「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
スマートFONを日常的に使うことの危険性について語る。

全体的に過去の人類の進化の過程とともに、なぜ人が現代病と呼ばれるストレス、うつ、依存症に陥るかを説明している。そして中盤以降は、スマホ、ブルーライト、SNSが人間にもたらす悪影響ををデータと共に説明していく。

もっとも印象的だったのは「シリコンバレーは罪悪感でいっぱい」の章である。そこではフェイスブックのいいね機能を開発した人物が、自分が発明によって世界中にSNS中毒を生み出したことに罪悪感を感じていることや、iPadの生みの親であるスティーブ・ジョブスはiPadを自分の子供には使わせなかったという事実が語られている。

たしかに、僕自身もサービスの開発に関わる仕事をしているが、常に焦点となるのは、ユーザーの幸せではなく、どうやって繰り返しサービスを利用する人を増やすか、である。つまり世の中の多くの企業が、ユーザーの依存を作り出すためにサービスの改善を繰り返しているのである。

そんななか、印象的だったのは著者が繰り返し語る次の言葉である

新しいテクノロジーに適応すればいいと考える人もいるが、私は違うと思う。人間がテクノロジーに順応するのではなく、テクノロジーが私たちに順応すべきなのだ。

企業が短期的な成功を数字を見て判断する限り、ユーザーの幸せよりリピートに焦点を当てるのは必然であり、それによって世界中に依存症が作られ続けるのである。幸せにフォーカスした企業が成功するためにはどんな社会の改善が必要なのだろうか、と考えさせられた。

最終的には「運動脳」と同様に運動を進めている。僕自身はスマホやSNSに依存しているとは思わないが、子供を持つ親として、子供に依存しない生活習慣を身につけさせることの必要性を考えさせられた。

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「運動脳」アンデュ・ハンセン

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
身体を動かすことによる脳への好影響を語る。

運動が脳に与える効果を、さまざまな科学的論拠や実話とともに説明している。すでにタイトルから明らかなので、簡単に結論を言ってしまうと、薬を飲むよりも運動した方が脳には良いということである。具体的に本書で語っているのは、記憶力向上うつを防ぐモチベーションアップ学力向上などである。

少し前に読んだ「脳を鍛えるには運動しかない」と、言っていることは大部分同じではある。すでに体験的にわかっている人にとってどれほど新しい情報かというと疑問だが、「脳を鍛えるには運動しかない」では、ジョギングなどの単純な運動よりも、ダンスや格闘技などの適度に複雑さを伴う運動の方が良いとしていた。しかし、本書では徹底的にジョギングを勧めている。

週7回(ジョギング4回、スカッシュ2回、ダンス1回)の運動をする僕にとって、本書を読んで何か学びがあったかというと、ジョギングした直後に勉強をしたほうが記憶への定着の効果が高いらしい。つまり、現在は朝勉強して、夜ジョギングしている部分のルーティンはさらに最適化でるということである。

上にも語ったように、内容としては「脳を鍛えるには運動しかない」とあまり大差ない。しかし、こういう本は繰り返し読んですでにある運動に対する意識を強める必要があるのだろう。改めて、家族にも運動習慣を強く勧めたくなった

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