オススメ度 ★★★★☆ 4/5
過去長い間、数学や物理などの左脳が得意とする技術が高く評価されてきた。しかしこれからは右脳の時代に向かっているという。そんな時代で生き抜くための方法やそのための能力を高める方法を著者が語る。
著者ダニエル・ピンクが言うには数学や物理や会計などの分野はコンピュータができるようになるか、またはインターネットの高速化も手伝って、インドや中国などの人件費が安い地域にアウトソースされ、先進国ではそれ以外の新たな能力が必要とされるという。今までのような左脳の能力に頼った生き方を抜け出さないと、新たな時代に適応できないというのである。
著者の言う、右脳が必要とされる能力とは、例えば、事実を印象的に伝える方法だったり、別分野の事柄を結びつけて新たなものを考え出す能力だったり、デザインだったりである。デザインに重みを置いている学校は成績が良いし、会社は業績がいい、などそれぞれその必要性を裏付ける物語とあわせて説明してくれるから興味深い。
新たな時代を生きるための「6つの慣性」を次のように表している。
特に最後の「モノ」よりも「生きがい」という点に関しては、自分自身だけでなく社会全体が物質主義の先へ移行していることを僕自身も感じていたので、印象的であった。それぞれにその能力を鍛える方法として誰にでもできそうな方法が紹介されている。またそれぞれの知識を深めるための良書にも触れられている点がありがたい。世界の見方が変わる一冊と言えるだろう。
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