オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
賢治(けんじ)は従姉妹直子(なおこ)の結婚式のために帰省し、そこで久しぶりに直子(なおこ)と再会する。結婚式までの二人の様子を描く。
賢治は41歳、直子は36歳というアラフォーのひとときの関係を描く。
賢治(けんじ)は離婚経験があり、直子は独り身でこれまでフリーターとして生活してきた。そんな人生に心から満足されてない二人の、結婚式当日までの期限つきの関係からは、人生の矛盾や教訓が見えてくる。直子(なおこ)と賢治(けんじ)それぞれが別れ際に語るコメントが印象的である。
生きてるだけで楽しいって思える人と、成功しなきゃ楽しくない人がいたら、生きてるだけで楽しいって思える人の方が何倍も得だ
いまやりたいことをやっていると、人間は未来を失い、過去に何も残せない。明日のために必死の思いで今日を犠牲にしたとき、初めて立派な昨日が生まれる。 俺たちの住むこの社会において最大にして最善と見做されているルールはこれだ。
白石一文の物語は、「私という運命について」「一億円のさようなら」など、深みを感じさせる作品が多いので、今回も久しぶりにそんな世界に浸りたいと思って本作品を手に取ったが、残念ながらそこまで印象的なものではなかった。