
★★★★☆ 4/5
なぜ世界は1492年代の新大陸の発見以降、ヨーロッパ人が植民地を広げ支配することとなったのか。そこには必然性があったのか、過去の発明、職業、病気、言語などからその原因を考察していく。

最終的には、初期の狩猟採集民族から、動物の家畜化と食糧生産への移行が人口増加と鉄などの物質や武器の発明を可能にし、ユーラシア大陸の緯度と横長の形状がそれを達成するために大きなアドバンテージとなったという結論である。
結論までの考察の過程でさまざまな新しい視点を与えてくれた。今では日常的に存在する食糧生産と動物の家畜化がどれほど難しいものかを考えたこともなかったし、植物の種としての進化や、同様に種としての病原菌の発展の理由についても深く考えたことがなかったのでいずれも新鮮だった。
上下巻に分かれているが、結論としては上巻の時点で既に出ており、下巻ではオーストラリア大陸や、ニューギニアなどの地域別の考察となっているので、もう少しコンパクトにまとめた方が読みやすい本になったのではないかと感じた。
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