オススメ度 ★★★★☆ 4/5
埼玉で発見された男性の遺体は高価な将棋の駒とともに見つかった。かつて奨励会で棋士を目指していた刑事の佐野(さの)は将棋に詳しいが故に、石破(いしば)と組んで、将棋の駒の持ち主をたどることなる。
佐野と石破の将棋の駒の行方を追っていく様子と並行して、長野の諏訪湖のほとりで暮らす将棋の愛好家唐沢(からさわ)が、近所に住む少年上条桂介(かみじょうけいすけ)に将棋を教える様子が描かれる。恵まれない家庭に育った、上条桂介(かみじょうけいすけ)が、将棋を学びながら成長していく様子が描かれる。
貴重な将棋の駒が、なぜ遺体とともに発見されたのか、そして、上条桂介(かみじょうけいすけ)がどのように事件と関わっていたのかが、物語が進むにつれ明らかになっていく。
将棋の駒の魅力や、真剣師という生き方が描かれている。誰もが知っている日本の文化である将棋というものに、もう一度目を向けてみたくなる一冊。
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