オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第164回芥川賞受賞作品。推し活にを唯一の楽しみとして生きている高校生のあかりの様子を描く。
アイドル上野真幸(うえのまさき)を「推し」と呼んで、コンサートに行ったり、バイトの給料をつぎ込んでグッズを購入したり、ブログに書いてファン同士で交流するあかりの「推し活」の様子を描いている。
「推し活」に一生懸命になる一方で、少しずつ実際の生活では学生生活でも家庭でもアルバイトでもうまくいかず、出来の良い姉にコンプレックスを抱きながら生きていく様子が描かれる。
推し活という楽しみ方を知らなかったので、その世界を垣間見せてもらった。時間をかけた下調べや詳細な情景や感情描写はほとんどないが、新しい文化を運んできてくれるという点で、芥川賞らしい作品である。