オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
2010年このミステリーがすごい!第1位。
1970年代から30年近くにわたり、メキシコ、アメリカ国境付近で広がるアメリカへの麻薬を密輸する組織と、それを摘発しようと奮闘するアメリカ人Artを描く。
なんといっても注目すべきはこの物語が実話をベースに描かれているということだろう。もちろん組織の名前などは架空のものが付けられているが、事実に詳しい人間が読めば、物語のなかの誰が実在した誰を描いているのかすぐにわかるのではないだろうか。。
メキシコの地名やアルファベットの頭文字だけで表現される多くの組織名など、お世辞にも読みやすいとは言いがたいが、メキシコとアメリカの国境付近の歪んだ空気が伝わってくる。
裏切りと制裁の組織のなかで地位を固めていくAdanとRaul。そしてニューヨークから成り上がったCallan。友人を拷問のすえ殺されたことで麻薬組織撲滅を使命としていきるArt。コールガールとして成功したがゆえに組織と深くかかわることになったNora。それぞれの視点からその犯罪を見つめて言うr。
平和な日本に生きている僕らには想像もできないような現実がそこにあることに驚くだろう。アメリカ、メキシコ国境で、なぜ何年もの間お金は北から南に流れ、麻薬は南から北へ流れるのか、その理由がわかるだろう。