オススメ度 ★★★★★ 5/5
社員の誰もが学習し、組織全体としても学習して発展していくというのは企業としての理想の姿であるが、多くの企業がそれを目ざしながらもできないでいる。本書はそんな学習する組織を作るために必要な考え方や、陥りがちな問題を丁寧に解説する。
印象的に残った話はいくつかあるが、そのうちの一つが「探求と主張のバランス」である。
企業はどうしても大きくなるにつれ、生産性のない会議の数が増えていく。不要な会議を減らし、必要な会議はより充実したものにするためにあるべき姿はまさに「探求と主張のバランス」なのだろう。
また、「意識の変容」という章のなかで説明されている内容も面白い。多くの人は物事を線形に捉えようとするが、実際には環状であり、世の中にある多くの問題が、物事を環状に捉えられないゆえに解決されていないのだという。本書ではその例を「コップに水を満たす」という行為で説明している。
その他にも組織に関わる人に知って欲しいおおくの内容で溢れている。
とてもすべてを理解したとは言えないが、組織のなかでの行動に大きく影響を与えるであろう内容がたくさん詰まっている。ぜひ、もう一度読んでみたい。やや英語の翻訳にわかりずらい点があるのでひょっとしたら英語で読んだ方が内容の理解はしやすいかもしれない。
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