「危ない世界一周旅行」宮部高明

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
世界一周航空券で320年かけて行った世界旅行記。
ここ最近旅行記はよく本になるが、この本は旅のすばらしさよりも、そのタイトルからも推測できるように、旅の危険さに焦点があてられている。単に著者の体験のなかで危険なことの占める割合が多かったせいでそうなったのかどうかはわからないが、ある意味新鮮である。
ほかのよくある旅行記同様、自分に酔っている感があふれていて、「俺」口調も最初は気になったが、慣れれば無視できるもので、それなりに楽しませてもらった。
タイトルのとおり、著者は各地で危険な目に遭うわけだが、読んでいる側からすれば、自殺行為にしか見えない行動も多々あり、やや著者が勇気ある、というよりも無知でおろかな人間に見えてしまうが、それが旅の魔力なのだろうか。「安全な場所で冷静に本を読んでいる人にはなんとでも言える」と著者も読者に言いたくなることだろう。
各訪問地を、治安、人柄、物価の5段階で評価しており、これから世界一周を考えている人は軽く読んでみてもいいのではないだろうか。ちなみに治安の評価がもっとも低かったのは南アフリカとコロンビア。
まあ、そうだろうな。
【楽天ブックス】「危ない世界一周旅行」