オススメ度 ★★★★☆ 4/5
降格人事によって大森署の所長となった竜崎伸也(りゅうざきしんや)。その担当の区域で複数の事件が立て続けに起きる。外務省や厚生労働省など事件解決とともに政治的な駆け引きに竜崎(りゅうざき)は関わっていく事となる。
「初陣 隠蔽捜査3.5」を間に挟んだので隠蔽捜査シリーズの第5弾となる。このシリーズは毎回、キャリアというイメージにそぐわず、つまらない縄張り争いや、階級意識などをもとともせずに正義を全うしようとする竜崎(りゅうざき)の率直かつ合理的な判断が読者に爽快感を与えてくれる。本書もそんな読者の期待に応えてくれるだろう。
シリーズのこれまでの作品はいずれも警察内部の出来事を描いた多かったように記憶しているが、今回は麻薬犯罪に絡んで、外務省や厚生労働署、そしてこちらは警察内部ということになるが公安が絡んでくる点が新しい。
例によって小学校時代の同級生であり現在は警視庁の刑事部長である伊丹俊太郎(いたみしゅんたろう)の存在が物語を面白くしている。伊丹(いたみ)も正義を全うする必要性を感じながらも、組織や権力のしがらみに右往左往することもあるため、竜崎(りゅうざき)の合理的なものの考え方を際立たせる事に鳴る。
一介の警察署長として大森署に捜査本部の場所を提供するだけだった竜崎(りゅうざき)がやがて事件の真相に近づいていくこととなる。シリーズ物といのはだいたい4作目、5作目と続いていくと飽きてくるもおだが、本シリーズは続編が楽しみである。合理的にものを考える男性向けのシリーズなのかもしれない。
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