「傍若無人なアメリカ経済 アメリカの中央銀行・FRBの正体」中島精成

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
経済にあまり詳しいわけではないが、やはり株価の動きや為替の動きを毎日眺めるうちに、もう少し深く知りたいと思い本書を手に取った。
リーマンショック、バブルの崩壊、プラザ合意、変動相場制、住専ん問題、山一証券など、それぞれの出来事やそれぞれの言葉の意味はなんとなく理解しているつもりでいたが、本書は、それらを大きな流れの中で説明しているため、経済に疎い僕にとっても面白く飽きずに読むことができた。
例えば、アメリカの双子の赤字(貿易赤字、財政赤字が並存すること)を発端とし、プラザ合意、ルーブル合意からドイツ、日本ともに内需を拡大することを求められ、その圧力ゆえに金融引き締め政策が遅れバブルへと突き進んでいく、という流れや、アメリカのITバブルの崩壊後の金融緩和がサブプライムローン問題、リーマンショックへと進んで行く流れである。
実際に著者が言いたかったのはタイトルにもあるように、どれほど世界がアメリカの経済に振り回されているか、ということなのだろうが、自分にとっては今まで点としてしか理解できていなかった経済の大きな出来事が線として繋がって見えてきた点の方が印象的だった。
なかなかすべて理解できたとは言えないが、非常に読みやすく経済に詳しくない人でも興味を持って読み進めることができるのではないだろうか。同じ著者の書いた経済の本をもっと読んでみたいと思った。
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