「ドローイングレッスン」ジュリエット・アリスティデス

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5

先日読んだ、「ペインティングレッスン」の同じシリーズのドローイング版である。「ペインティングレッスン」が新たな視点をもたらしてくれたので、本作にも期待して手に取った。

本書はデザイン、ライン、明度、フォルムの4つの視点でドローイングを解説する。その過程で、さまざまな歴史的な美術の背景や、作品を紹介している。デザインの章では黄金比について多くの例を交えて解説しており、改めて黄金比の重要性を感じた。ちなみにフォルムとは3次元の錯覚を作り出すことで、写実主義の芸術家がたちが没頭した、絵に説得力を持たせるためには不可欠な技術なのだという。

測定法についても3つの測定法、サイトサイズ法、関係法、比較法を語っており、度々出てくるブロックインという手法ともに、長所と短所に、軽く触れているだけで、正確な解説には至ってないので、別の書籍などで理解できるまで調べてみたいと思った。

ペインティングレッスンと同様に明度の重要性を改めて感じるとともに、絵画とはいえ、不要なものを削ぎ落とし、意図した通りの再構成することが良い作品を作るためには重要で、ただみたものを写し取るだけではなくデザインと非常に似たものだと感じた。

「ペインティングレッスン」と同様に、人生をすべて費やしても足りないのではないかと思わせるぐらい、絵画の深さを感じさせてくれる一冊である。

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「ペインティングレッスン」ジュリエット・アリスティデス

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
有名な絵画の解説とともに、著者がその生徒たちに実践させている練習方法を紹介する。

上手なアーティストと自分の絵を比べると、今更ながらに技術にかなりの差があるのと感じ、その差を埋めるためにどのようなことをすればいいのかを知りたくて本書にたどり着いた。

本書では、構図、明度、色について説明しながら、有名な美術作品を紹介している、また、それとあわせて7つの練習の手法と実際の生徒たちのその練習の様子を紹介している。

  • モノクロの模写
  • モノクロのキャストペインティング
  • 明度を基調にした静物画
  • 暖色と寒色によるキャストペインティング
  • カラーの模写
  • カラーの静物画
  • 人物画

1つの絵を白黒に変換するときに、明暗をどのように解釈するかにも何通りものパターンがある。そのパターンを検討した上でベストなものを選択するという考えを今まで持っていなかったことに気づかされた。美大等でデッサンにかける時間を考えると当たり前なことかもしれないが、改めて、実際のものを見てそれを白黒に変化するデッサンの重要さを知ったので早速毎日の習慣に取り入れたい。

また、拭き取り技法、キャストペインティング、サイトサイズ法など、わからない用語がいくつかあった。おそらく美術を専門的に学んだ人にとっては常識だと思うので、しっかり調べて理解したいと思った。同じ著者の作品に「ドローイングレッスン」というのもあるので本書に続いて読んでみたい。

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