オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
カテゴリー: 和書
「取引」真保裕一
「呼人」野沢尚
「深紅」野沢尚
「シェエラザード」浅田次郎
オススメ度 ★★★★☆ 4/5
第二次世界対戦末期、国際赤十字の依頼により、アジアの日本軍占領区域で抑留されている16万5千人もの連合国軍の捕虜や市民のために救援物資を届けるという特殊な任務を与えられた大型客船、弥勒丸。協定によって絶対攻撃されないことが約束された船だったにもかかわらず、至近距離から4発の魚雷を受けて沈没した。
台湾沖に今も沈んだままの弥勒丸を引き上げるという依頼が主人公のもとへやってくることから物語は始まる。一体何故「絶対安全」を保証されていた船が沈没しなけらばならなかったのか、攻撃は故意だったのか誤爆だったのか。少しづつ解きあかされて行く謎の過程で、今まで知らなかった「弥勒丸」というもう一人の戦争の犠牲者を意識させられる。弥勒丸も戦争に巻き込まれ命を失った一人なのだ。
また、この物語のモデルになった阿波丸という大形客船の事件についてもこの本を読んで初めて知った。弥勒丸と同じ任務をもった船でありながらアメリカの潜水艦の誤爆によって沈没し2040人の犠牲者を出した。もう事件から60年近くが経過しているが、人々の記憶から消してはいけない事件なのだ。
ちなみに、横浜の山下公園に繋留されている氷川丸。あの船も実は阿波丸と同じ時代を生きた船である。今度横浜に訪れる機会にもういちど氷川丸を見に行こう。今度はその場所で僕の目から涙がこぼれそうな気がする。
【参考サイト】
阿波丸事件
「破線のマリス」野沢尚
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第43回江戸川乱歩賞受賞作品。
テレビというメディアには力がある。ほんの数十秒の映像で世の中を味方にも敵にもできるのだ。「破線のマリス」の中では、編集によって真実とは別の意図を持った映像が電波に乗って流れて行くシーンがある。実際、現代でも世間の思いをある方向に導こうとする、おおげさな表現や映像は使われていると聞く、そんな中この作品の中で作者が必死になって伝えようとしているのは、今見ている映像が真実かどうか、それを疑い、それを判断する力をつけろということだ。幸いなことに僕らはインターネットという道具を手にしている。真実を探すことができるではないか。
【Amazon.co.jp】「破線のマリス」
「神の火」高村薫
「黄金を抱いて翔べ」高村薫
「OUT」桐野夏生
「リヴィエラを撃て」高村薫
「涙」乃南アサ
「マークスの山」高村薫
「暗鬼」乃南アサ
「奇跡の人」真保裕一
「ネバーランド」恩田陸
オススメ度 ★★★★☆ 4/5
【Amazon.co.jp】「ネバーランド」