「Sworn to Silence」Linda Castillo

オススメ度 ★★★★☆ 3/5

オハイオ州で質素な生活を営むアーミッシュの村で虐殺された少女の死体が発見された。アーミッシュの村で育ったKateは誰にも言えない過去を隠しながらも、捜査を指揮することとなる。

本書の魅力はなんといってもアーミッシュという民族を、ミステリーに絡めているところだろう。映画などで登場することもあり、観光にもなっているぐらい有名なアーミッシュという民族であるが、実際にはまだまだ誤解されている部分も多いらしく、本書はそんなアーミッシュの生活を理解する上でも大いに役立つのではないだろうか

物語は、胸にローマ数字を描いた死体の発見から始まる。10年以上前にもその村では同じように胸にローマ数字を描いた惨殺事件が続いており、Kateは自分と兄と父の3人で10代のときにその犯人を殺したために、その惨殺事件が終わったと信じていた。同じ手法の事件がこうして十数年の時を経て再び発生したために、Kateは実際には自分が犯人と思った人間は生き延びていたのではないかと信じ、過去に再び向き合うこととなるのである。

多少のひねりとアーミッシュの村が舞台、という以外は、すでにあふれている刑事ミステリーの一つと言える。残念ながら大きな驚きはないだろう。