「デザインの授業 目で見て学ぶデザインの構成術」佐藤好彦

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
デザインの発展の歴史に沿って、デザインの考え方について語る。すでに普段から心がけていることもあるが、一方で新たに気付かされる考え方もあり、非常に面白い。個人的に印象的だったのは「神はサイコロを振らない」というもので、本来は自然界に対してアインシュタインが言った言葉だそうだが、その言葉をデザインに対して使用している。つまり、デザイナーはデザインにおける神であり、そのデザインのなかで適当に配置されていたり適当に選択されたりする色があってはならない、ということである。

また、デザインの発展において、過去には欠点とされていたものが、その欠点がなくなったあとで「らしさ」としてデザインに取り入れられるという考えも印象的だった。たとえば、本来文字を印刷するための活版印刷がその技術の未発達ゆえに紙面にへこみをつくってしまうことがあった。それが技術の発展した今では、あえてへこみをデザインすることで「らしさ」を表現できるのである。

デザインに対するモチベーションをあげてくれる1冊。アレックス・スタインワイスやアール・ランドといった歴史的なデザイナーについて知ることもできた。同じ著者に「デザインの教室」というのもあるようなのでそちらも読んでみたい。
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