オススメ度 ★★★★☆ 4/5
世界一幸福な国と言われるデンマークの子育てを、アメリカの子育てと比較しながら説明する。
デンマークの子育ての鍵となる行動をPARENTの頭文字を使って6つ紹介している。
- Play
- Authenticity
- Reframing
- Empathy
- No Ultimatum
- Togetherness and Hygge
アメリカでは個人主義を尊重するあまり、近年自分勝手な人間が増えているようだが、本書では共感量を高めるために「私」よりも「私たち」の利益を考えるように教えることを勧めている。
When You Substitute "We" for "I", Even "Illness" Becomes "Wellness"
本書ではデンマークの子育てと比較しながら、アメリカの親の振る舞いや子育てを嘆いている点が多いが、現在の日本の子育てはそこまで卑下するほどデンマークの子育ての考え方と変わらない印象を受けた。しかし、日本はアメリカに20年ほど遅れて追随しているので、今のまま個人を尊重しすぎることで思いやりの欠けた自己中心的な人をたくさん生み出さないかと懸念してしまった。
世の中の母親たちについたえたいと思ったのは次の言葉である。
You lose control, and yet we expect out children not to.
自分は子供にブチ切れるくせに、子供には自制心を求めている。
本書のなかで意識的に取り入れたいと思ったのはReframingとTogetherness and Hyggeである。Reframingとは、物事の悪い面ばかりにとらわれるのではなく、良い面を見つめるための考え方である。ポジティブな考え方は両親の言動からも伝わるだろうが、その考え方を言葉にして伝えることでより確実に、次の世代に受け継がれるのだと感じた。
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翻訳を与える日本語タイトルだが、本書は子供を誉めることを否定していない。過剰に誉めることがよくないと書いているだけである。
英語慣用句 look high and low 注意欠陥障害 attention deficit disorder 注意欠陥障害 at one's wit's end 途方に暮れて、困り果てて corporal punishment 体罰 pit people one another 人々を競わせる health boundary 健全な境界線