オススメ度 ★★★★☆ 4/5
元世界銀行副総裁である著者が貧困と戦った日々を語る。
僕らは貧困という言葉を聞いたときどのようなイメージを持つだろうか。もちろん貧困がなくなるといいと思うし、ただお金を分け与えるだけではそれは解決しない事も分かっているし、世界から貧困を無くすためには多くの超えなければならない生涯があることも知っているだろう。しかし、僕らが知っているのはそれだけである。多くの人が貧困がなくなればいいとは思いながらも自分の人生に大きな影響を与えるほどの行動はできない。または行動力のある人でも実際に現地に行って数年の支援活動に参加する程度なのであろう。
本書の西水美恵子はそのどちらでもない、その立場多くの国の政策に影響を与える権力者達と貧困解決の方法を探り、時には彼らの態度を叱咤し、大きなレベルで貧困を解決しようとする世界を走り回る一方で、常に現地の人たちと交流しその実情を知ろう努力するのである。
そんな彼女が常に立ち返る思い出がある。
本書のなかに登場する多くの権力者たちは、西水美恵子の視点によって、また報道などで見聞きするのとは違った印象を与えてくれる。真実には多方面の視点から物事を見つめる事によってのみ近づく事ができる、ということは改めて感じる。
世界をよくするために何ができるか。本書では、そんな理想を、理想として終わらせない生き方が見えてくる。きっと何か行動を起こしたくなるだろう。
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