「4TEEN」石田衣良

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
第129回直木賞受賞作品。
太って大きなダイ、小柄でメガネで賢いジュン、ウェルナー症という病気を抱えたナオト、そして読書が趣味の主人公テツロー。東京湾に浮かぶ島。月島を舞台に14歳の中学生4人の青春を描く。
友情、恋、性、暴力、病気、死。彼らの生活の中で多くの出来事が展開する。そんな4人の前で起こるバリエーションに豊かさに、若干作られたストーリーという面を強く感じないでもない。それでも自分が14歳だった頃、何をして楽しんでいたかをつい考えてしまう物語であった。時代は違えど、目の前で起こる出来事、興味の対象に対してストレートに感情を表現する彼らの姿に、読者は昔の自分との共通点など、忘れていたものをいろいろ思い出すことだろう。


ウェルナー症候群
20世紀初頭に、ドイツ人の眼科医オットー・ウェルナーによりアルプスの谷間に住む4人兄弟の患者が初めて報告されたことから、この名前がつけられた。 一般の人より数倍のスピードで年をとる病気「早期老化症」の一つで、20歳頃から白髪や皮膚の皺などの老化の特徴が現れ始め、糖尿病,癌などで40歳あまりで死亡してしまう。
 また、ウェルナー症候群は日本人に極めて多い早期老化症である。この症状を長年にわたって診断してきた東京都立大塚病院の後藤眞博士らによると、ウェルナー症候群の臨床報告数は世界でおよそ1200例。そのうち日本からのものが800例を超えて群を抜いている。

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