オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
確かにデザインの仕事をしていると僕自身は練習すればできると思うものに対して「やっぱりセンスが違うね」という言葉を投げかけられることがよくある。デザインも色もすべて繰り返すことによって身につくもので、デザインの道で働く僕自身も未だ試行錯誤の毎日である。本書のタイトルにもある「センスは知識からはじまる」は、僕自身の考えとも近く興味をひいた。
著者は本書の中で、「普通を知ること」の重要性を説いている。普通がわかっているから、どれほど尖ったアイデアなら受け入れられるかわかるし、複数の「普通」を組み合わせて、一般の人が受け入れられる程度の「新しさ」を生み出すことができるのである。もし「普通」を知らないで斬新なものばかりをつくっても、それを受け入れてくれる人がいなければ結局役に立たないということである。
また、もう一つ面白いと思ったのは「技術からセンスへの揺り戻し」という考え方である。歴史のなかで技術の進化のあとには、もう一度芸術的視点を取り戻そうという動きが起きるのだという。羅針盤や印刷技術の発明の後にルネサンスが起き、産業革命の後にアーツアンドクラフツ運動が起こったように。そして今、インターネットによる情報革新がひと段落してまた芸術的ん視点に向かうのだという。
自分自身の考えを再確認させてくれる内容だった。著者がセンスを磨く方法として、普段読まない雑誌を読む、というのを進めているが、なんらかの形で取り入れたいと思った。
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