オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
松島早紀(まつしまさき)巡査部長とその上司の永倉(ながくら)警部補の所属する所轄警察署は、拉致事件と中国人によるキャバクラ強盗事件を扱っていたる。その一方で、落ちこぼれの高校生3人組みは日々の鬱憤をナンパなどで晴らしていた。
高校生三人組の生活と、警察の捜査を交互に見せることで、いつかこの2つの物語が重なっていくのだろうという期待を持たせる。そして、高校生三人組の目線でも、他の二人の行き過ぎた悪さに戸惑う博史(ひろし)、自分を他の二人のおろかな行為の尻拭いをしなければならない被害者としか思わない、亮(あきら)など常に目線は移り変わり、一見自分勝手にしか見えない人間にもそれぞれポリシーがあり言い分があるのだということを認識させられる。
そして、捜査の忙しさによって家庭のケアに時間を割けない永倉(ながくら)とその高校生の娘、絢子(あやこ)のやりとりも重要な要素となっていく。そして、キャバクラ強盗事件から、中国人組織と、日本国内における、中国人、日本の暴力団、警察組織の駆け引きにも触れられている。
そんな捜査の過程で刑事達は嘆く…
終盤の、目の前で起こる出来事に戸惑い暴走する少年と、恐怖によって判断力を失った少女の行動を共にするシーンは個人的にはもっとも印象に残っている部分である。前半の展開の遅さにはややストレスを感じたが、後半は十分によみごたえがあった。
ただ、個人的には、松島(まつしま)巡査部長の女性被害者を守る立場と、犯人を逮捕したいという気持ちや、女性蔑視がはびこる警察組織内ゆえの葛藤をもっと表現して欲しかったと感じる。
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