「貴賓室の怪人『飛鳥』編」内田康夫

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
浅見光彦(あさみみつひこ)は仕事の依頼により、豪華客船「飛鳥」へ乗船することとなる。そんな船内という密室で殺人事件が起きる。
学生時代に読み漁った内田康夫の浅見光彦(あさみみつひこ)シリーズ。所轄の刑事が浅見を容疑者として詰問し、浅見の兄が刑事局長であることを知ったとたんに態度を豹変させるシーンがお約束のパターンでありながらも、毎回読んでいて非常に爽快であり、時々思い出したようにそのシーンに触れたくなることがあるのだ。
そんな気持ちで今回も本作品を手に取ったものの、今回は舞台が豪華客船「飛鳥」という、シリーズの中では特異な設定のため、期待していた場面は最後まで見られなかった。
さらに、どうやら読後にあとがきを読んだ限りでは、本作品は「貴婦人の怪人」という全部で2部もしくは3部のうちの一つと位置づけられているようで、本作品ですべての謎が解けたとは言えず、少々後味の残る終わり方になっていた。これが2部作(もしくは3部作)読み終えた段階で、心地良い満足感に変わるかどうかは現時点では判断できない。
本作品を読んでの最大の驚きは、あと2年で浅見(あさみ)の年齢に追いついてしまうということだろうか。


開聞岳(かいもんだけ)
鹿児島県の薩摩半島の南端に位置する標高924mの火山で、日本百名山の一つ。山麓の北東半分は陸地に、南西半分は海に面しており、見事な円錐形の山容から別名薩摩富士とも言う。(Wikipedia「開聞岳」
水先案内人
水先人は、安全で効率的に船を導くのが仕事。依頼の船の乗船して、航行計画や港の特徴や状況を船長に説明し、目的の岸壁に接岸させる。
参考サイト
郵船クルーズ株式会社

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「記憶の中の殺人」内田康夫

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
大学時代に読み漁った内田康夫の浅見光彦シリーズ。その中でも特に印象に残っていたこの作品を読みなおしてみた。
物語の中で「軽井沢のセンセ」として登場する少し意地悪な小説家、内田康夫の墓前に備えられていた不審な花が発端となり、浅見光彦は今回も事件に深く関わってくこととなる。
そして今回の事件は光彦の少年時代の軽井沢の出来事であり、記憶の欠落した部分に大きく関わることになり、徐々に明らかになるその記憶によって自分自身も事件の大きなカギを握ることを知ることとなる。
光彦は犯罪者が自分の犯罪が露見した先にとる行動について懸念するその言動は。犯罪者の家族には優しく、そして犯罪者自身には厳しい。

なんとかして罪を逃れようと醜くもがく、恥も美意識もありはしない。家族や身内の末端いいたるまで犯罪者の汚名に汚され、没落の憂き目を見るかもしれないのになぜその悲劇から逃れる唯一のチャンスを掴まないのか

内容をある程度覚えていたせいか、残念ながら最初にこの本を読んだ時のような強烈なインパクトは感じなかった。それでもひさしぶりに触れた、光彦の洞察力と優しさには大いに刺激を受けた。
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