「0ベース思考 どんな難問もシンプルに解決できる」スティーヴン・レヴィッド/スティーヴン・ダブナー

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
物事を解決するためには多くの知識や経験を必要とすることもあるが、一方で先入観を持たずに望めば他の人が見えない解決方法が見えることもある。しかし、先入観を持たずに物事を見つめるのは言うほど簡単な事ではない。本書はそのためのヒントを多くの事例を交えながら紹介している。
面白かったのはフードファイター小林尊(こばやしたける)がホットドッグ大食い大会を制覇するために行ったことを書いた章である。小林尊(こばやしたける)は前年25本だった優勝記録を一気に50本に伸ばして圧勝したのである。しかし、小林は元々大食いだったわけではなかったというのである。小林が行ったのは単純に優勝するための試行錯誤とそれを実現するために特化した練習なのだという。

たとえばホットドッグを端から食べろだなんて、ルールのどこにも書いていない。そこで単純な実験から始めた。食べる前にソーセージとパンを半分に割ってみたらどうだろう?こうすると、噛んだり呑み込んだりする方法に幅が出たし、口でやっていた仕事の一部を手に任せられてラクになった。

また、「コブラ効果」や「ナイジェリアの詐欺」の話も面白かった。これから行う事の結果を予想したり、多くの人の行動を少しでも自分の望む方向へコントロールしようとするときのヒントとなるだろう。
実は本書は「ヤバい経済学」と同じ著者によるもので、実はこの2冊の間には「超ヤバい経済学」という本もあるそうなのでそちらも後で読んでみたい。
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「ヤバい経済学」スティーブン・D・レヴィット/スティーブン・J・ダブナー

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
1990年代の後半のアメリカ。誰もが犯罪の増加を予想する中、殺人率は5年間で50%以上も減少した。多くの人がその理由を語り始めたという。銃規制、好景気、取り締まりなど、しかしどれも直接的な理由ではない。犯罪が激減した理由はその20年以上前のあるできごとにあったのだ。
わずか数ページで心を引きつけられた。経済学と聞くと、どこか退屈な数学と経済の話のように感じるかもしれないが本書で書かれているのはいずれも身近で興味深い話ばかりである。大相撲の八百長はなぜ起こるのか。なぜギャングは麻薬を売るのか。子供の名前はどうやって決まるのか。こんな興味深い内容を、数値やインセンティブの考え方を用いて、今までになかった視点で説明する。
個人的には冒頭のアメリカの犯罪率の話だけでなく、お金を渡したら献血が減った話や、保育園で迎えにくる母親の遅刻に罰金を与えたらなぜか遅刻が増えた話などが印象的だった。お金を使って物事を重い通りに運びたいならそこで与えるお金の量は常に意識しなければならないのだろう。
なんだか世の中の仕組みが今まで以上に見えてくるような気にさせてくれる一冊。
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