「深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン」沢木耕太郎

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
イタリアについた著者はローマ、フィレンツェ、マカオ、マドリート、リスボンを経てロンドンへ向かう。
旅が終わりに近づいていくことで、著者が感じる淋しさがにじみ出てくる。全体としてヨーロッパは先進国であるためアジアや中東の国々に比べて文化や人々の振る舞いのなかに特に大きな目新しさはないのだろう。描かれるないようも、旅全体に対しての著者の感想の方が多いように思う。

外国ってわからない。ほんとにわかっているのは、わからないということだけかもしれないな。

そしてやがて最終目的地であるロンドン中央郵便局に向かうのである。
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「深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海」沢木耕太郎

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
トルコで著者は友人から託されたこの旅唯一の目的を果たすこととなる。
旅の最終目的地が近づいてきたことによる著者の喪失感がにじみ出てくるところが興味深い。

旅は人生に似ている。どちらも何かを失うことなしに前に進むことはできない・・・・・・。

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「深夜特急(4) シルクロード」沢木耕太郎

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
インドを後にした著者は、パキスタン、アフガニスタンを経由してイランへ向かう。
毎回のごとくそれぞれの国の個性が面白い。特にパキスタンの長距離バスの運転手のその運転の様子が著者の興味をひいたようだ。旅が進むにしたがって、著者の視点が文化やその土地の人よりも、旅や自分と同じ旅人に向かっている気がする。

1日早く帰ったからといってそれが何になるだろう。むしろ、早ければ早いほど、青春そのものといった日々から足早に遠ざかってしまいそうな気がする。それらの日々は必ずしも自由で甘美なばかりではなく、多くは過酷ですらあったろうが、いざ失う日が近づいてくるとなると、たまらなく貴重なものに思えてくる。

4冊目を読み終わって思うのは、あまり沢木耕太郎という著者は観察力にすぐれた人間ではないということ。もちろん、「自ら経験しないとわからない」として、あえて細かい部分を書かないようにしているということも考えられるし、日本に帰ってきてから記憶をたよりに書いたため本当に印象に残ったことしか欠けなかったのかもしれないが、これだけの国を旅したらもっとたくさん書くことがあるのではないかと感じてしまう。
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「深夜特急(3) インド・ネパール」沢木耕太郎

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
マカオ、香港、マレーシアを経てついにインドに到達した著者。インドの生活に触れる。
前の2冊はどちらかというとややおおざっぱなアジアという感じがして、日本でも歌舞伎町や新大久保あたりで味わう事ができそうで、あまり興味がわかなかったが、本書のインドの様子は、どこか日本では決して経験できない雰囲気があって楽しんで読む事ができた。
インドにいくと人生観が変わる、とよく言われるが、本書はそんな様子の一部を見せてくれる。しかし、印象的だったのはむしろ、ここまで長く旅をしてきた著者が、旅というものに対して、どこか達観した見方をするようになった点である。

彼はただ通過するだけの人です。今日この国にいても明日にはもう隣の国に入ってしまうのです。どの国にも、人々にも、まったく責任を負わないで日を送ることができてしまいます。

また、隣国のネパールの様子も描いている。若いうちにこの2つの国に行ってみたいと思った。
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「深夜特急(2) マレー半島・シンガポール」沢木耕太郎

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
著者はマレー半島を南下し、シンガポールへ向かう。
マカオに別れを告げて、著者はシンガポールへと向かう。第1弾のマカオの物語でもそうだが、著者がそこらじゅうで娼婦に声をかけられたり買春を勧められる点は、著者のような旅に憧れる人間として辟易させられる。
本書では著者が旅に出たきっかけについて触れられていて、それが本書でもっとも印象的である。むしろ旅の描写はあまりマカオや香港と変わらず、特に目新しく感じる部分はなかった。次のインドの章に期待したい。
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「深夜特急(1) 香港・マカオ」沢木耕太郎

デリーからロンドンまで乗り合いバスで行く、そう思い立った沢木耕太郎の旅を描く。
本書で中心と鳴るのは香港とマカオである。著者が少しずつその土地に慣れていく過程が面白い。後半の大部分はマカオのギャンブルの様子を描いている。特にギャンブルを面白いと思っていなかった著者が、少しずつギャンブルの面白さに魅了されていく。ギャンブルにもただお金をかけるだけでなく、店側の思惑やディーラーの技量、他のギャンブラーの様子など、いろいろな楽しみ方があることを教えてくれる。
まだ旅は始まったばかりである。
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