「The Testaments」Margaret Atwood

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
2019年ブッカー賞受賞作品。

Gileadという国を題材として、そこに関わる女性3人を主に描いている。Gileadでは女性は子供を産む存在として、一部をのぞいて女性たちは読み書きをす学ぶこともできず、家事に関する教育を受けた後、若くして選ばれだ男性との結婚をして子供を産むこととなる。LydiaはGileadの中の女性でトップに君臨する女性で、Gileadの男性の権力者との間で駆け引きをしながら自らの地位を盤石にしていく。また、AgnesはGileadのなかで育つ少女で自分の出自に疑問を持ちながらも優しい母の元に育つが、母が病死したことから少しずつ周囲の出来事に疑問を持つようになる。DaisyはGileadの外で生きる少女で、Gileadの悪い噂を見聞きしながら成長していくが、やがて両親の死をきっかけに大きく人生が動き出す。

1人の女性と2人の少女を中心に描いており、あまりにもリアルに描いているので、Gileadという街が実際に存在していたのではないかと調べてしまったが架空の国の物語である。

本書単独で読んでも十分に面白いが、実際にはこの作品は著者によって20年前に書かれた「The Handmaid’s Tale」の続編ということだそうで、そちらもぜひ読みたいと思った。順を追って読んだ方がさらにいろいろ見えてくることだろう。