「プレッシャーを味方にする心の持ち方」清水宏保

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
スピードスケートの金メダリスト清水宏保が自身の経験を基にプレッシャーとの付き合い方を語る。
スピードスケートの世界では、清水宏保の身長は非常に小さく、彼はスケードで成功するのは無理と言われ続けてきた。そんな彼が最終的に金メダルを獲得するまでにはどんな過程を踏んだのだろう。序盤はその生い立ちや家族構成、スケートを始めるきっかけなどについて描かれている。スピードスケートのような、4年に1回しか注目を浴びないスポーツにすべてをかける人生というのはなかなか見聞きする機会がないので、彼の生活は非常に面白い。

私に誇れるものがあるとすれば、たぶんそれは自分自身を「客観的」に捉える力があったことです。試合前で興奮している自分に、離れたところから見つめている”もう一人の自分”が冷静な指示を出してくる。

そして中盤以降は彼の競技生活のなかで出会ったいくつかのエピソードとともに彼のプレッシャーに対する対処の方法が書かれている。そのいくつかは日常生活のなかの緊張するような場面でも役立つかもしれない。
個人的に刺激になったのが、清水は現在とある大学院で医療経営学を学んでいるというくだり。僕より年上の彼が学校で勉強してまた新たな人生を始めようとしている事実はなにか心に語りかけるものがある。もちろんその先もきっと平坦な道ではないだろうが、困難に挑戦しつづけてきたが故に持っている考え方があるように感じる。
全体的には、そんなに無理に「ビジネスに活かせます」という方向に持っていかなくてもよかったのではないかな、ということ。もっと単純に清水の考え方や生き方に触れてみたいと思った。
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