「天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある」山口真由

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
東大卒の著者がその学習方法を語る。

学習メソッド系の書的の多くに言えることで、読者として気をつけなければいけないのは、単にある程度成功した地位をたどり着いた著者が、自分がやってきた方法を紹介しているだけで、必ずしも、他のさまざまな方法と比較して確かにこの方法が効果があることを検証した結果、採用しているわけではないということである。

本書でも、著者がとってきた様々な方法を紹介しているが、紹介されているのは、効率を考えずにひたすら時間を費やす方法で、方法もサボらないための工夫といった感じである。著者は運動が苦手だとのことだが、確かにこの努力の仕方では、体力的に費やす時間の限られる(そうしないと怪我をする)運動はうまくならないだろうなと感じた。

一般的な人から見て、「並外れた努力」と見えるものも、実際に本人にとっては日々の考え抜かれたルーティンに従っているだけ、つまり方法論があるというのは同意である。ただ、その根本にある考え方はかなり僕自身とは異なると感じた。

特に自分とは大きく異なると思ったのは、著者のつぎの方法である。

「自分との戦い」に持っていかない
努力はまわりに見せること!

つまり、著者は常に周囲の目を意識しており、それを原動力にしてきたのだと感じる。本書全体から伝わってくる著者の努力が、結構つらそうで、楽しそうな感じをあまり感じられなかった。僕は、人と比較せずに昨日の自分とだけ比較し、そのもの自体を楽しむことを毎日繰り返せば、時間の経過とともに自然と技術や能力は向上できる、と考えており、かなり考えが異なると感じた。

また、この著者の例がすべてではないだろうが、勉強量だけ増やして、効率や楽しさを考えない人が、東大行ったり弁護士になって世の中を動かしていて、日本は大丈夫なんだろうか、と思ったりもしてしまった。もし、努力できずに困って本書を読むのであれば、あまり鵜呑みにせずに一つの考え方として受け取ってもらえればいいなと思った。

正直「方法論」と語りながらも、効率の悪さの目立つ根性論が多かった。いくつかアイデアとして面白いと思えるものもあったが、後半に進むに従って内容が薄くなりで、必死で本の厚みを増やそうとしているのが伝わってきた。

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投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

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