オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
釣り人が上半身を引きちぎられた状態で発見された。目撃者は「河童を見た」という。ルポライターの有賀は真相を突き止めるために沼を訪れる。
前作「TENGU」が傑作だったゆえに、同じ未確認生物を題材とした本作品にも自然と手が伸びた。
本作品はそのタイトルが示すとおり沼にひそんだ謎の生物を追うことがメインであるが、大きな沼を舞台にしているため、その沼と長い間関わってきた地元の人々の生活の様子も描かれている。中でも放流されたブラックバスが与えた影響についてのくだりは印象深い。
内容については、やはりどうしても前作「TENGU」と比較してしまうのだが、「TENUG」ほど話の広がりは残念ながらないが、ルポライターで自由に生きている有賀(ありが)や、地元警察署の阿久沢(あくざわ)、沼でずっと生きてきた源三(げんぞう)の人間性に焦点を当てている。
そんな中、正反対の生き方を歩んできた、有賀(ありが)と阿久沢(あくざわ)が語りあうシーンはいろいろと考えさせてくれる。
タイトルこそ未確認生物として共通しているが前作「TENGU」とはかなり趣の異なる作品。期待値が高かっただけにやはり評価は厳しくなってしまう。
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