このサイトは今まではフィクションのみの感想を書くというコンセプトで進めてきたのだが、今年からはノンフィクションについても書いていこうかと考えている。
というのは、フィクションでもお面白い作品というのは必ずといっていいほど現実を取り入れているし、実際、作家でいえば横山秀夫は新聞記者だからこそ、「クライマーズハイ」の中の新聞社の様子があそこまでリアルに描かれるのだと思うし、藤原伊織は広告代理店に勤めていたからこそ「シリウスの道」で描かれる職場の様子はリアルなのだろう。池井戸潤の「空飛ぶタイヤ」もフィクションではあるけれど、現実の事件をもとに描いていることは明らかである。海堂尊も医者だからこそ、日本の医療の問題点を小説に落とし込むことができるのだ。
そう考えると、フィクションとノンフィクションの境目は面白い小説ほど曖昧であり、そんな現実を描いた小説に影響され、そのことについて「もっと知り合い」と思って新書などを手に取ることも少なくないのである。
つまり、別に自分の中でフィクションとノンフィクションの間に線を引く必要はなく、読んだものに対して、自分なりに消化する場になればいいのではないかと思い始めたのである。