「誘拐児」翔田寛

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第54回江戸川乱歩賞受賞作品。
終戦翌年に誘拐事件が発生し、5歳の男の子は戻ってこなかった。そして15年後とある殺人事件が起きる。また時を同じくして、母親をなくした、良雄(よしお)は5歳より前の記憶がないことに気づく。
きっかけとなる事件が戦後に発生したということで、戦後の混乱の様子が描かれている。本作品はそんな混乱に便乗した事件を発端としている。物語中の主な舞台となっている時代も、戦後の混乱の15年後ということで、とても今「現代」と言えるような時代ではないだろう。パソコンも携帯も普及していなかった時代の物語である。
江戸川乱歩賞ということで期待したのだがよくある小説という印象であまり個性が感じられない。著者はいろいろ考え抜いて本作品を作り上げたのだろうが、残念ながら1ヶ月もすれば読んだことすら忘れてしまうだろう。

ノモンハン事件
1939年(昭和14年)5月から同年9月にかけて、満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線をめぐって発生した日ソ両軍の国境紛争事件。(Wikipedia「ノモンハン事件」
大政翼賛会
1940年(昭和15年)10月12日から1945年(昭和20年)6月13日まで存在していた公事結社。国粋主義的勢力から社会主義的勢力までをも取り込んだ左右合同の組織である。(Wikipedia「大政翼賛会」

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