいと思った。

上にも書いたことだが、内容としてはよくある種類の生き方の考え方である、「嫌われる勇気」などが有名だろう。しかしこのような考え方は定期的に接して、自らを省みることが重要だと考えると、本書は一定の役割は果たしていると言えるだろう。

【楽天ブックス】「反応しない練習」

「読みたいことを書けばいい」田中泰延

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
電通を退職しフリーのライターになった著者が文章の書き方について説明する。

序盤はまず文書と文章の違いや、随筆についての説明から入り、好きなことを書くことの重要さをと主張している。確かに、必死で人に読まれる文章を描こうとしても苦しいだけだし、なんといっても書いていて楽しくない。なんといっても、実際著者は電通を退職後ひたすら好きなことを書いて仕事を得ているというから面白い。そんななか、なんといっても印象的だったのが次の言葉。

だれかがもう書いているなら読み手でいよう

確かに、世の中にはツイッターやブログなど書いて発信することのハードルが低くなったからか、どこかで聞いたようなことばかり書いている人はよく目にする。

つまらない人間とは「自分の内面を語る人」

感想を書くことを否定しているわけではないが、ライターの感想など1%程度でいいと、切り捨てている。なによりも事実が重要であるとして、何かを書くにあたって、それをひたすら調べることの重要さと、インターネットだけでなく図書館を使い倒して調べる方法を後半では語っている。地元の図書館を利用することはあっても、調べ物で利用したことはなく、ましてや国会図書館など入ったこともないので、機会を見つけてそのような利用の仕方もしてみたいと思った。

世の中の文章本と大きく異なっていて、著者の書き方自体も斬新な書き方が多く非常に面白い。読み物としても楽しませてもらった。

【楽天ブックス】「読みたいことを書けばいい」

「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考」末永 幸歩

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
アートの楽しみ方を中学生にもわかるように説明している。

絵画はカメラという技術が登場したことによって大きくその存在価値が変化していった。本書ではカメラ登場以降の芸術家たちの試行錯誤する様子を、マティス、カンディンスキー、ポロック、デュシャンなどを題材に説明し、それぞれの作品が美術にもたらした大きな考え方の変化を説明している。

僕自身過去それなりに美術にも触れてきたつもりでいたし多くの書籍を読んでもきたので、登場した画家やその作品は本書を読む前から知ってはいたが、本書では解説されているような美術史における意味を知らなかった。もちろん、本書の解説は数ある一つの解釈でしかないが、自分自身でアートの背景を想像して楽しんでいるだけではなく、人の意見や解釈を聞いてそれをもとにさらに考え方を発展させるというのは非常におもしろいことだと感じた。

また、美術を見るとき、どうしても僕らは自分たちが生きている現代の常識にとらわれてしまうが、その作品が作られた時代背景をしっかり理解することが重要なんだと改めて感じた。

今後美術作品に触れる際は、もっと他の人の意見を聞いて見るということもしてみたいと思うとともに、機会があればそういう場にも参加してみたいと思った。自分の感覚でしかないが、海外に比べると日本は一般の人が美術に触れる機会は少ないように思う。本書はそんな日本の一般の人が感じる、美術への近づきがたさを多少なりとも緩和できるのではないだろうか。

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「「山奥ニート」やってます。」石井あらた

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
和歌山の山奥で15人のニートが集まって共同生活をしているという。特にそれぞれ何をするわけでもなく1万8,000円の生活費で自由に暮らしている。そんな山奥ニートの創業時メンバーの著者がその暮らしぶりを語る。

序盤は現在の山奥ニートの生活の様子、中盤では、現在の状態に到るまでの過程と、そして最後に現在の山奥ニートそれぞれへのインタビューと今後の展望を語っている。印象的だっったのは、山奥ニートという共同生活が出来上がるにあたってのきっかけとなった「共生舎」というNPOとその代表である山本さんという存在である。彼らは、過疎集落の古民家にニートやひきこもりを集めるという計画をしたいたのである。

残念ながら山本さんは著者と知り合ってすぐに亡くなってしまったが、社会をよくしようと損得も関係なく活動している人がいることが知れていい刺激になった。

また、最後の限界集落について語った考え方も印象的だった。「便利な場所」というのは時代によって変わるんだという。今は駅や国道に近い場所が便利な場所とされているが、100年も遡れば、たくさんの作物が獲れる場所が便利だったのだろう。そうやって考えると、コロナ禍でリモートワークが常識となり、通勤が必要と亡くなったら、どこが便利になるのだろう。

いろいろ幸せな生き方というものについて考えさせてくれる一冊。

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「大地の子」山崎豊子

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ソ連国境近くの日本人開拓村で8歳だった勝男(かつお)は日本の敗戦とともに両親を失い、やがて中国の家庭にもらわれ、陸一心(ルーイーシン)として生きていくこととなる。そんな中国と日本という2つの国の間で生きた男の人生を描く。

序盤は、勝男(かつお)が陸一心(ルーイーシン)として中国の家庭に受け入れるまでを描く。しかし、日本人の血を引いているという事実と、文化大革命という歴史的な動きによって、さまざまな障害となって陸一心(ルーイーシン)の未来を阻む、陸一心(ルーイーシン)はスパイの容疑で15年の実刑を宣告されるのである。

中盤からは、陸一心(ルーイーシン)は、育ての親や友人の努力の末に名誉を回復し、日本語を話せるという能力ゆえに、中国の国家をあげての一大プロジェクトである製鉄所建設で重要な役割を担うのである。日本と中国は文化の違いに戸惑いながらも少しずつ製鉄所建設を進めていくのである。

文化大革命という大きな歴史的出来事ではあるが、あまり日本では触れられることが少なく、僕自身も「ワイルド・スワン」という物語で軽く知っている程度であった。本書の序盤はそんな文化大革命の様子を詳細に伝えてくれる。そして、その後の日中合同プロジェクトである製鉄所建設の様子からは、文化大革命という出来事が、中国人の考え方に大きく影響を及ぼしていることがわかる。

2つの国の間で翻弄された人間の様子を描くとなかで、日本と中国の戦後の様子を描き、また日本人と中国人の考え方の違いなども描写している。全体的に、この物語を描くために、多くのことを取材して著者の情熱が伝わってくる。

【楽天ブックス】「大地の子(一)」「大地の子(二)」「大地の子(三)」「大地の子(四)」