「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考」末永 幸歩

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
アートの楽しみ方を中学生にもわかるように説明している。

絵画はカメラという技術が登場したことによって大きくその存在価値が変化していった。本書ではカメラ登場以降の芸術家たちの試行錯誤する様子を、マティス、カンディンスキー、ポロック、デュシャンなどを題材に説明し、それぞれの作品が美術にもたらした大きな考え方の変化を説明している。

僕自身過去それなりに美術にも触れてきたつもりでいたし多くの書籍を読んでもきたので、登場した画家やその作品は本書を読む前から知ってはいたが、本書では解説されているような美術史における意味を知らなかった。もちろん、本書の解説は数ある一つの解釈でしかないが、自分自身でアートの背景を想像して楽しんでいるだけではなく、人の意見や解釈を聞いてそれをもとにさらに考え方を発展させるというのは非常におもしろいことだと感じた。

また、美術を見るとき、どうしても僕らは自分たちが生きている現代の常識にとらわれてしまうが、その作品が作られた時代背景をしっかり理解することが重要なんだと改めて感じた。

今後美術作品に触れる際は、もっと他の人の意見を聞いて見るということもしてみたいと思うとともに、機会があればそういう場にも参加してみたいと思った。自分の感覚でしかないが、海外に比べると日本は一般の人が美術に触れる機会は少ないように思う。本書はそんな日本の一般の人が感じる、美術への近づきがたさを多少なりとも緩和できるのではないだろうか。

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