オススメ度 ★★★★☆ 4/5
アジャイルにおける開発の速度は、ユーザーストーリーをどのように作り出すかによって大きく変わってくる。本書はそんなユーザーストーリーを効果的に作り出す50の方法を解説している。
それぞれの手法に対して「採用することによる主なメリット」と「どのように採用するか」を箇条書きにわかりやすくまとめていて非常に読みやすい。それぞれの手法は、組織の大きさや形態によって、適応できそうなものや難しそうなものもあるが、開発を効果的かつ効率的に発展させるための重要な考え方で溢れており、プロダクトオーナーやスクラムマスターだけでなく、開発にかかわる全ての人に役立つだろう。
個人的に印象的だったのがユーザーの行動を変えるフェーズとして頭文字をとったCREATEである。
Cue
Reaction
Evaluation
Ability
Timing
Reaction
Evaluation
Ability
Timing
僕らがユーザーの行動を変えようとした時、上記のどの行動に変化をもたらそうとしてのかを明確にすると、より具体的な施策へとつながるだろう。
また、Storyの優先順位を決める上で指標となる考え方で、書籍「Stand Back And Deliver」のなかでNiel Nickolaisenが語っている考え方である。その考え方で重要なのは目の前のStoryに対して次の2つの問いかけをすることである。
それはミッションにとって不可欠か
(ビジネスはそれなしに進められるか?)
それはマーケットで差別化するものか
(ユーザーに大きな利益をもたらすか?)
(ビジネスはそれなしに進められるか?)
それはマーケットで差別化するものか
(ユーザーに大きな利益をもたらすか?)
そのあとの決断の仕方等は詳しくはぜひ本書を読んでいただきたい。
なかなか一度読んだだけで、実際の開発に適用することは難しいだろう。繰り返し読んで実践することで組織に浸透していく内容だと感じた。