オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
さつき、みやこ、みのりの三姉妹が「るり姉」と呼んで慕う母親の妹るり子はエネルギッシュで自由奔放、周囲の人まで元気にさせる。しかし三姉妹はそんな彼女が入院し次第に衰弱する様子に愕然とする。
非常に近い関係の人々がそれぞれの視点で物語を語る、という最近よく出会う形式の物語。この形式の物語を読むと、「見る人によって善悪や常識・非常識が変わるのだと言う当たり前のことが改めて分かる気がする。
本物語を語る目線となるのは中学生のさつき、みやこ、小学生のみのりの三姉妹である。そのため、部活のことだったり飼い犬のことだったりと向き合う問題は非常にたわいもないものでそんなに深刻な事を考えたりはしないが、だからこそそれぞれが慕っている「るり姉」が入院したという事実が3人に大きな出来事として影響していくのだろう。
物語は3人のほかにも母親で看護師のけい子、そして「るり姉」の夫である開人(かいと)を含めた5人から語られる。周囲の人の目線ゆえなのか、「るり姉」という一人の女性が与える存在の大きさを感じる。きっと多くの人はこんなふうに身近な人にプラスの影響を与える人間になりたいのだろう。
自分の周囲の人間関係ついてちょっと考えてしまうかもしれない。
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