「ガッツリ稼いで図太く生き残る!FX」水上紀行

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
1980年代からインターバンク市場の為替ディーラーとして活躍した著者がFXについて語る。序盤こそFXの説明だったが、途中からは為替ディーラー同士の駆け引きや、為替ディーラー時代の思い出などが焦点となってしまった。それはそれで興味深く読ませてもらったが、それがFXの個人投資にどれだけ役立つかというとほとんどないだろう。また、取引に関しては、デイトレードやスキャルピングトレードなど短期のやりとりを中心に書いているので、長期でFXを考えている人にはあまり役に立たないのではないだろうか。

本書で個人のFXトレーダーに役立ちそうに感じたことは、トレンド相場とレンジ相場の違い、レンジ相場の3つのステージでであるが、こちらもデイトレーダー向けの内容である。長期のトレーダーに役立ちそうなことは第3章の「相場シーズンの違いをふまえる」である。シーズンによってある程度傾向があるのだという。

6月末の欧米金融機関の中間決算は、1年の中でも相場に別格の影響を与えるイベントのひとつです
10月15日前後には、ファンドの45日ルールに絡んだ値動きがある

この2つの時期はしっかり頭に叩き込んでおきたいと思った。この時期の前に利益を確定しておく方がいいのだろう。

為替ディーラーの仕事に興味がある人は楽しめると思うが、個人投資家向けのFXの情報としてはかなりの上級者向けの内容となっている。

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