オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
明治以来四つの対外戦争を戦った日本を、当時の大国の思惑や人々の考えを説明しながら授業を行った内容をまとめている。
日本の歴史というと、第二次大戦前は悪、戦争の後の戦後復興は善という風に受け取られている。語られている。しかし、実際にはそのように簡単に分けられるものではなく、戦争に突き進んでいった当時もいろんな考えの人がいたのだろう。そんな、歴史の授業では数ページで終わってしまう出来事に対して、もう少し深く理解したいと思って本書にたどりついた。
本書は日清戦争以後の、日本の国内の様子、重要人物たちの考えや駆け引き、そしてイギリスやアメリカ、ロシア、中国などの当時の思惑などを詳細に説明している。
正直、第二次世界大戦以前の歴史については、曖昧にしか覚えていなかったのだが、本書で改めてその前後関係を感じることができた。そして、後半は第二次世界大戦についてである。もっとも印象的だったのは、日本の奇襲攻撃を予想できたにも関わらずなぜアメリカは真珠湾に軍艦を停泊させていたのか、というところ。である。
歴史の理解が深まったというよりも、歴史家というのは、残された資料からここまで詳細に過去に起こったことを明らかにするということに驚かされた。歴史家という生き方もなかなか悪くないかもしれない。
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