「フレンズ シックスティーン」高嶋哲夫

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
15歳のアキの目の前で、親友ユキの父親と妹の優子(ゆうこ)は、暴力団の抗争に巻き込まれて死亡した。親友のユキは心を閉ざし言葉を喋らなくなった。アキは友人の3人と「親友のユキのために自分たちにできること」を探し始める。
15歳という、肉体的には成熟しながらも、精神的には不安定な、アキを含む4人の友人たちの行動が興味深い。それは読者の予想通り、少しずつ間違ったほうに進んでいく。(「間違っている」という考え方自体、僕らの主観的意見に過ぎないのだが)。
何をすればユキは再び喋るようになってくれて、幸せになるのか、そして自分たちは?。若いからこそ、何をすればいいかわからないけど何かをせずにはいられない。冷静にならなければいけないとわかってても心の中に沸き起こる感情に抗うことができない。
それは単純に友人に対して起こった悲劇に対する怒りからだけでなく、不条理な世の中に対する思いや、やりきれない自分に対する怒りの捌け口へと変わっていくようにみえる。
以外だったのは、最後まで読んでも、著者である高嶋哲夫の結論的なものが見つからなかったということだ。そういう点で、過去読んだ彼の作品「ミッドナイトイーグル」や「イントゥルーダー」とはやや異なる印象を持つとともに、結局、この作品はどういう意図で書かれたのだろう?、といった、少々もやもやしたものを感じている。
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