オススメ度 ★★★★☆ 4/5
今を生きる女性4人を描く短編集。
今でも世の中には男尊女卑の文化は残っているのだろう。僕ら男から見てもたびたびそう感じるのだから、女性たちが感じるその不平等はさらに強く映っているに違いない。
自分の容姿の美しさのせいで性の対照として見られ続け、それを避けるためにガングロになる女子高生。一方、ある三十代の女性は、婚期を逃して会社にとどまり続ける。多くの男性社員が自分より出世し自分は常に若い女性社員と比較され続ける。
男と同じように評価されたとしても、女性たちは仕事ができれば「女性らしくない」とか「家事はできない」「可愛くない」と言われるのだろう。女性たちが生きるのをここまで難しくさせているのは、社会の評価と、男性の評価と、女性の評価があまりにも異なった審査方法をとっているからに違いない。
女性が女性を評価するときの腹黒さに比べれば、男性が女性を「かわいいから許す」などという本人たちの努力無関係に女性を評価する姿勢さえも可愛く見えてくる。
最期の章は日本に住む中国人を夫にした女性の話。仲良くやっていけるか不安がる日本人に対して、仲の良さなど大した問題じゃないと言い張る中国人。そのやりとりはなんとも心に残った。
女性達の生き方の困難を理解していない男性たちにお勧めである。
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