「わが心のジェニファー」浅田次郎

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
30歳を過ぎたラリーは、恋人で日本を愛するジェニファーにプロポーズをしようとする。ところが、ジェニファーからプロポーズをする前に日本を見てくるようにお願いされたため、ラリーは休暇を取って日本へ行くことを決める。
日本を訪れたラリーを描いている。東京、京都、大阪と訪れるうちに、少しずつ日本の文化にラリーは魅了されて行くのである。興味深いのはラリーが祖父に育てられたところだろう。ラリーはその訪問の最中たびたび祖父や両親のことを思い返すのだ。特にラリーが、両親に育てられた友人たちと、祖父に育てられた自分を比較して、育て方の違いが現在の自分の性格に影響を与えていると考える部分が印象的である。

父親は息子の失敗をフォローすることができるが、祖父には孫にそうするだけの時間も体力も残されていないから、勇敢であることより堅実であることを求めるのは当然だからだ。

自国の文化を賞賛するだけの物語かと思ったが、最後はちょっと感動できる。
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