「ちょっとピアノ 本気でピアノ 〜ブログでおなじみ、川上昌裕のレベルアップピアノ術〜」川上昌裕

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ピアノとの付き合い方をさまざまな視点から語る。

僕の場合は必ずしもピアノではなく電子ピアノやキーボードなのだが、ただただ音符を追って好きな曲を弾いているだけだと、いつまで経っても深みを感じられないと思い、新たな視点を得たく本書に辿り着いた。

本書は著者がブログに書いている内容をカテゴリごとにまとめて書籍化したものである。そのため体系的に順番に書かれているわけではなく、その場で思いついたことを羅列している感じではあるが、僕のように特定の目的もなくピアノの上達に関しての刺激や気づきを探している人間にとってはぴったりである。

「ちょっとピアノ 本気でピアノ 〜ブログでおなじみ、川上昌裕のレベルアップピアノ術〜」川上昌裕

結果的にいくつかの気づきが得られた、難しい曲をスムーズに弾くためには、指の筋肉をつけたり、指の感覚を研ぎ澄ます必要があり、そのためにハノンなどの練習にも力を入れるべきと感じた。また美しい音色を出すためには的確なペダリングをマスターすることも必要で、どんな練習があるのか知りたいと思った。

印象的だったのが著者がピアノ演奏のアルバイトの面接での出来事である。それなりにピアノの技術に自信を持っていた著者が、即興演奏ができないこと、同じ志願者のピアニストの即興演奏に驚いたことなどの体験を語っている。その出来事からはジャズピアノとクラシックピアノの考え方の違いの大きさが伝わってくる。今のところなんとなくピアノを練習しているが、上達するとどんなピアノを引きたいかを考えなければいけない時期が来るのだろう。

期待通りの刺激を与えてくれた。ピアノの練習や上達や進路で悩んでいる人にはちょうどいいのではないだろうか。

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「限界を越えるピアノ演奏法」川上昌裕

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
音楽家であり指導者でもある著者がピアノの学び方について語る。

大人の趣味としてピアノを練習している中で、ピアノに関する視点を少しでも多く取り入れられればと思い本書を手に取った。

読み始めて気づいたのだが、著者は盲目のピアニストとして有名な辻井伸行氏を指導した先生でもあるという事で、辻井伸行氏とのエピソードも含まれている。そんほかにもピアノ学習方法や、さまざまなジャンルの音楽を身につけるための考え方などを語っている。そのいくつかは他の分野の上達にも適応できそうなものである。

特に

  • インプットとアウトプットのバランス
  • クリエイティブとはゼロから作り出すことではない

の章などはデザイナー視点からも大いに共感できる。

残念ながら、タイトルにある限界を超えるピアノの演奏法らしきものは一切書いてなかった。ピアノの演奏を必ずしも知りたくて本書に辿り着いたわけではないが、いいことを語っている部分もあるだけに、商業主義のなかで内容と一致しないタイトルをつけている点が残念である。

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