「平場の月」朝倉かすみ

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
50代になった青砥(あおと)は高校時代の同級生の須藤(すとう)と出会う。二人は少しずつ距離を縮めていく。

序盤にすでに須藤(すとう)が亡くなったことを知った青砥(あおと)が、須藤(すとう)との出会いを回想する形で物語は進んでいく。どちらも一度の結婚と離婚をしたあとに出会ったから、学生のようにキラキラしていない感じがありそうな雰囲気を醸し出している。恋愛に無鉄砲になれないために、なかなか前進しない関係や周囲にいる人の噂を話す人たちの存在を描いているところが面白い。

50代の男女の物語というのが新鮮である。若い頃はは50代といえば、すでに人生の晩年のような印象を持っていたが、自分自身アラフィスに近づいた今、50代でも生き方次第でいくらでも青春できることを知っている。そういう意味ではもっと50代の青春を描いた物語が増えてきても良いだろう。

似た物語が一切思い付かないぐらい、新鮮さを感じさせてくれる物語である。

【楽天ブックス】「平場の月」
【amazon】「平場の月」

投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。