オススメ度 ★★★☆☆ 4/5
ゴッホもピカソもどちらも現在では有名な画家でありながら、ゴッホが評価され絵が売れ始めたのは亡くなった後のこと。それに対してピカソはお金の作り方を心得ていた故にお金持ちだったという。そんな話から本書はお金だけでなく「価値の作り方」を語る。
本書によれば、これまで僕らは政府の発行する「お金」ばかりに価値を置いて生きてきたが、その形は崩れ始めているという。大企業の持つ仮想通貨の方が国の信用によって成り立つお金よりも安定していて価値がある場合もあるし、また信用のある個人の発言がお金以上の価値がある場合もあるというのだ。
ここで「価値」という言葉を使うと全体の意味がわかりにくくなるかもしれない。結局「お金」もどれほど社会や世の中に影響を与えるかを表したものである。例えば多くの読者を持つブログの著者は、その発言によって世の中に大きな影響を与えることがわかるだろう。さらに、お金がなくても信用力、発言力のある人が困っていれば、寄付などは簡単に集まるというのである。
つまり、本書では現代において、政府のお金を蓄えること、企業のお金を蓄えること、自分の価値を高めること、の3つの軸で自らの生活を考えることが必要だと語っているのである。本書は「お金」を貯めるよりも「信用」を貯めることの方がはるかに重要だというのだ。
それでは信用を貯めるにはどんな方法が有効なのだろう。本書ではこんな表現を用いている。
「専門性」は、ミッションや才能を価値に変換する能力
「確実度」は、約束を守るということ
「親密度」は、相手との精神的な距離の近さ
「利己心」は、自分の利益を重視すること
生き方に軌道修正をしなければならない気にさせてくれる一冊。
かなり納得する部分があり本書を読み終わって、いくつかのTwitterアカウントの解説と、LinkedInのプロフィールを見直した。忘れないようにこの考え方を繰り替えし見直したいと思った。
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