「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5

女性にあまり縁のない生活にを送っていた鈴木(すずき)は、友人に誘われた合コンの席で、一人の女性に繭子(まゆこ)と出会い、付き合うことになる・・・。
友人から薦められて読むことになった。結構賛否両論別れる内容だということで、大ハズレもあり得るかと構えたりもしていた。
軽く内容にふれると、鈴木(すずき)は繭子(まゆこ)と付き合っていたが社会人になったことを機に、状況し、そこで洗練された美女、美弥子(みやこ)と出会うのである。
タイトルである「イニシエーション・ラブ」というのがまさに本作のテーマ。人は常に変化するもの。過去自分が信じていたものさえも、その後自分が成長し、いろんなものを学ぶにしたがって、間違っていることに気づいて改めることもあり、むしろ改めることによってひとは成長していくと語っていて、それは恋愛についてもそれは同様で、今は好きになったひとを今後もずっと好きになるとは限らない、という考えである。
この考えはむしろ結婚などの広く日本人は広まっている慣習とは相反するものなのかもしれないが、常に周囲のものごとから学んで自分を発展させようと考えるひとにとっては、こちらの方が自然なのかもしれない。
そうやってこの本を受け止めたのだが、どうやらその裏には結構なトリックが隠されているらしく、読み終えてほかの人の書評を見るにいたって、ようやくそれに気づくことになった。
読みながらちょっとした違和感を感じたような気はするが、一読してそれを理解できる人がどれほどいるのだろうか?そういう意味では、なるほど、確かに賛否別れるかもしれない。
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