「届け物はまた手の中に」石持浅海

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
恩師である益子(ましこ)先生を殺害した犯人を殺して復讐を果たした楡井和樹(にれいかずき)は、同じく復讐を誓いながらも、起業家としての幸せな家庭を築くことを選んだ友人設楽宏一(したらこういち)にその報告に向かう。
この奇抜な設定がすでに石持ワールドへの入り口である。この設定に抵抗がある人は石持浅海の世界はあまり楽しめないのかもしれない。さて、友人設楽(したら)の家に復讐の報告に向かった楡井(にれい)は設楽の妻、妹、秘書の女性3人と設楽(したら)の子供の4人の歓迎を受ける。設楽(したら)は急な仕事で部屋から出てこないのだと。不自然な女性3人の行動と、友人が久しぶりに訪れているにも関わらず部屋から出てこない設楽(したら)。そんなか、楡井(にれい)は訪問の目的を果たそうと試行錯誤するのである。
ほとんど設楽(したら)邸で物語が進むという石持らしい作品。女性3人のわずかな不自然な動作を元に真実に近づいていく楡井(にれい)の思考を楽しめるだろう。
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