オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
初版は1977年で、2004年に竹野内豊主演でドラマ化された作品である。
20代と見られる黒人男性が東京ロイヤルホテルの最上階へ向かうエレベーターの中で死亡した。棟居(むねすえ)刑事は犯行現場に残されていた麦わら帽子と、タクシーの運転手が聞いた「ストウハ」という黒人の言葉のわずかな手がかりをもとに真実に迫る。
事件の操作は遠く黒人の生活していたニューヨークにまで広がる。ニューヨークのスラムでてがかりをさがすケン・シュフタンが日本とニューヨークを比較して日本人について考えるコメントが印象に残る。
そしてアメリカ人についてのコメントに、アメリカの恐さが潜む。
この物語が書かれた1977年には日本とアメリカにはここまでの考えの違いがあったのかもしれないが、28年後の今、日本の考え方もまたアメリカのそれに確実に追っているように思うのは僕だけだろうか。
そして多くの推理小説と同様にこの物語も最後に一気に解決へと動くことになる。そして、その解決はタイトルでもある「人間の証明」へ繋がるのである。
全体的に、読者を引き込む力に乏しいように感じるが、それは事件の解決のために、捜査が地道に行われていることを表現した結果なのかもしれない。確かに一昔前に流行った刑事ドラマのようになんでも拳銃の打ち合いからスピード解決してしまっても現実感が薄い印象を受けるのだろう。それでも登場人物の人間関係に若干の強引さは感じてしまう。
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